皆さまこんにちは!サロン経営アドバイザーの美山です。
全6回にわたり、サロンPOSのデータを活用し、売上アップのために「みるべきデータ」について解説するこのシリーズ。今回は第2回目「客数の向上(カルテ数の向上)について」です。
サロンの売上アップのヒントが盛りだくさんの記事になると思いますので、ぜひご覧ください!
さて、早速ですが、
あなたのお店の売り上げが、このグラフのような状況だったら、これからの打ち手をどのように考えますか?
ちょっと想像してみてから、記事を読んでくださいね。
本題に入る前に、少しおさらいです。まず、「売上」とは「客数×客単価」の要素に分解できます。
客数が100、客単価7,000円なら、売上は700,000円だということです。
関連記事:<美山先生と学ぶ>5分でわかる!理美容室の売上アップを目指すために見るべきデータはこれ!
この計算式をふまえると、客単価が変わらなくても、客数が増えれば売上が伸びるということでしたね!
冒頭の「課題発見分析」のグラフでは、
このお店の状況は
● 売上は減少している
● 客単価はほぼ横ばい
● 客数は減少している
という事が分かり、売上の減少が起きているのは客数が減少しているから、という原因を見つけることができますね。
では、ここから客数を増やしたい!となった場合、どう考えていけばいいのでしょう。
第1回目の記事で紹介したように、
客数は「カルテ客数」×「来店回数」の要素に分解できるので、今回の第2回目記事では、客数を増やす1つの要素「カルテ客数を増やす」ことに注目して見ていきましょう!
(第3回目では、「来店回数」をみていきます)
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データ分析の基本!客数の推移は「前年」「前前年」と比較しよう!
本格的にデータ分析していく前に、1つポイントをお伝えします。
客数の推移は「前年・前前年と比較」する、ということです。
月毎に前月と比較したり、推移を見ている方も多いかもしれません。
でも、皆さんご存じのように理美容室には繁忙期と閑散期があり、月によって客数の変動が起きるもの。なので、客数が多い少ないを考える際は、月別の推移ではなく、需要にあまり左右されない「前年」や「前前年」と比較することで、課題がより見えやすくなるのです!
カルテ客数は、なぜ増えたり減ったりする?
さて、そもそもカルテ客数はなぜ増えたり減ったりするのでしょうか。
これには「お客さまを獲得する流れ」が影響しています。
お客さまを獲得する流れ
新規客(カルテ客数が増える)
↓
リピーター客
↓
失客(カルテ客数が減る)
つまりカルテ客数の増減は、次の2つに影響されるということです。
● 新規客数
● 失客数
カルテ客数を増やす、もしくは一定数に保つためには、新規客を獲得しつつ、リピーターを維持する(≒失客を減らす)必要があるということですね。
ここは大切なポイントです!
では、「新規客数が減っている」「失客数が増えている」といった課題を、どのように把握するのかを見ていきましょう。
新規客数の把握方法
まずは「新規客数」を把握する方法を紹介します。
たとえば前年、前前年データと比べたときに、失客数は大きな変化が無いにも関わらず、お店全体のカルテ客数が減っているとしたら、これは何を意味しているのでしょうか。
「新規客の獲得数が前期よりも減っている」ということです。
※SALON POS LinQ2では【課題発見分析 客数分析】画面の「新規客分析」にて、新規客の数が確認できます。(【課題発見分析 新規客-失客分析】で新規数と失客数を比較して確認することも可能です)
失客数の把握方法
つづいて失客数の把握方法を見ていきましょう!
SALON POS LinQ2の【課題発見分析 客数分析】の画面では、指定した期間で、「カルテ客数」「来店回数」それぞれの推移が確認できます。実際の画面を例に見てみましょう。
2021年から2023年にかけて、総来客数(カルテ客数×来店回数推移)は減少傾向にあります。
来店回数推移がほぼ横ばいなのに対し、カルテ客数が減少しているということは、「失客が多い」ということです。
データを見ると課題が一目瞭然で分かりますね!
カルテ客数が減っているときのデータ分析例
さて、ここからは売上アップにつながるカルテ客数のデータ分析例を紹介しますね
それには、「どんなお客さまが失客傾向にあるのか」を把握することが大切です。
先ほどの「失客が多いお店」を例に、SALON POS LinQ2の画面をみていきましょう。
SALON POS LinQ2の画面【課題発見分析 客数分析】画面から、さらに深く、年代別、性別別などでの顧客割合推移を年度別に把握することができます。
(SALON POS LinQ2画面の、図の赤枠【既存客分析】【新規客分析】【失客分析】【新規-失客分析】のボタンから確認できます。)
カルテ客数が減少したユーザー層を把握するために、ひとつずつデータを見ていきます。
おおまかな流れは次のとおりです!
