ママ理美容師インタビュー

キャリア支援プロジェクト

ママ理美容師インタビューVol.3/Hair Design Air 鈴木さん 金野さん 中村さん

タカラベルモントのキャリア支援プロジェクトとは理美容師または理美容師を目指す方々が “自分らしいキャリアを築けること”  “理美容業界で輝き続けられること” を目的に、 これまでの常識を疑い、環境改善から学習支援の開発まで幅広く業界発展のために活動する取り組みです。

 

今回は、産休・育休を経て現場復帰され、子育てをしながらスタイリストとして活躍するママ理美容師のみなさまにフォーカスしたインタビューシリーズ第3弾をお届けします。

お話を聞いた方

岡村さん

鈴木博子さん

Hair Design Air 店長・トップスタイリスト


1児の母(10歳)


<産休・育休期間>

・生後7ヵ月で復帰

※2023年11月時点

金野さん

金野葵さん

Hair Design Air トップスタイリスト


3児の母(11歳、8歳、4歳)


<産休・育休期間>

・第一子:出産1ヶ月前から産休/生後4ヶ月で復帰   

・第二子:生後6ヶ月で復帰   

・第三子:生後7ヶ月で復帰

※2023年11月時点

中村さん

中村かおるさん

Hair Design Air ジュニアスタイリスト


3児の母(9歳、6歳、3歳)


<産休・育休期間>

・第一子:生後1.3ヵ月で復帰(当時別サロンにてパート勤務)

・第二子:生後11ヵ月でAirに入社 

・第三子:生後4ヵ月で復帰

※2023年11月時点

サロン情報

Hair Design Air


〒987-0412 宮城県登米市南方町雷68‐7

 

サロン規模:セット面8席

スタッフ数:6人

utuwa

インタビュアー
キャリア支援プロジェクト メンバー 一同

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開く

【妊娠〜産休編】

妊娠を知ったとき、率直にどんな気持ちでしたか?

金野さん

私はジュニアスタイリストとしてデビューしたばかりの頃だったので、正直複雑な気持ちの方が大きく、すぐには職場に報告できませんでした。

鈴木さん

既にスタイリストになっていたので、復帰に向けて不安は特にありませんでした。

中村さん

最初の妊娠が分かったのは前のサロンに勤めていた時で、アシスタントからカットも担当するようになった頃でした。出産後も同じサロンに戻る予定でしたが、最終的には退社しました。3人目はAirに来てから妊娠したのですが、その時もアシスタントとして技術の練習をしている最中だったので少し戸惑いました。

お客様への報告や引き継ぎはどのように行いましたか?

金野さん

当時はアシスタント業務の方が多かったので大きな引き継ぎはありませんでしたが、担当していたお客様は同期のスタイリストに引き継ぎ、アシスタント業務はアシスタントメンバーに引き継ぎました。

鈴木さん

先輩・後輩含めサロン内で引き継ぎを行いました。

中村さん

1人目の時のサロンには社員は私しかおらず、派遣スタッフの方がメインのサロンだったのでスタッフの入れ替わりが多く、引き継ぐというよりはその時にできることをやるようなイメージでした。

妊娠中、大変だったことはありますか?

鈴木さん

体調に波があり、思うように仕事を進められなかったことです。退勤後のむくみがひどかったことも大変でした。また、においつわりにより、頭皮のにおいに対して敏感になってしまいました。

金野さん

(風で匂いが流れるので)ドライヤーとかも気を遣いますよね(笑)
私は1人目の時が切迫早産だったため、検診の度に入院を勧められていたのですが、しばらくは入院をせずに薬で対応をしていました。ただ、段々と体が辛くなり仕事中にフラフラしてしまうことも増え、体調が悪い時には通勤で使用する車で休みながら働かせてもらいました。産休に入って1回目の検診の後にすぐに入院し、出産になりました。

中村さん

私はお腹が大きくなってからのシャンプーがやりづらくて大変でした。

あとは、サロンワーク中は食事の時間が決まっていないので、自分で調整しないといけないことが大変でした。

【産休中編】

休業中、不安だったことはありますか?

