2026年2月に行われたヘアデザインイベント(コンテスト)『id2025』ファイナルステージ。キャリアの垣根を越え、日本国内のみならずグローバルな視点でクリエイティビティを競い合う場として熱狂が増す中、vacilando 吉岡輝七さん(レディース部門)とLECO AMANEさん(メンズ部門)がGold Prizeを受賞しました。
見事Gold Prizeを獲得した20代のおふたりが、副賞の1つとして設けられた美容業界誌「SHINBIYO」での撮り下ろしにピュアな感性でチャレンジ!プロのフォトグラファーやスタイリストの協力を得て、自らの思い描く絵(イメージ)を具現化する貴重な時間。真剣なまなざしでモデルと向き合う撮影現場にTB-PLUS編集部が潜入しました。
Gold Prizeに輝いたのはこの2人!
Creative Design Award レディース部門 Gold Prize 吉岡輝七さん/vacilando
2002年生まれ、愛知県出身。名古屋美容専門学校卒業後、vacilandoに入社。パーマやカラーに、モードなカットラインを組み合わせたエッジの効いたスタイルが強み。スタイリストデビューに向けて奮闘中。
Instagram:@ranayoshioka
Creative Design Award メンズ部門 Gold Prize AMANEさん/LECO
1998年生まれ、茨城県出身。国際文化理容美容専門学校渋谷校卒業。2019年にLECOに入社し、現在は店長を務める。豊富なケミカル知識を活かしたダメージレスなパーマや、再現性の高いスタイル提案で支持を集めている。DJとしても活躍。
Instagram:@leco_amane
※2026年8月現在
idとは?
LebeL(ルベル)が主催する、技術と感性を磨き、学び、身につけるヘアデザインイベント。
1981年のコンテスト開始以来、時代に合わせた変化を重ね、2022年から現在の“サロン志向のコンテスト”にアップデート。理容師・美容師の皆さま対象の「モデル部門」「フォト部門」、そして未来を担う理美容学生対象のフォトコンテスト「セルフィー部門」を併催しています。
index
>テーマは“A touch of wit” “らしさ”のあるヘアデザインとは?
>「SHINBIYO」とともにシーンを作り込み!こだわりの絵づくりに没頭するふたり
>【After Interview】撮影を終えた感想と『id』への想い
・吉岡さん キャリア関係なく自分の「好き」をとことん追求できる場所
・AMANEさん 自分の「好き」と得意分野を再認識できた、最高のステップ
>編集後記
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テーマは“A touch of wit” “らしさ”のあるヘアデザインとは?
今回、SHINBIYO編集部とルベルが設定したテーマは、“A touch of wit(ひとさじの遊び心、さりげない機知)”。 完璧に作り込まれたスタイルのその先にある、計算された余裕やちょっとしたハズしにこそ、ヘアデザインのオリジナリティが輝くはず。AMANEさんらしさ、吉岡さんらしさのある、“遊び”や“ユーモア”を活かしたデザインにチャレンジしていただきました!
Q テーマ“A touch of wit”をどのように解釈して、作品に落とし込みましたか?
遊び心をキーワードに、エッジは効いているけれども、ナチュラルなスタイルを作ろうと挑みました!『id2025』ファイナルではかなり攻めたデザインで、いわばクリエイションをマックスに振り切りました。対して、今回はリアルなサロンワークに寄せたスタイルに。その中でもエッジを作るために、顔周りに前下がりのカットラインを設定。モデルさんが持つアンニュイな雰囲気と、モードなカットラインの絶妙なバランスを大切にしました。
ヘアデザインにフォーカスしたときに、一目で遊び心が伝わるバランスを意識しました。例えばアンダーにはパーマをかけたのに対して、トップはあえてストレートに。さらに、ドライな質感をきれいに作ることで、質感の対比によるハズしを狙いました。モデルさんが決まってからはこのバランスを試行錯誤しましたが、『id2025』ファイナルの作品以上に、自分らしさのあるデザインを突き詰めることができました。ストーリー性を感じさせる人物像やプロップ(小道具)もポイントです!
