今回の研修では、「福祉美容師・福祉理容師」について教わったよ。
この前、おばあちゃんのお見舞いで病院に行ったとき、「髪がボサボサで恥ずかしい‥」って気にしてたんだ。看護師さんに相談したら、「福祉理美容師さんが定期的に来てくれるから大丈夫だよ」って教えてもらったの。そのとき理美容師さんには、福祉の現場で働く選択肢もあるんだと知ったんだよね。
理美容師さんの中には、「美容や理容の技術でもっと誰かの役に立ちたい」って思ってる人も多いと思うんだけど、福祉理美容師はまさにそれが実現できるお仕事なんじゃないかなぁ。
この記事では、福祉理美容師の仕事内容や必要な資格、働き方ややりがいまで、TABEちゃんなりにまとめてみたよ。

福祉美容師・福祉理容師の仕事内容と必要とされる背景

少子高齢化が加速する現代社会において、福祉分野で専門性を活かして働く職種への注目が集まっている。福祉理美容師もそうした社会のニーズに応える職業のひとつ。
福祉理美容師の仕事について理解するために、押さえておきたいポイントは以下の通り。
●福祉美容師・福祉理容師の定義と役割
●福祉美容師・福祉理容師と介護美容師・介護理容師の違い
●福祉美容師・福祉理容師が必要とされる背景
福祉美容師・福祉理容師の定義と役割
福祉理美容師とは、外出が困難な高齢者や障がいのある方の自宅や介護施設、医療機関などを訪問し、美容・理容サービスを提供する理美容師のこと。シャンプーやヘアカットなどにより身だしなみを整えることで、介護が必要な方の尊厳を保ち、QOL(生活の質)を高める役割を担っている。福祉理美容師は、こうした役割を果たすために理美容の技術と介護の知識を組み合わせた、専門性が求められる職業。
福祉美容師・福祉理容師と介護美容師・介護理容師の違い
介護理美容師は、国家資格である美容師免許または理容師免許があれば就業可能であるのに対し、福祉理美容師として働くには、理美容師免許に加えて介護系の認定資格が必要となる。
福祉理美容師と介護理美容師の仕事内容については、どちらも高齢者や要介護の方を対象に美容・理容サービスを行うという点で大きな違いはない。
福祉美容師・福祉理容師が必要とされる背景
福祉理美容師は、高齢化の進行によって需要が増加している職業のひとつ。
寝たきりの方など、身体的な制約により理美容室に通うことが難しい人からのニーズが高い。
さらに、身の回りの介助をしてくれる家族がいない単身世帯が増加していることも、福祉理美容師を含む訪問理美容や訪問介護サービス全般の需要を押し上げている要因だと考えられる。
また、高齢者や障がいのある方が前向きな気持ちで生活できるよう、介護施設や在宅介護の現場における福祉理美容サービスの必要性も高まっている。
福祉美容師・福祉理容師の仕事内容

福祉理美容師は、ヘアカット・ヘアカラー・パーマ・顔そり(※理容師免許保有者のみ)など、一般的な理美容室で行う施術を訪問先で行う。
利用者の身体や健康状態に合わせて安全に施術を行う必要があるため、寝たきりの方にはベッド上で施術を行う、体幹の弱い方にはブローの力加減を調節するなどの細やかな対応が求められる。
また、利用者本人だけでなく、ご家族や介護職員とコミュニケーションをとることが、利用者にとって心理的な安心やメンタルケアにつながることもある。
>>>訪問美容の仕事についてくわしく知りたい理美容師さんにおすすめの記事
【TABEちゃんの学びノート】訪問理美容師とは?仕事内容や必要な資格、注目が集まっている背景
福祉美容師・福祉理容師に必要な資格と取得方法

