理美容室の売上アップを目指すためにみるべきデータのメインビジュアル

<教えて美山先生!> 5分でわかる売上アップのデータ分析

第4回 技術単価はアップできる?メニュー複合率の分析が鍵となる!​ / ​客単価​​アップ​​を目指す編

美山先生

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皆さまこんにちは!サロン経営アドバイザーの美山です。

全6回にわたり、サロンPOSのデータを活用し、売上アップのために「みるべきデータ」について解説するこのシリーズ。

今回は第4回「客単価アップ(技術単価アップ)について」です。

ぜひご覧ください!

本題に入る前に、少しおさらいです。

「売上」は「客数」×「客単価」の要素に分解できましたね。

客数(客単価)を増やし、客単価(客数)を維持できれば、売上は伸びるということです!


関連記事:

第1回  理美容室の売上アップを目指すために見るべきデータはこれ!


第2回、第3回では、「客数アップ」のためにみるべきデータについて紹介させていただきました。

 

関連記事:

第2回 カルテ客数アップのためにみるべきデータ / 客数アップを目指す編

第3回 来店サイクルを縮めるためのデータ活用 / 客数アップを目指す編

今回からは、「客単価」をどう伸ばしていくのか見ていきましょう!


さて、そもそも「売上を伸ばすなら客単価を上げるより、お客さまの数を増やすほうが売上への影響は大きいのでは?」と思う方もいるかもしれません。

 

そんな方のために、『客単価の増減がお店の売上に影響を及ぼす事例』について見てみましょう!

 

理美容サロン市場はここ10年以上カルテ枚数が減少、つまり、客数が減少しています。一方で客単価はアップしているため、その結果として売上を維持している傾向にあります。

出典:SALON POS LinQ2利用の美容室4743サロンデータ

出典:SALON POS LinQ2利用の美容室4743サロンデータ

上の図を見ると、客数(カルテ枚数)が減少傾向にある今、売上を上げるためには客単価をアップさせることが大切、ということが分かりますね。

 

そして第1回の記事で紹介したとおり、客単価は「技術単価+商品単価」で考えられます。

 

それでは客単価の目標は、どのように決めればいいのでしょうか?

 

では、ここで一つ問題です!

昨年の年間売上は3,600万円でした。


今年は年間売上100万円アップを目標にしています。

 

今年の客単価目標はいくらに設定すればいいでしょうか?


昨年の状況が以下の場合だったと仮定し、考えてみましょう。

月間客数450人 / 月間売上300万円 / 客単価7,000円

まず、年間売上を100万円増やすためには、月間売上をいくら増やせばいいかを計算します。

 

100万円÷12か月 ≒ 83,333円(月間でUPしたい売上)

 

次に、毎月の客数が一定だとして、客単価をどれくらい増やせばいいのか計算します。

 

83,333円÷450人≒185円(UPしたい客単価)

 

つまり、客単価を現状の7,000円から185円アップさせて7,185円に引き上げることができれば、年間売上の目標を達成できるということです。

 

客単価を上げるためには、「メニュー単価の向上」が有効な方法のひとつとなります。

では、どのようなメニューをおすすめするといいのか、サロンPOSの具体的なデータを用いながら考えてみましょう!

技術単価はアップできる

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客単価を上げるため、まずは「複合率」を確認

複合率とは、お客さまが一度に購入する複数の施術や商品の割合のことです。客単価アップの方法を考えるためには、まずは現時点での「複合率」を確認しなければなりません。


ここで役立つのがサロンPOSデータです。


SALON POS LinQ2で、課題発見分析 基本画面の「客単価分析」→「客単価分析詳細(技術)」へと進んでみます。

SALON POS LinQ2【課題発見分析 基本画面】画面(※図表は、数値などを見やすいように加工しており、実際の画面とは異なります。)

SALON POS LinQ2【課題発見分析 基本画面】画面(※図表は、数値などを見やすいように加工しており、実際の画面とは異なります。)

SALON POS LinQ2【課題発見分析 客単価分析詳細(技術)】画面(※図表は、数値などを見やすいように加工しており、実際の画面とは異なります。)

SALON POS LinQ2【課題発見分析 客単価分析詳細(技術)】画面(※図表は、数値などを見やすいように加工しており、実際の画面とは異なります。)

ここでは技術単価の内訳として、メニューのカテゴリごとの平均単価と客数比(来店客のうち、どのくらいの割合の方がそのメニューを利用しているかを示す数字)を確認できます。

