タカラベルモントのキャリア支援プロジェクトとは理美容師または理美容師を目指す方々が “自分らしいキャリアを築けること” “理美容業界で輝き続けられること” を目的に、 これまでの常識を疑い、環境改善から学習支援の開発まで幅広く業界発展のために活動する取り組みです。
ママ理美容師にフォーカスしたインタビューシリーズ第12弾として、福利厚生はもちろん、組織づくりや多事業展開でママ理美容師が働きやすい環境を実現する、関西エリアを中心に店舗展開する株式会社MOOL hさまにお話を伺いました。
お話を聞いた方

松井 紀利さん
株式会社MOOL h(モール) 代表取締役
innocent+Gr グループCMO
2013年にMOOL hairを創業。翌年には西中島店をオープン。2019年3月に美容業界では珍しい保育事業を展開。
2023年よりグループ経営をスタート。innocent+Gp深江橋グランのCMOとして株式会社レアリゼも運営し、2025年3月にはLiveコマース事業にも進出。メンタルケアや子育て支援など独自のシステムを構築。スタッフが安心して長く働ける環境づくりに情熱を注いでいる。
※2025年10月時点
サロン情報
MOOL hair / eyelash 西中島店
〒532-0011
大阪市淀川区西中島4-13-12北田ビル1階
サロン規模(グループ全体)
スタッフ数:18名(女性スタッフ14名、うちママ理美容師8名)
店舗数 :3店舗 (うち共同1店舗)

インタビュアー
キャリア支援プロジェクト メンバー 一同
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【サロンの特徴編】
全ては社員の福利厚生のために!美容室以外に保育事業・ライブコマース事業を展開
店舗数、従業員数、ママ理美容師さまの人数を教えてください。
MOOL hairという美容室を2店舗、グループで共同経営している美容室が1店舗、合計3店舗を経営しております。そのほか、保育事業部として保育園の運営や、ライブコマース事業なども展開しております。美容室のスタッフ数はグループ全体で18 名、そのうち産休取得経験のあるママ美容師が8名です。
美容室以外にも事業展開されているのですね。事業の詳細や、複数事業を展開されている理由を教えてください。
保育事業は企業主導型保育園で、助成金運営で認可外の自社保育園として2018年から始めた事業です。企業主導型保育は、こちらから園児を選ぶことができるので、社員の子供を預かることができます。補助金を活用した運営ができ、負担が少なく運営できるところに魅力を感じ、自社保育園を設置いたしました。
保育事業部(株式会社 MOOL h運営の保育園)
園名:つばさ保育園
住所:大阪市東淀川区
従業員:15名 (全て女性 、ママ職員14名)
形態:企業型(小規模、19名定員)

自社保育園であればママ理美容師の方も安心して預けられますね。
そうなんです。
また、ライブコマース事業は、企業の責任としてスタッフに法定通りしっかり有給休暇を取ってもらえるような環境整備をしなければいけないと思い、2025年3月から始めた事業です。
メーカーなど商品が軸にある企業は、誰かが休んでも売上に大きな影響はあまりないと思いますが、サービス業はスタッフがいないと売上も減少してしまいます。そのため、商品販売を強化し売上を確保することで、子供の事情なども含め誰もがしっかりと有給休暇を取れるような環境をつくっています。スタッフが努力や工夫を重ねた結果、今ではTikTokで月160万円を超えるほどの売上があります。
社員の想いを実現する制度・組織づくり
福利厚生に関して、そのほかの取り組みを教えてください。
1つ目は、安心して働ける環境づくりのために、創業時から社会保険労務士・税理士と顧問契約を結び、産休・育休の申請や手続きなどをスムーズに行えるようにしています。
2つ目は、病児保育料の補助です。1回につき3,000円、月30,000円まで病児保育の補助を福利厚生として行なっています。子供が急に熱を出しても、できることならお客さまのために出勤したいという美容師が多くいたため、病児の保育園に預ける費用を会社が負担することで、できる限りママ美容師の選択肢を増やしたいと考えています。
ママ理美容師にとっては非常にありがたい福利厚生ですね。
3つ目は、企業化です。通常、美容室は全員が営業マンのようなポジションだと思いますが、弊社ではサロンワークに加え、人事部などのさまざまな部署も兼任してもらっています。その人に合った業務で目的意識を持って働いてもらうことで、社員の働きがい向上や離職防止にもなりますし、その経験を活かして転職できるなど将来的なキャリア形成にも繋がると考えています。
モチベーションやキャリアまで考え抜かれた素晴らしい組織づくりですね。サロンの特徴として「特化型」を謳われていますが、どのような意図があるのですか?
就業時間が短い中でも無理なく技術を取得できるようにするために、弊社ではショート・髪質改善・白髪ぼかしに特化しています。しっかりとした技術を身につけられるよう積極的にセミナーや勉強会を行うように意識しており、有名サロンの外部セミナーにも参加してもらっています。
外部セミナーへの参加にはどのような効果を期待していますか?
有名サロンのセミナーに参加してもらうことには、技術の勉強以外にも意図があります。みんな美容師を始めた当初は「おしゃれな美容師さんになりたい」「人気スタイリストになりたい」など想いを持って始めたと思いますが、いつしかそういった気持ちを忘れ、惰性で仕事をするようになってしまう人も少なくありません。街のサロンであっても、有名サロンとの関わりを持って最新の技術を学びながら仕事ができるということを実感してもらえる環境づくりを意識しています。
その経緯もあり、2024年に大手美容サロンである 株式会社CHAINONにCVC(Challenge Voluntary Chain)加盟をし、福利厚生の充実はもちろん、最新の技術、情報が入りやすい環境整備を行いました。

