理美容室の売上アップを目指すためにみるべきデータのメインビジュアル

<教えて美山先生!> 5分でわかる売上アップのデータ分析

第6回 優良顧客はどう増やす?既存顧客層の把握が第一歩!/客単価アップを目指す編

更新日

美山先生

美山先生

皆さまこんにちは!サロン経営アドバイザーの美山です。

全6回にわたり、サロンPOSのデータを活用した売上アップのために「みるべきデータ」についてお伝えしてきましたが、今回がいよいよ最終回です!第6回のテーマは、「客単価アップ(優良顧客の増やし方)について」です。

ぜひご覧ください!

\同時公開/
「売上」の構成要素を「スタッフの平均売上×スタッフの人数」で分解し、“「スタッフ個人の売上アップ」のためのデータ分析方法”の記事も公開しています。


気になる方は、こちらもあわせてご覧ください。

https://salon.tb-id.com/scope/marketing250603_02

本題に入る前に、少しおさらいです。


「売上」は「客数」×「客単価」の要素に分解できましたね。


関連記事:

第1回 理美容室の売上アップを目指すために見るべきデータはこれ!



第2回、第3回では、「客数アップ」のためにみるべきデータについて紹介させていただきました。

 

関連記事:

第2回 カルテ客数アップのためにみるべきデータ / 客数アップを目指す編

第3回 来店サイクルを縮めるためのデータ活用 / 客数アップを目指す編



第4回・第5回では「客単価」をどう伸ばしていくのかについて見ていきましたね。

客単価は「技術単価+商品単価」で考えられるため、それぞれをアップさせる方法についてご紹介しました。


関連記事:

第4回 技術単価はアップできる?メニュー複合率の分析が鍵となる!​ / ​客単価​​アップ​​を目指す編

第5回 店販品単価はどうアップさせる?購入数と購入率の分析が鍵!/ 客単価アップを目指す編

ん?優良顧客って4回目、5回目の「客単価アップ」の話とどう違うの?と思った方、鋭い!!
そうです。客単価を構成する「技術単価」も「店販品単価」も結局は、優良顧客を獲得できていれば自ずとどちらもアップすると考えることもできます!


なので、今回は少し切り口を変えて、1回目で紹介した売上を構成する要素図に要素を追加し、「そもそも優良顧客をどのように把握すべき?」「優良顧客を増やすことで、本当に売上アップにつながるの?」といった疑問に対して、サロンPOSデータを活用した具体的な方法をご紹介します!

優良顧客数アップを目指す

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理美容市場の状況

まずは、理美容市場の現状について見ていきましょう。


近年、サロン業界では新規客数やカルテ客数が年々減少しています。

日本の総人口は今後も減少が見込まれているため、この傾向も続くと考えられます。


しかし、新規客数やカルテ客数が減っているにもかかわらず、お店の売上は以下のデータが示すように増加傾向にあります。これはなぜでしょうか?


その理由のひとつとして、年間使用金額が10万円以上の「ロイヤルカスタマー*」の存在が挙げられます。

(*タカラベルモントでは、「サロンへのロイヤルティ(忠誠心・愛着心)が高く、年間支払金額合計10万円以上のお客さま」をロイヤルカスタマーと定義しています。)

ロイヤルカスタマーがお店の総売上に対する割合は年々増え、売上に与える影響が大きくなっています。

サロン売上状況
顧客の年間支払額別売上構成比

「顧客の優良化」に取り組むことが、カルテ客数が減少していくと予想される今後において、お店の売上アップに貢献するための効果的な手段といえそうですね。

優良顧客を定着させることで、客単価アップに成功した事例

SALON POS LinQ2の【課題発見分析】画面で、あるサロンを例にデータを確認してみましょう。


こちらの例では、客数は横ばいであるにもかかわらず、売上が大きく伸びています。

そして、売上のもう一つの構成要素である「客単価推移」を確認すると、客単価が大幅にアップしていることが分かります。

つまり、客単価の高い優良顧客が増えたことで、売上アップにつながったということです!


