1年くらい前からよく耳にするようになった「インボイス制度」っていう言葉、TABEちゃん実はどんなものか理解していなかったんだ。気になってチラッと調べてみたら、どうやら消費税の控除を受けるのに関係する制度らしい・・!
そういえば、「理美容室の経営においては売上を伸ばすことももちろん重要だけど、節税も大切!」って先輩が言ってたな~。
そこで今回は、理美容室が支払う消費税の控除やそれに関わるインボイス制度について、先輩に教えてもらいながらポイントをまとめてみたよ。
この記事は
参考になる!
この記事を
あとで読む!
あなたの興味のある「#タグ」や「カテゴリ」「シリーズ」などを「気になる!」登録すると、関連するコンテンツがMy:TB-PLUSに自動で表示されるようになり、最新のコンテンツを見落とす心配や、コンテンツを探す必要がなくなりとっても便利です。
TIPS:TB-PLUSの便利な活用術
理美容室の経営で課される税金
理美容室を経営しているのが個人事業主か法人なのかによって、課される税金の種類が違うんだって。
主な税金がそれぞれどちらに分類されるのかまとめてみたよ。
個人事業主として払うべき税金
理美容室を開業するとき、最初は法人化せずに個人事業主として始める人も多いそう。
個人事業主の場合は、以下の4種類の税金を納める必要があるんだって。
●所得税および復興特別所得税
●個人住民税
●個人事業税
●消費税および地方消費税
法人として払うべき税金
理美容室を個人事業主としてではなく、法人、つまり会社を設立して経営している場合、納めるべき税金の種類は以下の5種類だそうだよ。
●法人税
●法人住民税
●法人事業税
●特別法人事業税(2019年10月1日~)
●消費税および地方消費税
理美容室を経営する場合は、上記のような税金の計算や手続きをすべて自分自身で行わないといけないんだね…。理美容室の売上が伸びて事業規模が大きくなると、経理業務が増えたり税務調査の対象になったりするから、税金についてより考慮する必要があるみたい。売上が1,000万円を超えたら、税金関係の管理や手続きは税理士さんにお願いするオーナーさんが多いみたいだよ。
インボイス制度とは?
理美容室を経営していくには、色々な税金がかかることが分かった!これだけたくさんあると、支払う金額も大きくなりそう…って思ってたら、先輩がインボイス制度によって税金の控除を受けられるよって教えてくれたんだ。インボイス制度ってよく聞くけど、具体的にはどういう制度なんだろう?
仕入れにかかった消費税の控除を受けられる
TABEちゃん、さっき学んだ理美容室の経営で課される税金の中で、「消費税」は個人事業主や法人にかかわらず課税されるんだなぁって思ってたんだけど、インボイス制度とはこの消費税のうち、「仕入れにかかった消費税」の控除を受けられる制度(=仕入税控除)のことなんだって。
仕入税額控除を受けるためには、仕入先から発行されたインボイス(適格請求書)を保存することが義務付けられているそうだよ。
🖊TABEMO(TABE-MEMO)
①インボイス(適格請求書)とは、請求書を発行する側の売り手が、請求書を受領する側の買い手に対して、正確な適用税率や消費税額などを伝えるための書類のこと。買い手側が取引にかかる消費税の仕入税額控除を受けるためには、一定の記載要件を満たしたインボイスでなければならない。
②インボイス制度は消費税の納税や申告にのみかかわる制度なので、所得税の確定申告である白色申告や青色申告への影響はない
インボイス制度の適用例
インボイス制度が適用されて、「仕入れにかかった消費税」の控除を受けた場合の例を先輩が教えてくれたよ。
例えば...
売上が110万円(うち消費税10万円)で仕入額が77万円(うち消費税7万円)だった場合、インボイス制度が適用されなければ、売上の消費税10万円をすべて国に納めないといけないそう。
でも、インボイス制度が適用されると、仕入額に含まれる7万円を差し引いた3万円のみ納税すればいいんだって。控除額が大きいから、節税につながりそうだね!