【サロンづくり編】
SNS活用で叶える安心して産休・育休を取得できる環境づくり
復帰しやすい環境づくりとして、どのような点を意識されていますか?
産休・育休後も復帰しやすい状態を作るために、SNSを活用しました。まずはLINEの活用で、お店の公式LINEとは別に引き継ぎ用LINEを作りました。そこでお客さまとコミュニケーションを密に取り、数回使用できるクーポンを配布することで、お客さまの離脱を防いでいます。
また、育休からの復帰時にはInstagramでサロンワークの様子を発信することで、お客さま自ら予約をしていただけることもあります。復帰後の売上に不安を持つ方も少なくありませんが、SNSでお客さまとしっかり繋がっておくことで、不安も解消されると思います。
SNSを戦略的に活用されていて素晴らしいですね。
ほかにも、ママ美容師が働きやすいよう雇用形態は正社員と短時間正社員を用意しています。短時間正社員は勤務時間を自分の都合に合わせて16時・16時半・17時退勤の3パターンから選択できるようになっており、歩合給の割合を低く、基本給が高くなっています。この制度の懸念点としてダブルスタンダード問題が挙げられますが、雇用条件の違いをしっかりスタッフに伝え、短時間正社員が閉店時の掃除が完全にはできないことや、土・日に出勤できないことなども理解してもらっています。
また、アシスタントの段階で産休に入り、復帰後もスタイリストを目指したいという方に向けた教育カリキュラムを用意しています。動画で他社セミナーを受講できる 仕組みなど、早期デビューできるようなカリキュラムを開発し、できる限り復帰後のキャリアをサポートしたいと考えています。
それぞれの意向に合わせて雇用形態や労働条件を選べるのは、より働きやすい環境になりますね。
そうですね。ママ美容師が増えることによってスタッフの働く時間が短くなることも想定できていたので、ここ数年は単価を上げることを意識し、5年間で5,000円上げることに成功しました。具体的には、同じカット、カラー、トリートメントでもメニューを3パターンほど準備し、お客さまのご予算やニーズに合わせて選んでいただけるようなシステムです。予約時にお客さまの予算を確認することで、当日も予算に合わせた提案ができています。
日々のコミュニケーションを大事にする姿勢で働きやすいサロンに
スタッフの方とのビジョンの共有など、男性オーナーだからこそコミュニケーションで意識されていることはありますか?
男性だからと意識していることはあまりありませんが、トップダウンにならないよう、スタッフの皆さんの意見に耳を傾けるように意識をしています。
例えば、毎月の定例会議でのビジョンや理念の共有では、僕だけが話すような形にならないよう各部署の担当者から報告してもらうなど、部署のみんなが発言できる機会・意見交換をできる時間を設けています。日々の会話でも、スタッフがどのような美容師を目指しているか目線合わせを意識しながら会話するようにしています。僕たちの時代はカリスマ美容師ブームだったので売上重視な部分がありましたが、売上の話だけでなく「お客さまをこんな風に綺麗にしたいよね」「さっきのお客さま、喜んでいたよ!」などサロンワークの中で会話をするように意識しています。

【おわりに】
インタビュー後記
MOOL hairさまへのインタビューを通じ、ママ理美容師が安心して働き続けられる環境づくりへのこだわりを感じました。自社保育園の運営や病児保育料の補助、柔軟な雇用形態に加え、SNS活用で復帰後の売上をサポートする仕組みなど、社員の立場に立った具体的な工夫が見られます。また、特化型サロンとして技術習得の機会を確保し、キャリア形成まで考えた組織づくりは、働きがいや将来の可能性につながります。スタッフ一人ひとりの意見を尊重する松井オーナーの姿勢からも、スタッフを信頼し共に成長しようとする文化が伝わってきました。
ママ理美容師のためのキャリアヒントBOOK
【ママ理美容師のためのキャリアヒントBOOK】 は、理美容業界における産休・育休にフォーカスした復帰支援サポートブックです。出産を控える理美容師のみなさんが安心して産休・育休に入ることができるように、事前準備のサポートとして活用いただくことに加え、復帰後に理美容師として働いているイメージが膨らむよう、先輩ママのみなさんの声が掲載されています。
※キャリアヒントBOOKは「キャリア支援プロジェクト」ページよりダウンロードできます。

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