「SHINBIYO」とともにシーンを作り込み!こだわりの絵づくりに没頭するふたり
撮影は6月某日に、新美容出版の本社で実施されました。フォトスタジオで撮影するのかと思いきや、なんとエントランスホールにAMANEさんと吉岡さんが思い描く世界観のセットが組まれることに!偶然にも吉岡さん、AMANEさんのおふたりから「部屋でのワンシーン」を切り取りたいという希望が。フォトグラファーの提案で自然光が美しく差し込む場所にセットを設けたそう。
吉岡さんの撮影シーン
まずは背景と、どの衣装がマッチするかを撮影チーム全員で吟味。業界誌への作品掲載は今回が初めてという吉岡さんをvacilando代表の細井さんがサポート。リラックスした表情で、クリエイションに向き合います。
デザインの要となるフロントのカットラインは、1mm単位でこだわり、微調整。同時にコラボしているみんなの意見を柔軟に取り入れながら、作品の完成度を高めていきました。
Finish!
©SHINBIYO
©SHINBIYO
使用アイテム
◆へアカラー:エドルBe-11/WB-11/CLR-PX/プライマリーカラー イエロー、エドルヨヨ プライマリーライン イエロー
◆スタイリング:SEE/SAWクリアミルクナチュラル、トリエ スプレー 0/8
AMANEさんの撮影シーン
フォトグラファー・スタイリスト・編集部とともに、衣装と画角、小道具をすり合わせ。ラックに収めたレコードはAMANEさんの私物で、ラックとギターはLECOのスタッフから借りたそう。ディテールにこだわることで、リアルな朝方の部屋のような空気感が漂います。
ヘアデザインは、70年代・90年代を彷彿とさせるマレットヘアを今っぽくアレンジ。イメージはがんばってもどこかダサさが残る、タウンボーイ。バランスを探りながらていねいに毛束を動かして、撮影を進めました。
Finish!
©SHINBIYO
©SHINBIYO
使用アイテム
◆ブリーチ:エドル ブリーチ
◆スタイリング:トリエ スプレー LS5/8/10、トリエ フォーム 4、ザ・モイ バーム アンビエントデュウ、ジオ ワックス ソリッドホールド
【After Interview】撮影を終えた感想と『id』への想い
吉岡さん キャリア関係なく自分の「好き」をとことん追求できる場所
Q1 撮影を終えて、感想を教えてください。
遊びを効かせて、自由にデザインすることができました。自分一人で作り上げるのではなく、みなさんと一緒に製作する過程が面白く、貴重な経験になりました。コンテストでモデルさんの骨格に対してヘアデザインや衣装の似合わせの大切さを実感していましたが、撮影でも同じだと気づくことができました。
Q2 ヘアデザインのポイントは?
カラーはコントラストが強くなりすぎないように気をつけました。もともとハイトーンの抜きっぱなしの状態だったので、トップにイエロー、中間から毛先にかけてグラデーションで薄いブラウンをのせました。耳下あたりから以前のカラーの残留があったので、ローライトっぽく仕上げました。カットはもともとバックにレイヤーが入っていたのを活かして軽く仕上げて、フロントは強いカットラインを効かせたデザインでバランスをとりました。
Q3 モデルさんはどのように決めましたか?
アンニュイな雰囲気を持っているモデルさんが好きで探していたところ、女性の強さも感じられる彼女に魅力を感じてお願いしました。いつも素敵なモデルさんがいないか、SNSをチェックしています!
Q4 出場したからこそ感じた『id』の魅力は?
サロンワーク以上に女性像を追求して、人を惹きつけるデザインを試行錯誤し、モデルさんに向き合うことができます。
Q5 『id』への出場を考えている方にメッセージをお願いします!
キャリアは関係ありません!自分の好きな女性像を、とことん追求できる貴重な時間が得られると思います。
Q6 最後に美容師としての今後の目標を教えてください!
