2024年2月に開催されたヘアデザインイベント『id(アイディ) 2023』ファイナルステージ。「Creative Design Award(クリエイティブデザインアワード)」では、海外と日本全国から集まったファイナリストがトータルデザインでクリエイティビティを競いました。ここで頂点のゴールドプライズに輝いた塚本 麻貴さん/utuwa(レディース部門)と松澤 佑興さん/One’s Power Group きくとこ(メンズ部門)に副賞の一つとして、一流のスタイリストや撮影クルーとともに作品を作り上げる機会が授与されました。その作品撮り下ろしの現場にTB-PLUS編集部が密着レポートしました!
【Gold Prizeに輝いたお二人をご紹介】
Creative Design Award レディース部門 Gold Prize
塚本 麻貴さん/utuwa クリエイティブディレクター
1988年生まれ、広島県出身。広島県理容美容専門学校卒業後、都内2店舗を経て、『utuwa』のオー
プニングに参加。現在、クリエイティブディレクターを務める。デザインカラーやエッジの効いたパーマスタイルなど、相手の個性を活かしながら少しの毒気を加えたデザインを得意とする。(2024年6月時点)
Creative Design Award メンズ部門 Gold Prize
松澤 佑興さん/One’s Power Group きくとこ 理容部門店長
1987年生まれ、新潟県出身。新潟理容美容専門学校卒業後、『One’s Power Group』に入社。現
在はフェイシャルやエステメニューも手掛ける『きくとこ』に所属し、理容部門の店長を務める。メンズカットはもちろんのこと、ハイクオリティなシェービングやヘッドスパでも高い評価を得ている。(2024年6月時点)
idとは?
LebeL(ルベル)が主催する、技術と感性を磨き、学び、身につけるヘアデザインイベント。
1981年のコンテスト開始以来、時代に合わせた変化を重ね、2022年から現在の“サロン志向のコンテスト”にアップデート。理容師・美容師の皆さま対象の「モデル部門」「フォト部門」、そして未来を担う理美容学生対象のフォトコンテスト「セルフィー部門」を併催しています。
Index
>憧れのSHINBIYOとクリエイティブ!緊張とワクワクで撮影スタート!
塚本 麻貴さん(Creative Design Award レディース部門 Gold Prize)
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受賞から撮り下ろし当日までの流れをご紹介
id2023ファイナルステージでクリエイティブデザインアワードGold Prize受賞が決定した後、塚本さんと松澤さんに、SHINBIYO編集部とルベルから撮り下ろしのテーマ“TEXTURE EXPRESSION(質感表現)”が示されました。
塚本さんと松澤さんは、そのお題をどんなヘアデザインで表現しようか、それにはどんな技術、モデルさんが必要か、写真のトーンやコスチュームは…とイメージを膨らませ、フォトグラファー・コスチュームスタイリスト・編集部との打ち合わせに参加。専門分野のプロ同士意見が交わされ、撮影プランを組み立てていきました。
憧れのSHINBIYOとクリエイティブ!緊張とワクワクで撮影スタート!
4月某日、撮影スタジオでも集中力がまったく途切れない塚本さんと松澤さん。その熱意に撮影クルー皆が一緒に良い作品を創ろう!と盛り上がります。
撮影方向性の確認、衣装合わせ、ヘアメイクの仕込み…着々と準備は進められます。
ほどよい緊張感の中、笑顔もあふれスタジオにはハッピーな空気が漂います。
まずは塚本麻貴さんがクリエイティブ開始!
finish!
使用アイテム
◆ヘアカラー:エドル B-11, P-13, B-7, クリア/エドル ヨヨ ホワイトラベンダー, オレンジ, ピンク, ウルトラピンク , クリア
◆スタイリング:ジオ フレイマン フロートエマルジョン
塚本さん 一問一答
Q1 撮りおろしを終えていかがでしたか?
緊張しましたがとても嬉しい経験でした。SHINBIYOさんとお仕事できることは目標の一つだったんです。カメラマン、コスチュームスタイリスト、そして編集の皆さんからプロの視点でアドバイスをくださったことで、自分がしたかったことが明確になり、視野が広がりました。
Q2 撮りおろし作品のテーマは?
idの受賞作品と対になるような作品にしたくて、idファイナルと同じテーマ「海に還りたい人魚」を選びました。モチーフは“泡”です。人魚は物語の最後、泡になったから…。
Q3 ヘアデザインのポイントは?
深海の中でゆらゆらと湧き上がる“泡”は、シャボン玉のように美しい色で湧き上がります。それをヘアカラーで表現しました。全頭ブリーチした後、ホワイト、淡いピンクとパープル、ローライトにブラウンをアシンメトリーに入れています。浮遊感を表現したくて、レイヤーをしっかり入れ、前髪内側には部分的にブラントカットし、顔回り中心にカールをつけ“泡”のような丸みを表現しました。質感もドライで浮遊感につなげています。
Q4 id2023出場を通じ、感じたことは?
私は最後まであきらめられない性分なんです。今回も時間の限り力を尽くしました。周りのスタッフにはそういう自分の姿を見てもらって、結果として最高の賞を示せた、というのがとてもうれしいです。準備段階では皆が衣装作りなどを進んで手伝ってくれて、私がヘアに集中できる環境をサロン全体で作ってくれました。ほんとうに感謝しています。
Q5 id2023出場を通じ、変化はありましたか?