 

この例では、2022年と比べて客単価が600円もアップしています。(赤枠)

特に、カラーやパーマなどの高単価メニューが伸びていることが分かりますね。(黄緑枠)

 

一方で、トリートメントの単価と利用比率は低下しています。(青枠)

 

しかし、美髪トリートメントは単価・利用比率ともに上昇しています。(ピンク枠)これは、お店全体でヘッドスパを推し進めたことで、お客さまの頭皮や毛髪への関心や意識が高まり、よりランクの高いトリートメントを選ぶ方が増えたことが要因だと考えられます。

 

このように、サロンPOSデータを活用すると「どのメニューが伸びているのか」「これからはどのメニューを強化すべきか」といった改善策を考えやすくなります。

 

そして、対策プランを立てるときは、単価と客数比の変化など、データに基づいた分析を行い、単価アップを目指していくことが重要です!

伸びているメニューがどのような人に売れたかをチェックすることも重要

客単価をアップさせていくためには、伸びているメニューがどのような人に売れたかチェックすることも重要です。

 

クロス分析を使って、どの年代の方にどういったメニューが受け入れられているかをチェックしてみましょう!

 

ここでは、前年実績と比較して伸びている要因に着目します。

たとえば次のような流れです。

1.

客単価が8,532円→9,063円に約500円アップしていた!

  ↓

2.

どのメニューのカテゴリで売上が伸びたのか?を確認

  ↓

3.

商品の購入客数は前年比120.4%になっていた

カラーの売上は前年比117.2%になっていた

カラー比率は前年比107.5%になっていた

  ↓

4.

どの商品がどのようなお客さまに売れたのか?

どの年代でカラー客が増えたのか?

これをクロス分析でチェックし、対策プランを立てていきます。

収益力強化のカギ:メニュー構造から考える客単価アップ戦略

より具体的に客単価アップの目標を設定したいときは、各メニューの客数比で考えてみましょう。


「客単価を200円アップしたい場合」を例に考えてみます。


メニュー構造から考える

このように、各メニューの客比率を見て、客単価を上げる方法を考える必要があります。

 

この例では、カラーは単価が高く、客単価に与える影響が大きいメニューであることが分かります。しかし、客数比は業界平均の50%に対して25%と低いため、まだ伸びしろがありそうです。

また、カラーによるダメージに対応するトリートメントは、カラーメニューと連動して提案しやすいメニューといえます。こちらも客数比が15%と、カラーの客数比25%と比較すると低めなので、さらに伸ばせる可能性がありますね。

 

さらに、アシスタントが活躍できるヘッドスパメニューを強化することを検討してもいいかもしれません。

これらのメニューの利用を伸ばしていくことで客単価をアップさせる場合、この例で目標とする「客単価200円アップ」を達成するためには、1か月あたりの客数を次のように増やせば達成できます。

カラー客    :117人-113人= 4人

トリートメント客: 77人 - 68人= 9人

ヘッドスパ客  : 63人‐ 45人=18人

このように、メニューを構造的に考えることで「自店で伸ばせるメニュー」や「伸ばしたいメニュー」について、利用客数を何人増やせば目標に到達できるかを試算できます。

こういった形で目標を立ててみてもいいかもしれませんね。

 

そして、増加すべき客数を算出できたら、それぞれのメニューの利用者にはどのような年代や性別のお客さまが多いかを把握し、トレンドや季節性も考慮しながら、売上アップにつながる効果的な対策プランを考えていきましょう。

まとめ

業界全体で客数(カルテ枚数)の減少傾向が見られる今、売上をアップするためには、客単価を上げることがとても大切であると分かりましたね!

 

まずはサロンPOSデータを活用して分析を行い、メニューの構成やお客さま像をしっかりと把握することが、効果的な売上アップへの近道かもしれません。

そのうえで、データでは見えないスタッフとお客さまとの関係性や、カルテ情報・地域特性なども考慮し、どのお客さまに何のメニューをどのタイミングで提案するといいのかを考えてみてはいかがでしょうか。

 

お客さまの悩みや好みに寄り添うメニュー提案を行うことで、お店の優良顧客がきっと増えていくはずです!

SALONPOS LinQ2

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<教えて美山先生!>

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第1回 理美容室の売上アップを目指すためにみるべきデータ

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