このように、集客に力を入れるだけでなく、優良顧客を育てて定着させることで客単価がアップし、売上が伸びたという例は多々あります。

SALON POS LinQ2【課題発見分析 基本画面】画面(※図表は、数値などを見やすいように加工しており、実際の画面とは異なります。)

SALON POS LinQ2【課題発見分析 基本画面】画面(※図表は、数値などを見やすいように加工しており、実際の画面とは異なります。)

優良顧客をサロンPOSデータから把握する方法

では、「優良顧客」を増やすためには、どのような対策プランを考えればいいのでしょうか。

それを考えるにあたり、まず把握しておかないといけないのがお店の顧客構成です。
(これまで記事を読んでくださった方なら、もう言わずもがなですね。)


そして、サロンPOSのデータを活用すると、たとえば以下のような基準で優良顧客を分類し、分析することが可能です。


● 売上に対する比率で顧客を分類したとき、上位20%にあたるお客さま

● 年間使用金額ごとに顧客を分類したとき、○円以上のお客さま


ここからは、実際にサロンPOSデータを活用して優良顧客を把握する方法について見ていきましょう。

売上に対する比率で顧客を分析する


では、順番にデータの分析をしていきましょう。


売上金額上位20%の顧客を分析する


ビジネスやマーケティングの分野で広く活用されている「ニッパチの法則(パレートの法則)」をご存じでしょうか?これは、「売上の8割は全顧客の2割が生み出している」という考え方で、多くの業界に当てはまるとされています。


理美容業界でも同様の傾向があると考えられますので、売上アップのためには上位20%の顧客を把握することが重要になります。


SALON POS LinQ2の【顧客価値推移分析】を活用し、売上に対する比率で顧客を分類したとき、売上金額の上位20%がどのような顧客で構成されているのか確認してみましょう。

SALON POS LinQ2【顧客価値推移分析】画面(※図表は、数値などを見やすいように加工しており、実際の画面とは異なります。)

SALON POS LinQ2【顧客価値推移分析】画面(※図表は、数値などを見やすいように加工しており、実際の画面とは異なります。)

この表では、1年間を前期(横軸/1月~6月)と後期(縦軸/7月~12月)に分けて、それぞれの期でのお客さまの売上金額によって「大・中・小」に振り分けています。


たとえば、青枠の部分に該当する55人は、前期・後期共に上位20%に含まれるお客さまという事です。

さらにこの55人のお客さまで、なんと前期売上の25.6%、後期売上の30.4%を占めていることもわかります。


優良顧客を育てて定着させることがお店にとってどれほど大切か、サロンPOSデータでの分析を通じて、改めて実感いただけるのではないでしょうか。


また、【大(20%)】の項目を選択し、【クロス分析】ボタンをクリックすると、「年代」×「性別」などの条件で売上金額の上位20%を構成する顧客像を把握できます。

より具体的な顧客像が把握できると、優良顧客を育成するための対策プランを立てやすくなりますね。


さらに、【顧客検索】ボタンをクリックすると、該当する顧客リストを表示することも可能です。


こうしたデータを活用すれば、優良顧客を明確に把握できるため、スタッフ全員でどのようなお客さまが優良顧客なのかを理解し、どういった接客やサービスをするべきかの方向性を共有しやすくなります。

そして、来店されるお客さまに、より満足度の高い体験価値を提供することができるようになります。



優良顧客の失客状況を分析する


そして、優良顧客数を維持するためには、来店されなくなった優良顧客や、売上が下がった優良顧客を把握し、それらがなぜ発生したのかの要因を考え、対策を考えていくことが大切です。


たとえば、緑色の枠の16人は、前期に上位20%だったお客さまを示していますが、「後期売上金額」が0になっている、つまり失客していることになります。


こうした失客はお店にとって大きな損失となるため、「顧客検索」で顧客像を把握したり、「クロス分析」で年代別や性別を把握し、それらのデータをスタッフと共有し、要因等を抽出していく必要があります。