インボイス制度が事業者に与える影響
インボイス制度では、インボイスの発行や保存が義務付けられるから、経理処理の作業は増えるそう。そのほかにも、業務委託などで働いている理美容師さんが店舗にいる場合、その理美容師さんが免税事業者だとインボイスを発行できないことがあるから、理美容室の税負担が増えることもあるんだって。このことについては次の項目でよりくわしくまとめてみたよ。
理美容室が消費税の仕入税控除を受けるには?
インボイス制度についてさらにくわしく調べてみると、消費税の課税事業者か免税事業者かによって、消費税の仕入税控除への影響が大きく変わることがわかったよ。それぞれの違いについて、調べたことをまとめてみるね。
課税事業者の場合
課税売上高が1,000万円を超える事業者のことを「課税事業者」というそう。課税事業者は仕入先からインボイスを受け取り、正しく申請することで、仕入税控除が適用されるんだって。
ただし、取引先(業務委託先など)が課税売上高1,000万円以下の免税事業者でインボイスを発行できない場合、その分の仕入税額控除の適用はできないそうだよ。
🖊TABEMO(TABE-MEMO)
インボイスを発行できるのはインボイス発行業者(適格請求書発行事業者)のみであり、基本的に、課税事業者でなければインボイス発行事業者に登録できない。免税事業者がインボイス発行事業者に登録するためには、課税事業者選択届出書を税務署に提出し、課税事業者に変更する必要がある。
例えば、業務委託契約を結んでいるフリーランスの理美容師さんが免税事業者で、インボイスを発行できない場合、理美容師さんに支払う業務委託費については消費税額の仕入税額控除が認められなくなり、税負担が増えることがあるそう
ただし、取引先がインボイスを発行できない場合は、特例である「簡易課税制度」を利用することで、インボイスの発行を依頼する必要がなくなるんだって。
🖊TABEMO(TABE-MEMO)
簡易課税制度は、課税売上高が5,000万円以下(個人事業主の場合は前々年、法人の場合は前々事業年度)の課税事業者が、「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出することによって適用できる。
さらに、インボイス制度には経過措置があって、取引先や業務委託先が免税事業者でインボイスを発行できない場合でも、期限付きで以下の割合の控除を受けられるそうだよ。
●2026年9月30日まで:消費税の80%を控除可能
●2029年9月30日まで:消費税の50%を控除可能
理美容業界には免税事業者の個人事業主もたくさんいるから、課税事業者の理美容室のオーナーさんは、こういった制度も活用していくといいね。
免税事業者の場合
課税売上高が1,000万円以下の場合は、消費税の申告や納税が免除されるそう。個人事業主は前々年、法人は前々事業年度の売上高によって判断され、消費税の申告や免除の対象となった事業者のことを「免税事業者」というんだって。
免税事業者はそもそも消費税を納めていないから仕入税額控除の対象にはならず、課税事業者と違って取引先からインボイスを発行してもらえなくても問題にならないみたい。
【参考】
理美容室がインボイス発行事業者になるとどうなる?
免税事業者がインボイスを発行するためには、インボイス発行事業者に登録する必要があるんだよね。でも、免税事業者の理美容室のオーナーさんはインボイス発行事業者に登録すべきか悩む人が多いんだよ、って、先輩が教えてくれたんだ。
インボイス発行業者に登録すると、インボイスが発行できる以外にも何か変わるのかな?先輩に聞いたことをまとめてみるね。
自動的に課税事業者になる
1番抑えておかなくてはいけないポイントは、免税事業者がインボイス発行事業者に登録すると、課税売上高が1,000万円以下であっても自動的に「課税事業者」になることだそう。
免税事業者の理美容室がインボイスを発行できるようにするために課税事業者になった場合、お客さまから預かった消費税を税務署に納める必要があるから、これまで免除されていた消費税を納税することになり、収支に影響が出るそう。
ただし、年間売上が1,000万円以下の個人で経営している理美容室の場合、インボイスの発行が求められない個人のお客さまが多いため、そのまま免責事業者のままでいるケースも多いみたいだよ。
小規模事業者向けの支援措置
従業員5人以下の理美容室の場合、インボイス発行事業者へ登録して免税事業者から課税事業者になると、以下のような小規模事業者向けの支援措置も受けられるそう。
●納税額が売上税額の2割に軽減
●持続化補助金の上限額が一律50万円加算される
🖊TABEMO(TABE-MEMO)
持続化補助金とは、小規模事業者が制度変更などに対応するための経費の一部を補助するもの。税理士相談費用や機械装置導入、委託費などの費用が補助対象となる。補助上限は50~200万円(補助率2/3以内、一部の類型は3/4以内)だが、インボイス発行事業者に登録することで上限が100~250万円となる。
>>>理美容室の税に関して知りたい人におすすめな記事
まとめ
今回は、理美容室が支払う消費税の仕入税控除に大きく関わる、インボイス制度について知ることができた!課税事業者の理美容室のオーナーさんが消費税の控除を受けるためには、仕入れ先にインボイスを発行してもらう必要があるんだね。
インボイスを発行できない免税事業者の理美容師さんと業務委託契約を結んでいる場合は、簡易課税制度を利用したり、理美容師さんにインボイス発行事業者に登録してもらったりすることで、消費税の控除が受けられるようになることが分かった!