利用者の自宅や介護施設を訪問し、福祉理美容師として美容・理容サービスを行うには、以下の資格が必要となる。
●国家資格の美容師免許または理容師免許
●厚生労働省やNPOが認定する福祉理美容師の資格
国家資格の美容師免許または理容師免許
福祉理美容師になるには、国家資格である美容師免許または理容師免許の取得が必須。
都道府県知事が指定する理美容師養成施設で学び、課程を修了した後、国家試験を受験して合格することで免許が発行される。
美容師免許または理美容師免許があれば、訪問理美容サービスを提供できる。
厚生労働省やNPOが認定する福祉美容師・福祉理容師の資格
福祉理美容師として働くには、美容師免許や理容師免許に加え、厚生労働省やNPO法人、一般社団法人などが認定する福祉関連の資格が必要になる。
以下のような資格を取得することで、介護に関する基礎知識や実技スキルを身につけられる。
●福祉理美容士(NPO法人日本理美容福祉協会)
受講内容:介護の知識や寝たきりの方へのヘアカット・シャンプー方法など、出張理美容に必要な知識とスキルを、テキストによる自宅学習と実技スクーリングにより習得できる。
出典:https://www.f-npo.org/academy.html
●認定福祉美容介護師®(特定非営利活動法人医療福祉情報実務能力協会)
受講内容:接遇マナーや心理学、薬剤に関する知識を学ぶほか、実習ではベッドメイキングや歩行介助、寝たままの洗髪などを行い、通信教育とスクーリングを通じて実務に必要な技術を習得できる。
出典:https://www.medin.gr.jp/exam_sche/exam_riyoubiyou.html#1
●ヘアメイク・セラピスト(一般社団法人日本訪問理美容推進協会)
受講内容:訪問現場に合わせた備品や道具の準備、寝たきりの方へのカット技術など、出張理美容の実践に役立つ知識を、テキストでの学習と実技講習によって学べる。
>>>介護美容の資格についてくわしく知りたい理美容師さんにおすすめの記事
【TABEちゃんの学びノート】(公開後、KW「介護美容 資格」記事)
福祉美容師・福祉理容師の働き方

福祉理美容師は利用者の自宅や介護施設、病院などの訪問先が職場となることが基本。働き方の形態には、大きく分けて以下2つのパターンがある。
●企業や理美容サロンに所属して働く
●独立開業してフリーランスとして働く
なお、病院専属で施術を行う場合でも、病院に直接雇用されるケースは少なく、フリーランスとして業務委託契約を結ぶ形態が一般的となっている。
企業や理美容サロンに所属して働く
訪問理美容サービスを提供する企業や事務所、理美容サロンなどに所属して働くスタイル。
所属先を通じて予約を受け、指定された訪問先にて施術を行う。
所属先によっては出社せずに自宅から直行直帰で働ける場合もあり、子育て中の方やブランクから復帰したい理美容師さんにとっても働きやすい環境といえる。
給与形態は月給制や固定給+歩合給、完全歩合制など、所属先によりさまざま。
独立開業してフリーランスとして働く
福祉理美容師として独立開業し、介護施設や医療機関などと外部委託契約を結んで働くスタイル。事務所や自宅を拠点として、依頼元へ訪問して施術を行う。
フリーランスとして働く場合、自力で集客や訪問先への営業活動を行う必要があり、その工夫によって収入にも差が生じることがある。
給与は依頼を受けた分の完全歩合制が基本で、勤務時間や休日をある程度自由に決められることが多い。
理容室・美容室以外の場所で理美容サービスを提供する場合は、都道府県ごとに細かく条例が定められているため、サービス開始時には必ず各地の保健所への確認と届け出が必要になる点に注意。
>>>フリーランスの働き方についてくわしく知りたい理美容師さんにおすすめの記事
【TABEちゃんの学びノート】フリーランス理美容師とは?メリット・デメリットや開業との違い
福祉美容師・福祉理容師の年収

令和6年の理美容師の平均年収は約370万円で、福祉理美容師の給料も一般的な理美容師の収入と大きな差はないと言われている。
ただし、収入は年齢や経験年数、勤務先の条件や職位に加え、フリーランスや独立開業しているかどうかによっても大きく異なる。
求人情報や転職サイトでは、勤務地や勤務時間、歩合制度の有無などによって給与条件が幅広く設定されているため、希望する働き方に合った条件を確認しておくことが大切。
>>>理美容師の年収についてくわしく知りたい理美容師さんにおすすめの記事
【TABEちゃんの学びノート】理美容師の年収事情!年代で変わる給料や年収アップのための働き方
福祉美容師・福祉理容師として働くことの魅力