鈴木さん

休業に入る前までは毎日練習をしていたので、長期間休むことによる技術のブランクへの不安がありました。

中村さん

3人目の時は、Airに勤め始めて2〜3年で産休に入ったのですが、お客様もようやく覚えてくださった頃だったこともあり、期間が空いてしまい、お客様が離れていってしまうのではないかと不安がありました。

金野さん

給与面ももちろんですが、こんなに長い期間休んだことがなかったので、復帰した時にお客様が自分に戻ってきてくれるのか不安でした。失客を防ぐために、休業前にお客様の了承を得て復帰のお知らせのハガキを手書きで100枚近く送りました。

【復帰編】

復帰後の大まかなスケジュールやキャリアの変遷を教えてください。

金野さん

復帰直後は時短勤務でした。他のスタッフと同じ時間で勤務したいという気持ちはあったのですが、自分の体調や家族の負担を考え、時短勤務を活用しながら徐々に仕事を慣らしていきました。1・2人目同様、3人目の時も時短勤務で復帰しましたが、家族の生活リズムが安定してきたこともあり、すぐに通常通りの勤務時間に戻しました。

もし家族のサポートがなかったら、幼稚園に入園するまで育休を取らないといけなかったと思います。

ただ、家族が農業をやっているので、自分だけの都合というよりは家業とのスケジュールも加味して復帰をしました。

鈴木さん

9時〜17時で勤務をして、保育園のお迎えに間に合うように退勤していました。

土曜日は保育園に預けられたのですが、日曜日は子供を保育園に預けることができなかったので、日曜日に誰が子供のお世話をするかが課題でした。当時は自分の親も働いていたので、最初の半年は月2回、日曜日にお休みをもらっていました。

子供が5〜6歳になると体調を崩す頻度も減り、子供が自分のことを自分で出来るようになったことで、少し余裕ができ、仕事に専念できるようになりました。子供が小学生になってからは、子供自身の世界も広がるので、私も何か新しいことや夢中になれることをしたいなと考えられるようになりました。ただ、家族との時間も大切にしたいので、勤務時間自体は変えたくないと考えています。

中村さん

1人目のときは退職したので、2歳くらいまでは自分だけで面倒を見ていました。

2歳になった頃、前の職場から「パートとして戻ってきませんか?」と声をかけてもらい復帰したのですが、保育園に子供を入れることができなかったので認可外のベビーホテルのようなところに預けながら勤務していました。週3程度から仕事を始めてフルタイムでの復帰を目指していたのですが、そのタイミングで2人目を授かり、また夫の故郷である宮城県に引っ越すことに。第2子の子育てが落ち着いた頃にAirで働き始めました。3人目の時はすぐに保育園に入れて復帰したので常に時間に追われていました。1歳になるまでは本当に必死でしたが、今は成長して大分落ち着いてきています。

復帰後、不安だったことはありますか?

鈴木さん

ブランクの影響で思うように施術が進まず、時間が伸びてしまうことも多々ありました。勤務時間が長くなるとお迎えの時間にギリギリになってしまうことへの心配もありました。特に冬の時期は雪があるので。

カットシーン

復帰に向けて取り組んだことはありますか?

金野さん

家族の髪は定期的にカットしていましたが、本格的な練習は復帰の約1ヶ月前から始めました。家の外でクランプを立てて練習し、復帰直後は夜練習にも参加していました。アシスタントの時は時間を気にせずできたのですが、今は子供のことを考えて「1時間」など時間を決めて練習に参加しています。あとは勉強会を朝に開催してもらったこともあります。

最近はメーカーさんによる臨店講習を営業時間内に受けられることも助かっています。サロンとしてはその時間も営業した方が利益になるとは思うのですが、Airでは全員が予約を空け、営業時間内に講習をセッティングしていただいています。

妊娠期間中や復帰後など、困っていたことはありますか?

金野さん

私が妊娠していた当時は半休のシステムもなく、体調が悪くなった時になかなか「休みたい」と言える環境ではありませんでした。切迫早産で入院レベルの状態だったと思うと、今考えれば怖いです。…今だったら「休みたい!」と言えます(笑)

Airでは制度として確立されているので、スタッフ全員が平等に休みを取れています。

 

鈴木さん

サロンで使用している薬剤が休業中に変わってしまい、復帰する少し前に一度サロンで薬剤を確認させてもらいました。あとは他スタッフに仕上がりの色合いや前回の薬剤との違いを教えてもらいました。

逆に、今なら出来ることはありますか?

鈴木さん

自分が妊婦になってみて初めて先輩方の大変さがわかったので、自分より前に妊娠していたスタッフに対しては十分なサポートができていなかっただろうなと思います。少し休みたいなとか、椅子に座りたいなとかあったと思いますが、気が付けていませんでした。

自分より後に妊娠した方には優しくできたのですが……金野さんの話を聞いているとかわいそうだなと(笑)

中村さん

私自身は頑張り過ぎていた気がするので、次の人がいれば「あまり無理しないで。もっと休んでいいんだよ」と言ってあげられるようにしたいです。

当時欲しかったサービスや、ママ理美容師に役立つアイデアがあれば教えてください。

金野さん

情報収集のために様々なメーカーさんのInstagramアカウントをフォローするのですが、技術専門のアカウントがあるといいなと思います。最近は臨店講習で学べない技術もあり、新しい技術を見たときに私が知らないだけなのか、それとも講習を依頼していないだけなのかわからないこともあるので、技術に関する情報をキャッチできるチャンネルがあると便利だと思います。