個人のお客さまが取引先となる理美容室側がインボイスを発行する場面は少なそうだけど、業務委託契約を結んでいる理美容師さんとの取引においては、とっても重要になるんだなぁって思ったよ。
インボイス制度は理美容室の経営や、フリーランスの理美容師さんたちの働き方を考えるうえでとっても重要なことだから、TABEちゃんももっと勉強しなくちゃ!
ということで、TABEちゃんの最強サロンソリューションパートナーになるための学びはまだまだ続く~。
✨関連記事✨
●理美容室で超重要な顧客管理!顧客の特性を知って売上アップにつなげよう
●1人理美容室の経営に失敗しないためには?よくある原因と対策
●理美容室の平均売上はいくら?規模別の目安や収益アップのポイント
●理美容室のカウンセリングは売上アップの鍵!ニーズを聞き出すコツとは
●理美容室における利益率とは?目標値や利益率アップのためにできること
●理美容室経営での勘定科目の種類は?経費計上できる費用について
●理美容室で指名料がかかる理由とは?相場や制度のメリット・デメリット
●理美容室はキャンセル料を請求できる?金額の目安、決める際の注意点
●理美容室の価格相場はどのくらい?メニューの価格はどう変動するのか
●カット・カラーの相場は?施術料が変わる要因やメニュー料金の決め方
記事に関連したおすすめのタカラベルモントのサービス
SALONPOS LinQ2
インボイス対応済みのSALONPOS LinQ2!
売上管理から、顧客のカルテ管理などなど【SALONPOS LinQ2】ならサロン経営に必要な機能がオールインワン!
豊富な機能(集客・接客・経営・課題分析)と幅広い総合解決力で、理想のサロンづくりを叶えます。
編集部おすすめ✨あわせて読んでほしいおすすめの記事
-
“美容業界の人材育成コンサルタント”が解説する「誰も教えてくれないクレーム対応の話」第2回 “値上げで失客!?”ロイヤルカスタマーへの正しい対応方法
この記事は
参考になる!この記事を
あとで読む! -
“美容業界の人材育成コンサルタント”が解説する「誰も教えてくれないクレーム対応の話」第1回 “自分は悪くない!”と思うクレームへの対応
この記事は
参考になる!この記事を
あとで読む! -
"美容室専門税理士"が解説する「誰も教えてくれないお金の話」第4回 現役サロンオーナーと担当税理士が語る"上手くいくサロンのお金の使い方“とは?
この記事は
参考になる!この記事を
あとで読む!
TB-PLUSは、タカラベルモント株式会社が運営している<サロンとあなたの“明日”に役立つ情報サイト>。
クリエイティビティを刺激するトレンド情報からサロン経営のヒントまで、成長と意欲につながるトピックやノウハウをお届けし、あなたのサロン人生を応援していきます。
\友だち追加 お願いします♪/
LINE公式アカウント タカラベルモント for salonで、最新情報を発信中!
この記事は参考に
なりましたか?
この記事は
参考になる!
この記事を
あとで読む!
あなたの興味のある「#タグ」や「カテゴリ」「シリーズ」などを「気になる!」登録すると、関連するコンテンツがMy:TB-PLUSに自動で表示されるようになり、最新のコンテンツを見落とす心配や、コンテンツを探す必要がなくなりとっても便利です。