タカラベルモントのキャリア支援プロジェクトとは理美容師または理美容師を目指す方々が “自分らしいキャリアを築けること” “理美容業界で輝き続けられること” を目的に、 これまでの常識を疑い、環境改善から学習支援の開発まで幅広く業界発展のために活動する取り組みです。
今回は、産休・育休を経て現場復帰され、子育てをしながらスタイリストとして活躍するママ理美容師のみなさまにフォーカスしたインタビューシリーズ第二弾をお届けします。
お話を聞いた方
岡村 智代さん
utuwa スタイリスト
2児の母(9歳、6歳)
(2023年11月現在)
<産休・育休期間>
・第一子:生後1.5ヶ月で復帰(当時は、別サロンにて管理職として勤務)
・第二子:生後1.5ヶ月で復帰
サロン情報
utuwa
〒1660003 東京都杉並区高円寺南4-30-4 高円寺KYテラス101
JR高円寺駅南口 徒歩2分
サロン規模:セット面7席
スタッフ数:7人
インタビュアー
キャリア支援プロジェクト メンバー 一同
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【妊娠〜産休編】
職場に妊娠・出産をして復帰した先輩がいなかった
周りの方にはどのタイミングで報告しましたか?
妊娠がわかってすぐにオーナーに報告をして、その後1ヶ月くらいで安定期に入る前にスタッフのみんなにも報告しました。
早めに周囲に報告したのはどうしてですか?
職場に育休から復帰した先輩がいませんでした。これから自分の身体がどうなっていくのか想像できず、体調が急に悪くなるなど、今後自分に何かあった時に誰も知らない状況は逆に周りに迷惑をかけてしまうと思い、早めに周りのスタッフにも報告しました。
妊娠中、特に大変だったことはありますか?
つわりが全くなかったので通常通りの就業時間で働いていたのですが、いつの間にか身体に負担がかかっていたようで突然出血してしまい、急遽2週間休むことになりました。その後は時短勤務に切り替えて、体調管理に気をつけていました。
今までは早くても22:30退勤だったところを、時短勤務にしてからは18時退勤に変えました。朝は通常通り出勤していましたが、閉店時の掃除などは他スタッフにお願いしました。
個人として失客しても、会社としては失客0
お客様への報告や引き継ぎはどのように行いましたか?
切迫早産となり、急遽休業に入ることになりました。お客様への休業の連絡は、直接ではなく、メールなどで報告をしました。
当時働いていたお店は、系列店が何店舗もあったので、引き継ぎのスタイリスト候補は店舗を跨いでご紹介しました。例えばアニメが好きなお客様だったら「アニメ好きのスタイリストなので話が合うと思います」や、ショートが得意なスタイリストだったら「ショートが得意なスタイリストなので、安心して任せられます」など、一言添えて、お客様に丁寧に連絡しました。紹介したスタイリストにも内容を共有して、双方に引き継ぎを行いました。
時間が出来たことをポジティブに捉えて有効活用
休業中、どんなことが不安でしたか?
3ヶ月も仕事を休むのは初めてで、お客様が戻ってきてくれるのか心配でした。あとは、子供を育てながら仕事をすることがどんなものなのか、想像がつかなかったことも不安の一つです。1日の流れもわからないし、自分のペースの掴み方もわからない、計画も立てられないので復帰してみないとわからない、という先が読めない状態でした。
休業中に技術的なトレーニングはしていましたか?
ハサミは触りませんでしたが、業界誌やテクニック本は読んでいました。時間が出来たことをポジティブに捉えて、ジャンル問わず興味がある本を沢山読んだり、アニメを見たりと充実させていました。
【復帰編】
産後1.5カ月で復帰
復帰のタイミングの決め手は?
前の職場のオーナーが、「復帰するのであれば、うちの母(オーナーのお母さま)が子供の面倒を見るので、早めに復帰したらどう?」と提案してくれたことがきっかけです。私が仕事を好きなことをわかってくれていた上で、当時私が店長だったこともあり、店舗の売上や人材管理など、色々なことのバランスを考えて提案していただきました。長く休むことに対して不安もあったため、産後1.5ヶ月で復帰しました。
復帰後、失客はありましたか?
1回目の復帰時はほとんど失客せず9割のお客様に戻ってきていただきましたが、2回目は土日休みに変わったこともあり、かなり失客してしまいました。土日に来店されたい方の予約が取れなくなったことの他に、別のスタイリストを試してみたいという方もいらっしゃいました。
曜日や時間が合わなくなったお客様に関しては、utuwaに在籍している別のスタイリストに担当を移した例もあります。個人としては失客ですが、会社としては失客していない状態を作れています。
1日のスケジュールを教えてください
お客様との会話の変化はありましたか?
既存のお客様の年齢も自分の年齢と一緒に上がってきているので、お母さんとしてのトークも増えました。新規のお客様で「お子さんがいらっしゃるんですよね?」と声を掛けてくれる方もいます。ママのお客様が圧倒的に増え、会話もママ寄りになってくるので、例えば「受験があるので今はおとなしめにしたいけど、終わったらこのデザインにしたい」のような会話になることもあり、ママのライフスタイルに合わせたデザイン提案も増えました。
復帰後に困ったことはありますか?
