サロン売上構造

基本から学ぶ!サロン経営の知識

サロン売上構造 ~売上の「構成要素」と「収益構造」を理解する~

「基本から学ぶ!サロン経営の知識」は、サロン経営に役立つ知識をやさしく解説するシリーズ。今回のテーマは、お店の売上がどのように成り立っているのかを整理し、目標達成までの道筋を考えるための「売上構造」です。

自分が担当するお客さまの数字は把握しているものの、お店全体の売上をどう組み立てればいいのかが分からない中山店長。売上を伸ばしたいと思いながらも、どこを見て何から手をつけるべきかがつかめず頭を悩ませています。

そんな中山店長が、オーナーの池谷さんから教わるのが、サロンの売上を「客数×客単価×来店頻度」の3つに分解し、どこに課題があるのかを見つけて具体策につなげる考え方です。

売上構造の見方と、月70万円の売上を100万円に伸ばす具体例を、池谷オーナーとのやりとりを通して見ていきましょう!

基本から学ぶ!サロン経営の知識
サロンの継続的な繁栄や成長のために、時代にフィットする戦略的思考の充実とサロンビジネスの基礎を解説します。

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サロン売上構造 ~サロンの売上を構成する要素と収益構造を理解する ★今回はコチラ

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登場人物

池谷オーナー

池谷さん(オーナー)

オーナーとして長年お店を経営。中山店長から相談されることが多く、サロン経営の知識をベースにアドバイスを送っている。

中山店長

中山さん(店長)

人気スタイリストとして長年お客さまから支持されてきたが、最近は売上の伸び悩みと近隣の競合増加に頭を悩ませている。お店全体の成長に向けて、池谷オーナーから経営の知識を学んでいる。

売上を伸ばしたいけれど…中山店長、どこから手をつける?

店長の中山さんは、自分が担当するお客さまの数字は日ごろから把握しています。ただ、お店全体の売上となると、どこを見て何から始めればいいのかが分かりません。そこで、オーナーの池谷さんに相談することにしました。

中山

お店の売上をもっと伸ばしたいんですが、何から手をつければいいのか…。まずは新規のお客さまを増やすのが先でしょうか。

オーナー

それも1つですが、その前に確かめておきたいことがあります。うちの売上が今どうやって成り立っているのか、分けて考えたことはありますか?

店長

自分の担当分なら数字を追っていますが、お店全体となると、月の合計しか見ていませんでした。

オーナー

売上は3つの数字の掛け算でできています。合計だけを見ていると、集客だけがんばっても手応えが出ない、ということが起きるんですよ。

サロンの売上は「客数×客単価×来店頻度」で決まる

画像1
オーナー

サロンの売上は、客数×客単価×来店頻度の3つで決まります。何名のお客さまが、1回あたりいくらお支払いくださり、1年に何回ご来店くださるか。この掛け算が売上です。

店長

どれかが落ちていれば、売上も落ちるということですね。

オーナー

そうです。逆に言えば、どの数字でつまずいているのかが分かれば、次にやることも決まります。

客数

オーナー

まずは客数から見ていきましょう。ここでは新規のお客さまと、以前からご来店くださっているお客さまを分けて見るのが大事です。

中山さん

分けて見たことはありませんでした。人数が増えていれば、それでよしとしていたと思います。

池谷さん

分けてみると、集客が足りないのか、いらしたお客さまが続いていないのか、どちらに手を打つべきかが見えてきますよ。

中山さん

言われてみると、新しいお客さまの数ばかり気にしていました。

池谷さん

そこが見えると動きが変わります。新しい方が増えても、これまでの方が減っていれば相殺されてしまいますから。一度ご来店くださった方に、また足を運んでいただくところまで含めて、客数と考えましょう。

▼客数を増やすためにできること

・広告やSNSを活用して、まだお店を知らない方に見つけていただく
・ご来店が途絶えたお客さまを洗い出し、離れた理由を分析して次の対策につなげる

・再びご来店くださった方に提案を重ね、お店のファンになっていただく

客単価

オーナー

次は客単価です。ここは金額だけでなく、時間もあわせて見るのが大事です。

店長

時間、というのはお一人にかける時間のことでしょうか。

オーナー

そうです。単価が高くても、お一人にかかる時間が長ければ、1日に対応できる人数が減ってしまいます。時間あたりでいくらになるのかも、あわせてつかんでおきましょう。

中山さん

たしかに、指名が重なる日は回りきらないことがあります。単価のことばかり見ていました。

▼客単価を上げるためにできること

・お店のコンセプトに沿って、満足度が高まる高単価メニューを用意する

・お客さま1人にかかる時間を把握し、時間あたりの売上で考える

・ホームケアやスタイリングのアドバイスとあわせて、店販の商品をおすすめする

・単品で終わらせず、複数のメニューを体験いただけるように組み立てる

来店頻度

オーナー

3つめが来店頻度です。ここは、こちらからご来店のきっかけをどれだけ多くつくれるかで変わります。

中山さん

次回のご予約はおすすめしているんですが、それ以上は思いつかなくて。

池谷さん

季節に合わせたご提案は共感いただきやすいですよ。暑くなる前、乾燥する時期と、1年を通して声をかける理由になります。

中山さん

予約をおすすめするのとは、声のかけ方が変わりますね。

池谷さん

デザインのご提案もマンネリを防げます。デザインには手入れが必要なので、次はいつごろがよいかもあわせてお伝えしましょう。

▼来店頻度を上げるためにできること

・季節ごとの提案で、1年を通してご来店のきっかけをつくる

・デザインの提案でマンネリを防ぎ、次回のご来店時期をお伝えする

・お客さまそれぞれの行事に合わせて提案する

・ヘアケアを習慣にされている方などに、美容への意識が高まる提案をする

【具体例】月70万円の売上を100万円にするには?

