基本から学ぶ!ヘアカラーの知識はどんなシリーズ?
ヘアカラーは技術力だけではなく、色の知識・髪質の見極め・使用する薬剤の理解など、様々な知識が必要です。
このシリーズでは、ヘアカラーに関わる基礎知識とレシピの考え方が学べるシリーズです。
ヘアカラーのしくみを学ぼう!
Vol.5 アルカリカラー剤が明度の違いを表現できる理由とは?
Vol.6 ブリーチ剤には何が入っているんだろう?ブリーチの仕組みを徹底解説!
Vol.8 どうしてヘアマニキュアは傷みにくいの?
Vol.9 カラーリングに必要な色彩知識とは?★今回はコチラ
Vol.10 ダメージ毛にカラーリングするとどのような現象が起こるの?
Vol.9 カラーリングに必要な色彩知識とは?
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カラーリングが一般的に行われている今、サロンワークでは「毛髪ダメージ」を考慮したカラーリングが必須となっています。
今回は、髪を美しく染めるために必要な毛髪科学を学ぶ前に、まずは準備体操!
色彩のメカニズムを知ることから毛髪科学の扉を開いてみましょう。
こんなことが学べます
・必須知識!色の3属性
・色相環で一目瞭然!補色の関係
・同じ色相でもトーンで違う色に!
今回のレシピは暖かみを感じるシルバー系とマット系の2種類をご紹介します!
必須知識!色の3属性
私たちの身のまわりには、無数の色が存在する。そうした色は、3つの属性(性質や特徴)に分けて考えることができる。
まず、赤みや黄み、青みなどの“色相”の違い。次に、明るい、暗いを示す”明度”の違い。そして、色の鮮やかさの度合いである“彩度”の違いがある。
色相環で一目瞭然!補色の関係
人の目が視認できる色みを、円状にならべたものを色相環と呼ぶ。
この色相環を知っていると「補色」の関係が一目瞭然となる。補色とは、色相環上で正反対に位置する色同士のこと。
補色の関係にある色同士は、最もコントラストが強く、互いの色を強く引き立て合う性質を持つ。そして、そんな補色同士を混ぜ合わせると、灰白などの無彩色がつくられる。ヘアカラーにおいては、色相環と補色の関係を知っておくことで、髪のアンダートーンや残留テイントを踏まえたカラーチェンジが、スムーズに行なえるようになる。
同じ色相でもトーンで違う色に!
トーンとは、明度と彩度をひとつにまとめた属性のことで”色の調子”とも言う。
髪の明度をトーンと呼ぶケースが見られるが、ここでは色彩学的なトーンについて解説する。下の図は、明度と彩度の関係による色の変化を示したもの。明度が高く彩度が低いと「薄い色」になり、明度が低く彩度が高いと「濃い色」、明度が中間で彩度が高いとビビッドになる。
たとえば、同じ「赤」という色相であっても、お客さまのイメージしている「赤」と理美容師のイメージしている「赤」とでトーンが異なる場合があるため、その赤の調子、つまりトーンを意識しながらカウンセリングすることが大切となる。
現在サロンで使われるアルカリカラー剤は、さまざまなトーン表現ができるよう、豊富な色数が展開されている。