また、優良顧客数の維持には、失客対策とともに、既存のお客さまを優良化し優良顧客を増やす対策も必要です。どのような既存顧客の優良傾向が高いのかを分析し、今後伸ばしていきたい中間層のお客さまを把握することで、優良化するための対策を立てることも重要になります。

顧客を年間利用金額ごとに分析する

優良顧客を把握するもうひとつの方法として、お客さまを年間利用金額ごとに分類して分析する方法もあります。



顧客1人あたりの資産価値の変化を分析する


「顧客資産価値」とは、1人の顧客がそのお店にもたらす経済的価値を金額で表したもので、1年間で1人の顧客がどれだけお金を使ってくれたかの平均です。


SALON POS LinQ2の【優良顧客分析】を活用し、前期と後期の優良顧客の売上状況を見てみましょう。この例では、縦軸が直近の1年間(後期)、横軸が2年前(前期)のデータです。

SALON POS LinQ2【優良顧客分析】画面(※図表は、数値などを見やすいように加工しており、実際の画面とは異なります。)

SALON POS LinQ2【優良顧客分析】画面(※図表は、数値などを見やすいように加工しており、実際の画面とは異なります。)

データを見ると、顧客1人あたりの資産価値が22,711円→31,918円にアップしています!(赤枠)


カルテ客数(のべ来店回数)は減少しているものの、顧客資産価値が上昇したことで、トータルの売上はアップしていることが分かりますね!


このように、「顧客はお店にとっての資産」と捉え、その「資産価値」を、来店毎の客単価ではなく年間支払い額の平均で評価し、変化を分析することもできます。ぜひサロンPOSデータを活用してみてください。



ロイヤルカスタマーの増加傾向を分析する

 

次は、ロイヤルカスタマーの数がどのように変化しているのかを見てみましょう。


先ほどの例では、ロイヤルカスタマーの人数が16人→28人に増えていることが分かります。(青枠)


ロイヤルカスタマーの数が増えることは、売上の安定につながるだけでなく、長期的な経営の安定にも大きな影響を与えます。

今後の集客活動においても、ロイヤルカスタマーに該当するお客さまの特徴を把握し、その特徴に近い新規顧客をターゲット層に設定することで、効率よく売上アップにつながるかもしれません。


新規集客の負担はできるだけ抑えながら、継続的に利益を生み出せる仕組みを作っていけると理想的ですよね。



顧客リストを活用し、具体的な対策プランを立てる


では、ここからは、年間利用金額別でロイヤルカスタマーに該当するお客さまを把握する方法を紹介します。

【10万円~】の項目を選択し、【顧客確認】をクリックすると、具体的な顧客リストを参照できます。

とっても簡単ですね!

SALON POS LinQ2【優良顧客分析】画面(※図表は、数値などを見やすいように加工しており、実際の画面とは異なります。)

SALON POS LinQ2【優良顧客分析】画面(※図表は、数値などを見やすいように加工しており、実際の画面とは異なります。)

SALON POS LinQ2【優良顧客分析 顧客確認】画面(※図表は、数値などを見やすいように加工しており、実際の画面とは異なります。)

SALON POS LinQ2【優良顧客分析 顧客確認】画面(※図表は、数値などを見やすいように加工しており、実際の画面とは異なります。)

まとめ

売上アップの方法として、顧客の優良化は非常に効果的な手段のひとつです。

お店の売上アップに課題を感じているサロンさまは、一度サロンPOSデータを活用し、お店の優良顧客の構成をくわしく分析してみることから始めてみてはいかがでしょうか?


優良顧客の特徴や今後伸ばしていきたいお客さまの層を把握すること、そして、そのお客さま1人ひとりに合わせてより満足度の高いサービスを提供していくことで、よりお店の安定した成長へとつなげていけるのではないでしょうか。

SALONPOS LinQ2

タカラベルモントのSALON POS LinQ2は、日々の顧客管理やレジ業務をしているだけで、売上を分解して分析するのに必要なデータが蓄積されていて、簡単に集計ができます。


SALONPOS LinQ2についてくわしくはこちら

SALONPOS LinQ2

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