「基本から学ぶ!サロン経営の知識」は、サロン経営に役立つ知識をやさしく解説するシリーズ。今回のテーマは、マーケティング戦略やお店の活動計画を立てるときに役立つフレームワーク「3C分析」です
既存のお客さまの来店周期が伸びて売上が安定せず、新規のお客さまも近隣のサロンに流れているように感じる中山店長。何か手を打たなくてはと思いながらも、何から始めるべきか分からず頭を悩ませています。
そんな中山店長が、オーナーの池谷さんから教わるのが、売上の伸び悩みや競合増加といった課題を整理し、「自店として何をすべきか」を明確にするための考え方「3C分析」です。
基本から学ぶ!サロン経営の知識
サロンの継続的な繁栄や成長のために、時代にフィットする戦略的思考の充実とサロンビジネスの基礎を解説します。
売上不振や競合増加・・・店長のお悩みを「3C分析」で整理! ★今回はコチラ
組織マネジメント_マネジメント
店舗運営_カスタマージャーニー
サロン数字_サロン売上構造
コンプライアンス_個人情報保護法
登場人物
池谷さん(オーナー)
オーナーとして長年お店を経営。中山店長から相談されることが多く、サロン経営の知識をベースにアドバイスを送っている。
中山さん(店長)
人気スタイリストとして長年お客さまから支持されてきたが、最近は売上の伸び悩みと近隣の競合増加に頭を悩ませている。お店全体の成長に向けて、池谷オーナーから経営の知識を学んでいる。
売上の伸び悩み、近所の競合のお店も増加…中山店長、何から手をつける?
―店長の中山さんは最近、お客さまの来店周期が長くなり、売上が伸び悩んでいることに頭を悩ませていました。さらに、近所に競合のお店が増えていることも気がかりです。なかなか解決策が見えないなか、中山店長はオーナーの池谷さんに相談することにしました。
最近、お客さまの来店周期が長くなってきましたね。世の中の傾向なのかなぁ。
たしかに、お客さまの支持が高い中山さんにしては、最近少し売上も苦戦してますね。
実は、近所にお店が増えているのも気になっていて…。お客さまが減っているのか、競合に流れているのか、何から手をつけるべきか分からないんです。私だけじゃなく、ほかのスタイリストも同じような状況だと思います。
そうですね。これはお店全体に関わる問題だと思います。周りの環境がこれだけ変わってくると、感覚だけで判断するのは難しいですよね。
こういうときは、お店を取り巻く状況と自店の強み・弱みを一度整理してみるといいですよ。「3C分析」というフレームワークを使ってみましょう。
3C分析?どんな分析なんですか?
押さえておきたい!3C分析の3つの視点
3Cとは、「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自店)」の頭文字を取ったマーケティング用語です。
市場の動きやお客さまのニーズ、競合のお店、そして自店の分析から解決策を見つけるのに役立つんですよ。
外側だけじゃなくて、自店のことも含めて見ていくんですね。それぞれ、具体的にはどう見ていけばいいんでしょうか?
3つの「C」は、それぞれ次のような視点で分析していきます。
ーここからは、3つの「C」について、池谷オーナーが分析した例を見ながら1つずつ確認していきましょう。
市場・顧客(Customer)の分析
まずは「市場・顧客」です。
エリアの市場規模や動向、ターゲットとなるお客さまのニーズ、消費行動などの商圏分析を行います。
商圏のなかにどのような人がいて、どのようなニーズを持っているのかを整理することで、お客さまの姿が具体的に見えてきますよ。
たとえばうちの周辺だと、こんな状況ですね。
▼池谷オーナーの市場・顧客分析の例
- 新たな商業施設が開発され、全体的に人口が増えてきている
- 新しいマンションも多くできている住宅街で、30〜40代の共稼ぎの世帯が多い
- 子育てや家事に追われ、時間が取れない主婦も多い
たしかに、最近このエリアの様子も変わってきましたよね。
競合(Competitor)の分析
次は「競合」です。
地域で繁盛しているお店や、自店と同じような客層・価格帯のお店について、数や強み・弱み、客層、料金設定を調べていきましょう。
競合のお店がどのような価値を提供し、どのように選ばれているのかを理解することで、自店の立ち位置も見えてきます。
競合のお店についてはあまりよく知らないので、調べてみる必要がありますね。
そうですね。たとえばうちの場合だと、こんな分析になります。
▼池谷オーナーの競合分析の例
- 駅周辺は中価格帯のお店がいくつかある
- これらのお店のお客さまは30〜40代の女性が多い
- 手頃な価格帯のカラーメニューを設定している
自店(Company)の分析
そして「自店」です。
自店の強み・弱みに着目しながら、どのような価値を提供できるのかを整理していきましょう。
コンセプトやターゲット、差別化・競争優位性を検討するのがポイントです。
たとえばうちのお店の場合は、こんなふうに整理できますね。
▼池谷オーナーの自店分析の例
- コンセプトは「大人女性のサードプレイス」
- 強み:大人女性向けのデザインが得意、施術の時間が速い
- 弱み:SNS集客が弱い、若い女性への接客は苦手
自店のことも、改めて整理してみると見えてくるものがありますね。
自店の強みや弱みをさらにくわしく分析するときは、「SWOT分析」と組み合わせると効果的ですよ。
自店の打ち手を導く!3C分析の活用方法
3つのCを分析しましたが、これをどう活かせばいいんでしょうか?
3C分析は分析して終わりではありません。3つの「C」を分析した結果から、自店や個人で何をすべきかを具体的に考えていきましょう。
なるほど、今まで分析した結果から考えてみたんですが、たとえばこんな具体策はどうでしょうか?
▼3C分析から導いた具体策の例
大人女性への旬なヘアスタイルの提案と、ヘッドスパメニューを強化。デザインと癒しで差別化を図り、働く女性の満足度をさらに高める!
いいですね。市場のニーズを捉えながら、自店の強みを活かせる具体策になっていると思います。
こうして、ほかのお店にはない自店の強みを見つけて、それをさらに磨いていくこと。これがお店の成果に結びつく秘訣ですよ。
まとめ:マーケティング環境を把握し、自店の打ち手を見つけよう
―池谷オーナーのアドバイスを受けて、中山店長の表情にも変化が出てきました。
今まで自分の数字のことばかり考えていましたが、あらためて周りの環境とお店の強みや弱みが分かりました。
今回出した具体策はきっとうまくいくと思います!
そうですね。どうしても目先の数字に目が行きがちだけど、こういうときこそ、しっかりと分析することが大事です。
はい!次のミーティングでスタッフのみんなに共有します。
今回の話から学ぶこと:3C分析のポイント
3C分析は、行動につなげてこそ!
売上の伸び悩みや競合の増加に直面すると、つい目先の数字に意識が向きがちです。
しかし大切なのは、市場・顧客、競合、自店の3つの視点で現状を整理したうえで、自店ならではの強みを見つけて、それをさらに磨いていくこと。「3C分析は、行動につなげてこそ!」ですね。
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