福祉理美容師は、介護の知識習得が必要なことや、移動が多く立ち仕事が中心であることなど体力的な負担がある一方で、以下のような魅力がある働き方でもある。
●社会貢献としての意義がある
●利用者の家族も含めて笑顔と感謝を感じられる
●独立開業や事業拡大がしやすい
●需要が安定していて将来性がある
社会貢献としての意義がある
高齢者の中には、自宅や介護施設に引きこもりがちになってしまう人も多い。そんなとき、身だしなみを整えることが外出のきっかけになることもある。
福祉理美容師の仕事を通じて、利用者の気持ちを前向きにし、生活を豊かにすることは、福祉分野における大きな社会貢献といえる。
利用者の家族も含めて笑顔と感謝を感じられる
施術を受けた利用者の笑顔や感謝の言葉は、福祉理美容師に限らず得られるやりがいだが、訪問による理美容サービスは外出が難しい人にとって数少ない機会であるため、より特別な体験になることが多い。
そのため、施術を受けた本人だけでなく、ご家族や介護職員からも感謝される場面が多く、福祉理美容師ならではのやりがいを実感しやすい。
独立開業や事業拡大がしやすい
利用者のもとへ訪問して施術を行う福祉理美容師は、店舗を持つ必要がないため比較的開業しやすい。
副業として始めることも可能で、ある程度集客ができてから設備を整えて本格的に開業する方法もある。さらに、売上が安定した段階でスタッフを雇用することで、事業を拡大することもできる。
>>>理美容室の開業についてくわしく知りたい理美容師さんにおすすめの記事
【TABEちゃんの学びノート】理美容室の開業資金はいくら必要?調達の方法や費用削減のポイント
需要が安定していて将来性がある
日本では高齢化によって介護サポートを必要とする高齢者が今後も増える見込みのため、福祉理美容師の需要はますます高まっていくと予想される。
また、介護施設や医療機関と連携することで定期的な依頼や紹介を受けられるため、安定した集客にもつながりやすい。
まとめ
福祉理美容師っていうのは、介護理美容師の中でも福祉系の認定資格を取得している人のことなんだね。病気で寝たきりの方や高齢の方など、お客さまの状態に合わせたサービスを提供するためには、美容・理容の技術だけじゃなく、介護の知識もしっかり身につけることが大切なんだなぁ…。
高齢化がどんどん進む時代で、福祉理美容師の需要も今後さらに拡大していく見込みなんだって!
お客さまやご家族から直接感謝されるやりがいもあるし、社会貢献にもつながる素敵なお仕事だなぁって思ったよ。
TABEちゃんももっと理美容師さんたちの力になれるように、資格や働き方についての知識を身につけていかなくっちゃ!
ということで、TABEちゃんの最強サロンソリューションパートナーになるための学びはまだまだ続く~。
✨関連記事✨
●管理理容師・管理美容師の資格とは?役割や具体的な業務内容、資格を取得する方法
●理美容師の年収事情!年代で変わる給料や年収アップのための働き方
●女性理美容師の割合はどのくらい?女性のキャリア形成における課題とは
●理美容師のやりがいとは?モチベーションにつながる瞬間やキャリアの方向性
●美容師と理容師の違いは?ダブルライセンスを取得するメリットも解説!
TIPS:TB-PLUSの便利な活用術
編集部おすすめ✨あわせて読んでほしいおすすめの記事
-
“美容業界の人材育成コンサルタント”が解説する「誰も教えてくれないクレーム対応の話」第3回 “これってカスハラ!?”常連客とスタッフを守るための対応策
この記事は
参考になる!
この記事を
あとで読む!
-
“美容業界の人材育成コンサルタント”が解説する「誰も教えてくれないクレーム対応の話」第2回 “値上げで失客!?”ロイヤルカスタマーへの正しい対応方法
この記事は
参考になる!
この記事を
あとで読む!
-
“美容業界の人材育成コンサルタント”が解説する「誰も教えてくれないクレーム対応の話」第1回 “自分は悪くない!”と思うクレームへの対応
この記事は
参考になる!
この記事を
あとで読む!
TB-PLUSは、タカラベルモント株式会社が運営している<サロンとあなたの“明日”に役立つ情報サイト>。
クリエイティビティを刺激するトレンド情報からサロン経営のヒントまで、成長と意欲につながるトピックやノウハウをお届けし、あなたのサロン人生を応援していきます。
\友だち追加 お願いします♪/
LINE公式アカウント タカラベルモント for salonで、最新情報を発信中!
この記事は参考に
なりましたか?
この記事は参考になる!
この記事をあとで読む!