サロンワークでおしゃれなスタイルを提案し続けながら、これからもコンテストで結果を残したいと考えています。フォト作品にも挑戦したいです。
Creative Design Award レディース部門 Gold Prize受賞作品
AMANEさん 自分の「好き」と得意分野を再認識できた、最高のステップ
Q1 撮影を終えて、感想を教えてください。
今まではすべて自分で用意するスタイルで撮影してきたので、フォトグラファーさんやスタイリストさんの協力を得て、自分は100%ヘアに集中するというのは初めてのことでした。ただ、ディレクションの舵を握るのはあくまでも自分。頭の中のイメージを言語化する難しさを感じると同時に、その大切さを実感しました。すごく楽しくて、贅沢な時間でした!
Q2 ヘアデザインのポイントは?
意識したのは、とにかくモデルさんに似合わせること。その上で、ウエイトと質感にこだわりました。アンダーにはパーマをかけて、トップはストレートに。そこにカラーを組み合わせて、カールの曲線に対して直線的なラインをランダムにデザインしました。パーマをかけてからカラーを入れたのですが、ここにデザインがあったら面白いと感じる位置に入れました。
Q3 モデルさんはどのように決めましたか?
「作品の良し悪しはモデルが左右する」と言っていいほど重要ですが、今回はなかなか理想の方に出会えず大変でした。粘りに粘って、営業の合間に15分ほどモデルハントに出たときに、偶然出会えた彼にお願いしました。
音楽やファッションの好みが似ているし、何よりかっこいい。撮影のモデルは初めてということも良かったです。SNSだけでは見つけられない素材と出会えるので、モデルハントの時間を大切にしています。
Q4 出場したからこそ感じた『id』の魅力は?
出場していくうちに作品に対しての向き合い方がどんどん掴めるようになりました。リアルなコンテストでの受賞を経て、こうしてフォト作品を誌面に残すという、全く違う経験をさせていただいたこともありがたく思います。
実は撮影には苦手意識のようなものがあったんです。でもこの撮影ではファッションや写真についてたくさん意見やアドバイス、刺激をもらい、良いバランスを作れた手応えがあって、うれしかったです。経験値が積める、最高の導線ですね!自分の「好き」と得意分野を再認識できて、今の気分をアウトプットできる、絶好の場だと思います。
Q5 『id』への出場を考えている方にメッセージをお願いします!
『id』は、迷っているのなら出場した方がいいコンテストだと思います。技術と感性、コミュニケーション能力など、美容師に必要なあらゆるバロメーターの底上げにつながります。あまり気負わずに、まずはやってみることが大切だと思います。
Q6 最後に美容師としての今後の目標を教えてください!
“AMANEのシグネチャー”といえるような表現の軸を確立して、発信し続けたいです。作品を見た人から、「AMANEっぽい」と言ってもらいたいですね。そしてサロン全体を巻き込んで、表現活動ができる存在になりたいです。
Creative Design Award メンズ部門 Gold Prize & Special Prize受賞作品
編集後記
リアルなコンテストを経て、フォト撮影という新たな表現の場へ。今回の撮り下ろしは、受賞したおふたりにとって、自身のクリエイティビティをさらに一歩深めるための特別な通過点となったようです。
クリエイティブのプロフェッショナルに囲まれ、緊張感を持ちながらも、細部にまでこだわり自らの世界観を具現化していく姿は、すでに業界を引っ張る次世代の表現者そのものでした。今後サロンワークやクリエイションの現場でどのような新たな表現を魅せてくれるのか、これからの活躍がますます楽しみになります。
キャリアに関係なく、自分の「好き」や「感性」を全開にして挑めるのが『id』という舞台。ここでの経験は、技術の向上だけでなく、美容師としての新たな可能性を押し広げる大きなきっかけになるのではないでしょうか。次はどんなスターが誕生するのか。未来の挑戦者たちが生み出す、まだ見ぬデザインへの期待が膨らむ撮影現場でした。
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