技術も知識も、自分をアップデートさせるための時間を確保することが難しいと感じています。「今までできていたことで、できなくなったこと」といえばモデルハントです。私は撮影したい人を自分で探したいタイプなのですが、時間の確保が難しくなったので、子供を抱っこしながらハントに行ったこともあります。
またセミナーも当時はオンライン配信やアーカイブ(後日視聴)のシステムがなく、参加したいけどお迎えの時間との兼ね合いで諦めたことや、実際お迎えに間に合わなかったこともありました。子供同伴OKのセミナーや託児システムがあると助かる理美容師は多いかもしれません。
子供が急病の時はどう対応していましたか?
私と主人(utuwa代表)のお客さんの予約状況を見比べて、どちらが子供の看病をするか決めています。例えば午前中に私の予約が多く入っている時は、午前中は通常通り出勤をして午後の予約は調整、逆に主人は午前中の予約を調整して午後は通常通り出勤するような、2人で交代に休むようなイメージです。
サロンで誰もやっていないサービスを武器に売上拡大
売上の変化はありましたか?
最初の失客が少なかった分、一気に落ちたというよりは徐々に失客し、しばらくは現状維持の期間がありました。状況を放置していると売上が下がる一方なので、Instagramでの発信を含め、自分の売りを作る努力をして徐々にお客様を増やしています。私はサロンで誰もやっていないサービスを自分の売りにしたいと考えて、ストレートの技術を磨く講座に通いました。自分についているお客様は働く世代や子育てが一段落したような落ち着いた年齢の人が多いので、自分のお客様にも合うと感じています。
ただ、utuwaはデザインが売りのサロンで、最初からストレートやヘアケアを求めているお客様ばかりではないので、魅力の伝え方の工夫やクーポンの発行も含めて、売り方をどう作っていくかについては現在チャレンジ中です。
周りのママスタイリストにも話を聞いていると、自分のお客様が減ってしまっていても売上の上げ方がわからず悶々としている人が多いです。子供がいると転職を含めて新しい動きをしづらいこともあり、職場に満足していなくてもそのまま残る人も多いそうです。
全員接客でメンバーもお客さまもwin-win
サロンの取り組みや風土の中で、働きやすいポイントはありますか?
働きやすいと感じるのは、自分が休みでもお客様が来店してくれることです。utuwaはサロンとして「全員接客」を心がけています。お客様を退屈にさせないように、時間があれば接客をするということをスタッフ全員が実践できています。お互い助け合っている風土が普段からあるからこそ、お客様も安心してくれますし、スタッフ側も助かっています。
また、業務連絡でLINEを使用しているのですが、全員からのレスポンスが早いことも助かっています。サロンから離れている時間が長くてわからないことも多いので、LINEを通してすぐに問題を解決できる状況は助かります。
復帰後、サロンワーク以外の時間での勉強についてはいかがですか?
家事をしながらカットなどの技術動画を見ています。毎日というよりは、思い通りにできなかった時に選んで見るようにしていて、それだけでも次の日サロンワークする時に頭が整理された感覚があります。それでもわからない時は、ウィッグを用いた練習もします。
仕事と子育てのバランスはどうですか?
以前は仕事の成果が全てでしたが、子供と何かを一緒に頑張ることも成果として受け取ることができるので、サロンワークと子育てどちらからも成果を得られて楽しめていると思います。
【マインド編】
過去にとらわれ過ぎず、新しい魅力創出に注力
最後に、ママ理美容師のみなさんへメッセージをお願いします。
今まで来てくれていたお客様を追いすぎず、過去の自分に縛られすぎないでほしいと思います。「今まではできていたのにできなくなった」とか、「自分についていたお客様が別のスタイリストに移ってしまった」とか、環境の変化だけを原因と考えると悪循環に陥ってしまいます。お客様自身のライフスタイルも変わってきますし、担当が変わってもお店に来てくれているなら会える。違う形でも携われるからこそ気にし過ぎずに、今度は自分の新しい魅力を作って発信していくことに力を注いでほしいと思います。
サロンにいる時間が少なくなることをマイナスに感じることもあると思いますが、子育てもサロンもどちらの時間もあることを誇りに思うと働きやすくなりますし、その方が周りのメンバーも気持ちよく関わることができます。
【おわりに】
インタビューを行ってみての感想
初めての妊娠で自分の体調がどのように変化していくか分からないからこそ、早めに報告して積極的にコミュニケーションを取り、周囲のスタッフも自分もお互いに理解しあえる環境を作っていくことは大事であると感じました。
妊娠中も育児中においても、急に自分が休まなければならない状況があると思います。そのような場合においても自分の仕事の引継ぎをスムーズに行えるように、“もしも”のことを考えながら自分から積極的に状況を報告しておくことで急な対応の時の“困った”が少しでもなくなるのではないかと思いました。
仕事の復帰については、自分の心とからだの様子を見ながら自分が納得する復帰の仕方をみつけていくことになると思います。時には周りに相談しながら、そしてキャリア支援プロジェクトでも色々なママ理美容師の働き方を随時発信していきますので、是非自分にあった働き方を考えるきっかけにしていただけると幸いです。
ママ理美容師のためのキャリアヒントBOOK
【ママ理美容師のためのキャリアヒントBOOK】 は、理美容業界における産休・育休にフォーカスした復帰支援サポートブックです。出産を控える理美容師のみなさんが安心して産休・育休に入ることができるように、事前準備のサポートとして活用いただくことに加え、復帰後に理美容師として働いているイメージが膨らむよう、先輩ママのみなさんの声が掲載されています。
※キャリアヒントBOOKは「キャリア支援プロジェクト」ページよりダウンロードできます。
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