第53回全日本美容技術選手権大会が2025年10月7日(火)、福島県・福島トヨタ クラウンアリーナで開催されました。全日本美容技術選手権大会は1962年に第1回が開催され、今年で53回目を迎える歴史ある大会。昨年に引き続き、タカラベルモントも毎回協賛しているこの大会に潜入し、出場者に突撃取材。美容師歴の異なる3人に、大会にかける想いを伺ってきました。
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今年の開催地、福島県について
福島といえば「フルーツ王国」とも呼ばれるほど四季折々の果物が生産されています。とくに6〜12月にかけて、さくらんぼや桃、梨、ぶどう、りんごなど様々なフルーツが栽培され、そのおいしさを求めて県内外から多くの方が訪れます。
そこで、今回は福島市郊外にある「まるせい果樹園 農家カフェ 森のガーデン」さんにお邪魔して、フルーツの魅力をレポート!
「まるせい果樹園」は東京ドーム約2個分の広大な敷地に多種多様なフルーツを栽培。収穫体験も可能で、取材当日はりんご狩りのお客さまが来園していました。「まるせい果樹園」のくだものづくりは、有機質肥料をたくさん使ったり、減農薬を心がけているそう。園内には直営の「農家カフェ 森のガーデン」が併設されており、旬のフルーツをふんだんに使ったパフェが大人気!
◎まるせいスペシャルパフェ<季節限定> ¥1,600
◎シャインマスカットパフェ<季節限定> ¥1,300
◎フレンチBOX <季節限定> ¥1,000
今回はこの3つをオーダー。こぼれそうなほどフルーツが美しく盛り付けられています。最もおいしい時期の甘くてジューシーなフルーツとクリームの相性もバツグン!
「桃とりんごの栽培から始め、今では数多くのフルーツを育てています。桃だけでも25種類くらいあるんですよ! 『森のガーデン』は東日本大震災で落ち込んだお客様を取り戻すためと、若い人たちのフルーツ離れを食い止めようと2016年からスタート。当時からほとんど価格も変更していません。近県からの日帰りのお客様が中心ですが、なかには九州や北海道から来られた方もおり、週末は最大2時間半待ちになったこともあります。ここでしか味わえない旬のおいしさを今後も広めていきたいです。」(まるせい果樹園・代表取締役佐藤清一さん)
園内の「かずちゃん直売所」では、採れたてのフルーツはもちろん、果樹園のフルーツを加工したオリジナルジュースや果物を使った塩などが購入できます。
フルーツの魅力を存分に味わえる「まるせい果樹園」に、ぜひみなさんも足を運んでみては?
■まるせい果樹園 農家カフェ 森のガーデン
住所:福島県福島市飯坂町平野森前27-3
TEL:024-541-4465
営業時間:平日10:00〜16:00、土日祝10:00〜17:00
オープン期間:6〜12月(シーズン中は無休)
HP:https://www.maruseifukushima.com/
※取扱中のフルーツは公式LINEからご確認ください。
全日本美容技術選手権大会について
全日本美容技術選手権大会とは、全日本美容業生活衛生同業組合連合会が主催する日本最大規模の美容技術大会です。全国47都道府県から予選を勝ち抜いた技術者が日頃の技術の研鑽の成果を競い合います。
競技種目は以下の7つ。
・ヘアスタイル競技
・フリースタイルカット競技
・カット&ブロー競技
・花嫁化粧着付競技
・中振袖着付競技
・ネイルアート競技
・カットバトル競技(オープン競技)
今回は1,870名の関係者が来場。約133名の美容師やネイリストなどの出場者が全国から集結しました。あちこちに応援の横断幕が掲げられ、会場は競技前から熱気に満ちあふれていました。
福島での開催にあたって
2011年、第39回大会の福島での開催に向けて準備を進めている最中に東日本大震災が発生。福島県は甚大な被害を受け、開催を断念せざるを得ませんでした。原発事故によって避難を余儀なくされ、元の場所で営業を再開できなかった方も多く、廃業する理美容室が後を絶たなかったんだそう。その後に起きた水害も重なり、組合員も減少したといいます。数々の困難を乗り越え、14年の時を経て今年の開催へと導いた福島県美容業生活衛生同業組合・五十嵐康之理事長に話を伺いました。