鈴木さん

どうしても誰も家に居られない時に子供を預けることができたり、お迎えだけを依頼したりできる出張ベビーシッターのような制度があるとうれしいです。

中村さん

サロンに所属していない人も参加できるような単発の講習会です。私が産休・育休を取得していた当時やコロナ禍前はオンライン講習の種類があまりなく、自分で勉強に行ける場所が限られていました。オンライン・オフライン問わず、1人でも気軽に参加できる講習会があれば是非参加したいです。

スケジュール

【マインド編】

出産後も美容師を続けている理由や原動力を教えてください。

金野さん

中学校1年生の時から美容師になりたいと思っていたので、その想いをすぐには曲げたくありませんでした。先の人生を考えるなら美容師で貯金ができるくらいにはなりたいと思っていたことと、奨学金を借りて美容学校に通ったのでそれを返し終わるまでは辞めないと決めていました。

また最近は、子供たちの中に私の仕事に対しての憧れが少しずつ見えてきたことも大きいです。周りのお友達から私が美容師であることを言われた時、嬉しそうにしている娘を見て辞められないなと思いました。小学校に入ってからは美容師になりたいと思ってくれているみたいで、それが今の私の支えです。

鈴木さん

私は過去に別の仕事をしたこともあるのですが、今こうして美容師の仕事をしているのは、やっぱりこの仕事が好きだからだと思います。他の仕事を見ていると「土日休みでいいな」と思うこともありますが、美容師の仕事以外で、いざ働けるかと言われたらきっと続かないです。

中村さん

私も奨学金を返し終わるまでというひとつの区切りはあるのですが、1人でお客さんを仕上げられるスタイリストになるまではやらなきゃなみたいな、半分意地みたいな感じで今も続いています。

これから出産・復帰を目指すママ理美容師に向けて、アドバイスがあればお願いします。

金野さん

「仕事優先にしすぎなくてもいい」ということは自分に言い聞かせるようにしています。1人目の時は出産から復帰までが早かったので子供が小さい頃の思い出が少なく、家庭や子供との時間をもう少し優先してもよかったなと思います。私自身もオーナーと話したことで少しずつ働きやすくなっていったので、もし時間のことで悩んでいる方がいれば、思い切って職場に相談してみてください。

鈴木さん

美容師は世の中に大勢いますが、子供にとって、親は自分しかいません。子供と過ごす貴重な時間のことも忘れずに仕事をしてほしいと思います。金野さんが話したようにAirは労働環境がどんどん良くなっていますが、それは労働環境を良くしてほしいと望んでいるだけでは変わらなかったことだと思っています。今の環境があるのもオーナーと何度も話し合って、より良くしようと行動してきたからこそある結果なので、考えていることがあればぜひ話してみてください。

中村さん

正社員・パート・時短勤務と様々な働き方を経験しましたが、自分が何を優先して働くかを考えておくことは重要だと思います。もう少しやりたいなと思う時もパートだから退勤しなければいけなかったなど、折り合いをつけることが難しい場面もあったので、自分に合った働き方を模索してほしいです。

【おわりに】

インタビュー後記

今回は、同じサロンで働かれている3名にお話を伺いました。サロン内にママスタッフが増えてくることで、互いに気遣いあったり、ママだからこその悩みを相談したりすることができ、より子育てしながらも理美容師として働きやすいサロンになるのだと感じました。ご自身の経験を活かして後輩をサポートしていきたいとおっしゃる姿は、とても頼もしかったです。

また、不安や困りごとはそのままにせず、オーナー様と積極的にコミュニケーションをとり、互いに理解を深めることが大切なのだと改めて感じました。

一口に「ママ理美容師」と言っても、働き方や目指す姿は人それぞれ。キャリア支援プロジェクトでは、そのどれもが正解で、お一人おひとりがその人らしい働き方・活躍の仕方を実現できることが重要だと考えています。ひとりでも多くのママ理美容師が「私らしい理美容師像」を実現できるよう、これからも活動していきます。

ママ理美容師のためのキャリアヒントBOOK

【ママ理美容師のためのキャリアヒントBOOK】 は、理美容業界における産休・育休にフォーカスした復帰支援サポートブックです。出産を控える理美容師のみなさんが安心して産休・育休に入ることができるように、事前準備のサポートとして活用いただくことに加え、復帰後に理美容師として働いているイメージが膨らむよう、先輩ママのみなさんの声が掲載されています。

こちらからダウンロード

キャリアヒントBOOK

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