池谷さん

3つの数字が分かったところで、実際に当てはめてみましょう。今、月70万円のスタイリストが、100万円を目指す場合で考えます。

店長

30万円を積み上げるということですね。どこから手をつければいいんでしょう。

オーナー

まずは、今の70万円が何でできているかを分けてみます。

▼現状の分析(月70万円のスタイリストの場合)

・売上 70万円 = 客数 100名 × 客単価 7,000円

・1日あたりの客数 100名 ÷ 稼働25日 = 4名

池谷さん

ここから100万円に伸ばす方法は2つあります。客数(来店頻度を含む)を増やすか、客単価を上げるかです。

客数で伸ばす場合

池谷さん

客単価が7,000円のままなら、月150名にご来店いただければ100万円に届きます。1日あたりでは6名で、今より2名増える計算ですね。

店長

1日2名なら、手が届かない数字ではなさそうです。この2名を、どう積み上げていくかですね。

オーナー

メニューごとに分けてみると決めやすいですよ。カットが月50名なら75名に、カットとカラーが25名なら40名に。得意なメニューから伸ばすほうが、計画も立てやすくなります。

店長

闇雲に集客するのではなく、どのメニューで増やすかまで決めるんですね。

池谷さん

それに、増やす方法は新規の集客だけではありません。カルテが100枚あるスタイリストなら、年3回のご来店が4回になるだけで、年間の総客数は300名から400名になります。

中山さん

頻度が1回増えるだけで、100名も変わるんですね。

客単価で伸ばす場合

池谷さん

もう1つが客単価です。客数が100名のままでも、7,000円を10,000円にできれば100万円になります。

▼客単価で伸ばす

売上 100万円 = 客数 100名 × 客単価 10,000円

上乗せが必要な金額 10,000円 - 7,000円 = 3,000円

中山さん

3,000円を上乗せするとなると、単価の高いメニューに変えていただくしかないでしょうか。

オーナー

高単価メニューへの変更だけが方法ではありません。カットだけのお客さまにカラーを、カットとカラーのお客さまにトリートメントやヘッドスパを。複数のメニューを体験していただき、そこに店販が加われば、3,000円は見えてきますよ。

中山さん

どのお客さまがどのメニューをご利用くださっているか、把握するところからですね。

池谷さん

そのとおりです。客数を増やすのか、客単価を上げるのか、その両方なのか。どれを選ぶかで、動き方が変わってきます。

売上のほとんどを担う「ロイヤルカスタマー」とは?

ロイヤルカスタマー
池谷さん

サロンの売上のほとんどを担っているのは、来店頻度が高く、客単価も高いお客さまです。こうした方を「ロイヤルカスタマー」と呼びます。

中山さん

どれくらいご利用くださる方を指すんでしょうか。

池谷さん

年間8回以上ご来店いただき、年間のご購入額が10万円以上の方が目安です(タカラベルモント調べ)。全体の2割ほどですが、この方たちがサロンの売上のほとんどを支えてくださっています。

中山さん

2割で、ほとんどですか。

池谷さん

結果の8割は全体の2割から生まれる、というパレートの法則のとおりです。だからこそ、ご来店いただいた方にリピートしていただき、お店のファンになっていただく流れが、そのまま売上につながります。

中山さん

以前教わったカスタマージャーニーも、リピートしていただくための考え方でしたね。

まとめ:売上を分解して、伸ばす道筋を決めよう

池谷オーナーのアドバイスを受けて、中山店長の表情も変わってきました。

店長

売上構造というと難しそうに感じていましたが、1つずつ分解して見ていくと理解できました。お店がどこでつまずいているのかも、見えてきそうです。

オーナー

そこが見えたら、次は具体策です。お店を取り巻く環境や競合、強みを踏まえて、誰に何をどのように届けるかを決めていきましょう。

店長

分解して終わりではないんですね。

池谷さん

決めた具体策を実行して、結果を確かめて、また見直す。この繰り返しで、進め方の精度が上がっていきますよ。

中山さん

はい。次のミーティングでスタッフのみんなに共有します。

今回の話から学ぶこと:サロンの売上構造のポイント

売上は、分解してこそ見えてくる!


サロンの売上は、客数×客単価×来店頻度で成り立っています。伸び悩んでいるときは、3つのどこに課題があるのかを分解して確かめましょう。分解できれば、来店頻度も客単価も高いロイヤルカスタマーを増やすために、次に何をすべきかも決まります。「売上は、分解してこそ見えてくる!」ですね。

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