五十嵐康之理事長
「東日本大震災で組合事務所も倒壊し、移転して建て直すことが活動の再スタートでした。組合員の減少や高齢化も進み、大変な時代が長く続きました。そんな中、福島県ではベテラン美容師向けのパソコン講習会を開くなど組合員のサポートに全力を尽くしてきました。また、技術講習会を年に3〜4回行って大会出場選手の育成にも力を注ぎ、選考会をクリアした選手が今回出場しています。
多くのみなさまのご支援を賜り、今回開催できたことに心より感謝申し上げます。予想を上回る来場者に驚きつつ、大変感激しております。美容学校生も約300人来場し、将来に希望を持っていただけた1日になったと思います。」
3人の出場者の声
福島大会にあたり、地元福島からは7名が参加。そのうちヘアスタイル競技とフリースタイルカット競技に参加したおふたりと、カットバトル競技に参加した岩手県の選手を紹介します。
ヘアスタイル競技に参加 3位以上が目標という白石田さん
白石田絵里子(しろいした・えりこ)さん
福島県西白河郡中島村の「AB美容室」スタイリスト。お母様がオーナーを務めるお店で働く白石田さんは入賞の常連という実力者。今回は昨年のリベンジを果たすべく参加。
白石田さんが出場したヘアスタイル競技は、ブローテクニックを最大限に活用し、高い芸術性が感じられる進歩的なヘアスタイルを30分以内に制作します。指定されたモデルウィッグを使用し、競技ステージで完全に髪を濡らしてオールバックにシェイプした状態から始め、独自の創造性やファッション性を表現することが求められます。
参加されたきっかけは?
これまで4〜5回出場しているのですが、昨年1点差の4位入賞だったので、今年は3位以上を目標に挑みました。でもまた1点差の4位入賞だったので、また来年、参加したいです!
ヘアスタイル競技を選ばれた理由は?
すべての技術が詰め込まれている競技なので、これを極めればあらゆる技術が向上すると思い、何度も挑んでいます。最初は力及ばずでしたが、チャレンジし続けているうちにだんだん上達し、入賞できるようになりました。
どれくらい練習されたのですか?
家族もいるので限られた時間にはなりますが、毎日練習することを心がけました。1年間、毎日1〜2時間、サロンや自宅でひたすらウィッグと向き合いましたね。本番ではほぼ、トリエジューシー スプレー 4とトリエ スプレー 10のみで仕上げました。
この経験をどう活かしていきたいですか?
私が入賞できたことで福島県全体の技術向上の一助となればうれしいです。まだまだ勉強中の身ですので、さらなるスキルアップを目指していきたいです。
お母様から見て娘さんのがんばりはいかがでしたか?
白石田さんのお母様「一匹狼と言いますか、もういい加減にして! と思うくらい毎日毎日1人で練習していましたね。ある意味、趣味の領域なのではないでしょうか(笑)。本人は1点差が悔しいと言っていますが、私からしたらもう十分、がんばったと思っています。」
そこには、がんばりすぎてしまう娘さんをやさしく見守るお母様の深い愛情が。来年のリベンジにも期待です。
フリースタイルカット競技に参加 モデルは娘さん!という渡邊さん
渡邊利津子(わたなべ・りつこ)さん
福島県二本松市の「美容室R アール」オーナー。十数年前に別の競技に参加したことがあるものの、今回久しぶりの参加。数年前からフリースタイルカット競技に興味があり、今回初参加。美容師でもある娘さんをモデルに起用しての挑戦。
渡邊さんが参加したフリースタイルカット競技は、事前にカールパーマ(ストレートパーマは禁止)とカラーリングを施したモデルに対し、カット及びブローによりトレンドヘアスタイルを40分で制作します。トータルバランスを重要視し、クリエイティブ過ぎない範囲の中でオリジナリティを発揮する競技です。
デザインはどのように考えたのですか?
この競技は似合わせが大事。娘の目の色や髪の色、女性像などを踏まえてトータルで考えました。彼女のパーソナルカラーはウィンターなので、黒やブルー、シルバーを基調にしています。
どんな準備をしてきましたか?