1. カルテ客数が減っている原因を把握する
2. 失客が多い原因を探ろう
3. ミスマッチ集客の有無を把握しよう
ステップ1:カルテ客数が減っている原因を把握する
まずはカルテ客数が減っている原因を把握します。
SALON POS LinQ2の【課題発見分析 新規客-失客分析】を見て、新規が少ないのか、失客が多いかをチェックしましょう!
今回は「失客が多そう」と仮定し、次のステップに進みます。
ステップ2:失客が多い原因を探ろう
失客が多い原因について探っていきます。
まずは、失客となったお客さまのおおまかな把握からはじめましょう。
失客したお客さまリストを眺めることで、担当したスタッフなら、新規かリピーター、どちらのお客さまの失客が多いのかがつかめますよね。この把握により、この後のデータ分析をどのように行っていけばいいかの道筋が立てられます。
(SALON POS LinQ2画面の【課題発見分析 新規客-失客分析】から個別のお客さまリストの抽出が可能です。)
今回は、新規のお客さまの失客が多い、という情報がつかめたと仮定します。
次からは、お店全体のデータを分析することで深堀りしていきましょう。
ステップ3:ミスマッチ集客の有無を把握しよう
ここからは、失客の多いお客さまの層を分析していきます。
いくつか方法はありますが、「新規客層」と「既存客層」を比較して、新規集客において、ミスマッチ集客が起きていないかを確認するのがおすすめです。
それでは、SALON POS LinQ2の画面【課題発見分析 客数分析詳細(新規客)】画面で、新規客の分析を行ってみましょう。
ここには直近3年間の年代別新規客数が表示されています。2023年(最新年)の新規客のメインは「30代のお客さま」となっていることがわかりますね。
つづいて、SALON POS LinQ2の画面【課題発見分析 客数分析詳細(既存客)】を見てみましょう。(既存客とは、新規客以外の顧客です)
ここでは、日頃からそのお店に来店しているメイン客の年代層が把握できます。
上のように既存客は40代〜50代が多いとしたら、どうでしょうか。
「客層の若返りを図りたい!」という思いのもと20代~30代を集客したものの、それは自店のターゲット(40代〜50代)と異なる層であったため、結果的に失客が増えてしまっている状況であることが見えてきますね。
「新規客層」が「お店のメイン顧客層」と合致していない場合、カルテ客数を増やすためには、次のどちらかを検討する必要があります!
● お店のメニュー構成や運営方針を新規客層に合わせる(今回の例でいえば30代向けのプランを増やすなど)
● 本来のターゲット層に対する集客・プロモーションを強化する(今回の例でいえば40代〜50代の集客を強化する)
データを見ることで、やるべきことが見えてきましたね!
ワンポイント!
初回来店動機、年代、性別といった情報まで深掘りしていくと、より深い分析も可能です!
まとめ
前年・前前年同月比でカルテ客数が減っているとしたら、「新規客数が減っている」「失客数が増えている」といった課題がある可能性が高い!ということは、重要なポイントです。
サロンPOSデータを使って、どちらに課題があるのかを把握すると、やるべきことが見えてきます。
さらにサロンPOSデータから「毎年の失客率」と「新規定着率」がわかると、「今年はどれくらい新規を集めればいいか」といった目標値もつかめてきます。ぜひサロンPOSデータを活用してみてください!
SALONPOS LinQ2
タカラベルモントのSALON POS LinQ2は、日々の顧客管理やレジ業務をしているだけで、売上を分解して分析するのに必要なデータが蓄積されていて、簡単に集計ができます。
<教えて美山先生!>
5分でわかる売上アップのデータ分析
第2回 カルテ客数アップのためにみるべきデータ / 客数アップを目指す編 ★今回はコチラ
第3回 来店サイクルを縮めるためのデータ活用 / 客数アップを目指す編(2025年3月公開予定)
第4回 技術単価はアップできる?メニュー複合率の分析が鍵となる! / 客単価アップを目指す編(2025年4月公開予定)
第5回 店販品単価はどうアップさせる?購入数と購入率の分析が鍵! / 客単価アップを目指す編(2025年5月公開予定)
第6回 優良顧客はどう増やす?既存顧客層の把握が第一歩! / 客単価アップを目指す編(2025年6月公開予定)
番外編 スタッフ個人の売上はどう伸ばす?戦力化するためにみるべきデータはこれ!(2025年6月公開予定)
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