コンテストは自分が好きなものだけでなくモデルさんに似合うことが第一。だからこそデザイン力が上がるのだと思います。サロンワークではお客さまからのご要望を聞くだけではなく、提案できる幅が広がりました。コンテストの作品をご覧になったお客さまから「デザインがかわいかった」とお声をかけていただくこともあったんですよ。コンテスト作品に興味をもってくださっていることは驚きでした。
Q6 idに出場しようと考えている方へ向けてひとこと
コンテスト出場は視野が広がる機会だと思います。そしてidのすごい点は、予選でもファイナルでも、憧れの先輩理美容師審査員の方から直接、アドバイスをいただけるコミュニケーションタイムがあることです。一人ひとりの作品を客観的に見てコメントをいただけ、たくさんの気づきや学びをいただけますよ。
Q7 今後の目標を教えてください!
もっと結果を出していくのはもちろん、idに出場したり活躍する後輩が続いて出てきてくれるよう、次の世代に私の経験をつなげていきたいです。
スタイリストさんに訊く、コスチュームのポイント!
塚本さんとの作品は、打ち合わせで上がった「記憶をたどる」というキーワードからイメージを膨らませ、自分の子供の頃のことを思い出して“無垢な何かにくるまれている”をコスチュームで表現しました。写真の背景色(黒)を意識したコーディネイトで、ヘアカラーが映え、調和した作品になったと思います。(コダンさん/コスチュームスタイリスト)
続いて、松澤佑興さんです!
finish!
使用アイテム
◆ヘアカラー:【ベース】エドル ブリーチ /【カラー】エタロラ ウォームブラウン P/D, ベージュブラウン P, ブラック, オレンジ, イエロー
◆スタイリング:ジオ パワーオイル クリエイティブホールド, トリエ エマルジョン 10
松澤さんに一問一答
Q1 撮りおろしを終えていかがでしたか?
実はプレッシャーを感じていました。今回の作品作りはidの Gold Prize受賞者という看板を背負っているので、撮影プランを練っている段階で、優勝者が作る作品のクオリティに仕上げなければと気負いがありました。ですがプレッシャーをプラスの力に変えて、撮影の機会を通じてこれまで見たことのない景色や経験を楽しむことができました。
Q2 撮りおろし作品のテーマは?
「不完全なkoutei(コウテイ)」というテーマで、若くして民草をとりまとめることになった悩めるリーダーを男性像にしています。悩める若きリーダー(“皇帝”)が、不完璧を自覚してこそ成長できる(不完璧を“肯定”)する覚悟をもって前に進んでいく、という姿を具現化しました。
Q3 ヘアデザインのポイントは?
ヘアは「失敗にも見えるような、やってしまった感」で不完璧感を表現しました。カットはバリカンで大きく間引いて穴を空けてしまった~その失敗は将来の成功につながる~大器晩成の皇帝をイメージしてデザインしています。カラーは“色ムラ”がデザインになるよう全体をブリーチした上に、デザインが乱雑になりすぎないよう毛先の配色は規則的に、幾何学的にさまざまな色を重ねました。質感はマットをベースに毛流れのある部分にはスタイリングでウェット感を組み合わせています。
コスチュームは「不完璧な思考=ヘアデザイン」を肯定するように完璧感をイメージしてスタイリングして頂きました。
Q4 idを通じ、感じたことは?
10年以上idに挑戦してきて今回受賞できたことで、続けることの大切さを実感しています。結果を残してきた方々と同じ場所に立てる作品だろうか?といつも考えながら向き合ってきました。その時間は悩み苦しみもありましたが、今振り返ると僕のかけがえのない財産になっています。予選でもファイナルでもやり残しがないか、コンテスト直前までとことん準備しました。その結果、最高の賞をいただけたことをとても嬉しく思います。そして「続けていれば念願は叶う。」と伝え続けていきたいです。
Q5 id2023出場を通じ、変化はありましたか?
先日、新潟の地方新聞にid 2023優勝の記事を掲載して頂きました。そして周囲からの見られ方が大きく変わっていっています。業界の方だけでなく、お客さまからお声をかけていただくこともありました。それに応えられるよう自分の立ち居振る舞いや言動も変えなければ、と感じますし、idでの受賞はルベルの看板を背負っているようなものなので、改めて身が引き締まる思いです。
Q6 idに出場しようと考えている方へ向けてひとこと
コンテストは、「どうやったらモデルさんの魅力を最大限に引き出せるか?」を、とことん考えることで思考がアップデートされていくような感覚があるので好きです。アイデアが閃いた嬉しさ、それを形にできた充実感はたまりません。僕にとってidは勝った年も負けた年も情熱が行き交う刺激的な空間でした。また味わいたいです。まだidに挑戦をしたことがない方は勇気を出して一歩踏み出すことをお勧めします。きっと沼にハマります。
Q7 今後の目標を教えてください!
僕が尊敬する方々は、「優勝した時点からその栄光は過去になっていく」と挑戦を続けています。その姿に憧れます。憧れのヘアデザインの高みに近づいていけるように、これからもコンテストの挑戦を続けていきたいです。
スタイリストさんに訊く、コスチュームのポイント!
松澤さんとの作品は徹底的に削ぎ落すことを意識しました。グローブで手を覆う、パンツの裾を長くして床付近まで隠す、など(肌の露出を無くすことで)余計な色を排除し、ミニマルを突き詰め、モデルさんが引き立つことを心掛けました。(コダンさん/コスチュームスタイリスト)
編集後記
ヘア、撮影、コスチューム、編集のプロが真剣にアイデアを出し合って生まれた今回の作品。コンテストや作品作りは、学びの場でもありお客さまへの提案の幅を大きく広げてくれるものでもある、という言葉には重みがあります。そしてGold Prizeに輝いたお二人は、もう次の高みを目指してスタートを切っておられました。これからのご活躍に目が離せません!
2024年もクリエイティブデザインアワードのエントリー受付がスタートしています。
※ サロンスタイルアワードとセルフィーアワードのエントリーは9月2日(月)開始。
次はあなたがチャレンジしてみませんか?
id2024 紹介動画
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