全頭3cm以上カットしなければならないので、7月以降は一切、髪を切らないで! と娘に頼み、その間にデザインの方向性を固め、ウィッグで練習を重ねました。ウィンターらしいクール系のイメージにできたと思います。
久しぶりにコンテスト参加を決めた理由は?
地元である福島開催に当たり、福島県のために何かしたいなと思っていたんです。以前から、再び参加したい気持ちもあったので、3月頃には参加を決めました。
率直なご感想はいかがですか?
結果は残念でしたが、全国大会はとても楽しくて、改めていいなと思いました。このような大舞台に立てることは本当に幸せなことですね。
娘さんからお母様はどのように見えていましたか?
渡邊さんの娘さん「ウィッグでしか練習ができず、どうしてもぶっつけ本番になってしまうのですが、母は毎日本当にがんばっていたと思います。私も以前、参加したことがあるのですが、母の姿を見て刺激をもらいました。」
キャリアを重ねても向上心に終わりはありません。チャレンジすることに年齢は関係ないということを証明してくれました。
カットバトル競技に参加 アシスタント2年目の及川さん
及川穂香(おいかわ・ほのか)さん
岩手県北上市「サンゴ美容室」アシスタント(2年目)。組合員ではないもののオープン競技であるカットバトル競技に参加。勤務しているサロン以外にも出向いてカットを学んでいるという勉強家。
オープン競技であるカットバトル競技は、美容免許取得5年以内であれば美容組合の組合員及び従業員でなくても参加できます。競技では、サロンワークで提供できるグラデーションボブのダウンスタイルでカットの基本的なテクニックとデザイン性の高さを表現し、30分で制作。事前のカット及びカラーは禁止(ただしブリーチのみ可)で、指定されたモデルウィッグを使用します。
この大会に参加した理由は?
カットの勉強のために通っているサロンの先生がいるのですが、その先生にチャレンジしてみたらいいんじゃない? と勧められて参加を決めました。
手応えはいかがでしたか?
練習してきたことは全部、出し切れたと思いますが、ちょっと納得がいっていないところも正直あります。終わってから改めて作品を見てみると『もう少し時間があればできたかも』とか、『ここをもう少しきれいにできればよかったな』と思う部分がありました。
どれくらい練習されたのですか?
3〜4カ月は別のサロンへ勉強に行ったときに練習したり、サロンワーク後に練習したりしていました。
この経験をどう活かしていきたいですか?
みんな私よりももっともっと練習していると思いました。私ももっと練習して力をつけたいです。特に一番苦手なブローを強化して、来年、また参加できたらいいなと思います。
周りの人のがんばりを目の当たりにして、技術向上への意欲が湧いた及川さん。ブロー技術に磨きをかける1年になることでしょう。
タカラベルモントブースでは理美容機器や化粧品を展示
最新の理美容機器やヘアサロン専売品、技術者向け商品を展示したタカラベルモントブースには多くの来場者が足を止め、製品についての説明を聞いたり、商品を手に取ったりしていました。
次回の開催地・鹿児島県へとバトンタッチ
すべての競技を終え、次回開催地である鹿児島県美容組合(谷上司理事長)による鹿児島のPRが行われ「おじゃったもんせ 鹿児島」と書かれた横断幕を披露。鹿児島で新たな感動と未来をつくりたいと熱いメッセージを送りました。
続いて地元福島のフラダンスグループ、ハウオリ・マルヒアによるダンスアトラクションが行われ、緊張感のある会場の空気が一転和やかなムードに包まれました。
全日本美容業生活衛生同業組合連合会・町田仁一副理事長は閉会の挨拶で「2011年に福島で開催される予定でしたが中止を余儀なくされ、そのときの福島の皆さんの気持ちを軽々しく語ることはできません。当時のパンフレットを今も大事に持っていますが、まだ白紙だったページが埋まり、今日の開催を迎えたことは、復興に向けて少しずつ前に進んだんだなと思います。」と語りました。
大きな感動を生んだ今大会は幕を閉じましたが、すでに来年に向けての戦いは始まっています。次回開催への期待が高まる大会でした。
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