目次
【産休・育休編】
【復帰編】
【マインド編】
【おわりに】
お話を聞いた方
水口英里さん
MODE K's クリエイティブマネージャー
勤務店舗:SCENE by RAD
2児の母(8歳、2歳)
<産休・育休期間>
・第一子:出産1ヶ月半前から産休/生後5ヶ月で復帰
・第二子:出産20日前から産休/生後2ヶ月で復帰
※2024年7月現在
サロン情報
SCENE by RAD
〒530-0013 大阪府大阪市北区茶屋町2-25タケムラビル2F
サロン規模:51店舗(※MODE K's全体)
スタッフ数:15名
インタビュアー
キャリア支援プロジェクト メンバー 一同
この記事は
参考になる!
この記事を
あとで読む!
あなたの興味のある「#タグ」や「カテゴリ」「シリーズ」などを「気になる!」登録すると、関連するコンテンツがMy:TB-PLUSに自動で表示されるようになり、最新のコンテンツを見落とす心配や、コンテンツを探す必要がなくなりとっても便利です。
- カテゴリー
- #タグ
- シリーズ
【産休・育休編】
産休・育休期間の決め手は後輩
本日は妊娠・出産から現在までのご経験について、お話を聞かせてください。さっそくですが、第一子をご妊娠された時はどのタイミングでサロンへ報告されましたか?
当時所属していた会社は妊娠・出産を経て復帰した美容師の例が少なかったので、安定期までは内緒にしていましたね。自分が経験した今、部下には妊娠がわかった時点で報告して欲しいと伝えています。
何かきっかけとなった出来事があったのでしょうか?
第一子の時はつわりもなくずっと元気に勤務できていたのですが、第二子の時は結構つわりが酷くて。体調の変化は人それぞれだと思うので、周囲に言える環境なのであれば妊娠がわかった時点で報告した方が周りはサポートしやすいのかなと思い、そう伝えています。
そうなんですね。水口さんは第一子は半年間、第二子は3ヶ月と短期間で産休・育休から復帰されていますが、何か決め手はありましたか?
第一子を妊娠した当時は個人事業主だったので、働かないとその分給料もゼロなんですよ。
なので、長く休業する気持ちは最初からありませんでした。どのくらい休業すればいいのか周囲に相談してみると、「水口さんがそんなに早く復帰したら後に続く後輩たちも同じスピードで復帰しないといけなくなるから、半年は絶対休んでね!」と言われたんです。それで半年間休業したのですが、復帰後はお客さまが半分まで減ってしまいました。
半分も!
完全にお客さまが戻るまで1年くらいかかりましたね。
だから第二子の時は産休直前に施術したお客さまの次の来店タイミングに合わせて3ヶ月で復帰する計画を立てて、産休に入る前に復帰後の予約も取っていました。最初は週1からサロンワークを始めて、翌月は週2、その次は週3と徐々に復帰していきました。
第一子の経験があったからこそ、第二子の時はお客さまとのつながりを維持できるような休み方にされたんですね。
サロンワークを離れてやりたいことに挑戦できた育休期間
休業期間中、何かトライしていた事はありますか?
第一子の育休の時に車の免許を取得しました。子供との時間を含め、今までできなかったことに取り組めたことはプラスだったなと思います。
その間、業界の動向は気になりましたか?
【復帰編】
暗黙のルールを壊してみたらみんなの気持ちが楽になった
復帰してから大変だったことはありますか?
私は仕事をしている方が楽なので、むしろ休業中の方が不安な気持ちでした。子供は可愛いのですが、周りは進んでいるのに自分はずっと家の中で過ごしていることに疎外感を感じて辛かったです。
逆に第二子の時は早くから仕事に復帰できたので、それがストレス発散になっていましたね。もちろん子供が体調を崩して大変なこともあったのですが、そんな時は両親に頼ったり、どうしても難しい時は背中におぶってサロンワークすることもありました。私のお客さまは10年以上担当している方ばかりなのですが、そういう状況も受け入れてもらえた事はありがたかったなと思います。
長く第一線で活躍されているからこそのお客さまとの信頼関係ですね。第一子と第二子の間で、何か違いを感じたことはありますか?
会社の旅行に私が初めて子供を連れて参加したのですが、それが今は当たり前になっていることですね。これが本当によかったと思っていて。みんなが「こういうのもオッケーなんだ!」と思った時に、全員の気が少し楽になったというか。そういった雰囲気は第一子と第二子の間でかなり変わったなと思います。給与体制や勤務体制も選べる制度が増えてきて、充実してきているなと感じています。
続いて、1日のタイムスケジュールについて教えてください。
平日休みの時は保育園を休ませて、丸一日子供と過ごすようにしていました。上の子が小学校に入学してからは日曜日を休みにしないと子供との時間が作れなくなってしまったので、今は日曜日を休みにしています。
小学校に入学したタイミングで大きく変わったんですね。
小学校の壁ですね。第一子の時は「土日は休んだらダメでしょう」みたいな考えがあったので、日曜日も働いていたんですよ。夫も美容師をしているので、子供が4歳になる頃までは日曜日は私の両親に面倒を見てもらうことが多かったですね。やっぱり家族のサポートがあるかないかでは全然違うと思います。
お互いプレイヤーだと時間を合わせるのはかなり難しいですよね。
頑張りたいけど頑張りきれないママ理美容師の現状
子育ての悩みはどなたに相談していましたか?
1番の相談相手は自分の親でしたね。個人的には仕事より子育ての悩みの方が大きかったので、業種関係なく友人にも相談していました。
相談できる環境は大切ですよね。
ただ、仕事のことで悩んでいるママ美容師は多いと思います。先日ママ美容師がテーマのセミナーに登壇させていただいたのですが、頑張りたいけど頑張り切れないことに悩んでいる方がたくさんいらっしゃいました。
例えば育休後に納得したポジションで復帰ができなかったり、子供が熱を出して急遽予約をキャンセルしなければいけなかったり。色んな制限や変化で自分がパワーダウンしているんじゃないかという不安やストレスをみなさんが抱えているように感じました。もちろん、逆に重荷が降りて楽に働ける方もいらっしゃると思うのですが、自分の立ち位置を悔しいと感じている方はたくさんいると思います。
ずっと積み上げてきたものが止まってしまうような職場の環境、今はまだ多いですよね。
セミナーに来てくれた方の中にはまだ子供がいない方もいて、これから妊娠や出産を考えている方が既に不安を感じていることも実感しましたね。だからこそ応援のスタンスだけでなく、みんなで話を共有してモチベーションを上げたり安心できる機会があったら良いなと思います。
【マインド編】
「とりあえずやってみよう」の精神で日々試行錯誤
理美容師として活躍されている中で、ママ理美容師だからこそ感じたプラス面やマイナス面を教えてください。
これはママだからというわけではないのですが、自分が年齢を重ねていく中で共感できることが増えていくのは強みだなと思います。結婚や出産を経て自分の経験値も増え、寄り添えるお客さまの悩みの幅が広がりました。
マイナス面は強いていうなら時間の制限でしょうか。ただこれは誰かを真似すれば解決するという訳でもないので、「とりあえずやってみよう。ダメだったらまた変えてみよう」という精神で日々工夫しています。
私生活の経験がスタイリストとしての強みのひとつになっていくことは、妊娠・出産に限らず大切にしたい部分ですね。
私の場合、20代は結構がむしゃらに走ってきて、お店のトップをしながら自分の売り上げも作って、コンテストにも参加して、セミナーもさせてもらって、自分がやりたいことにチャレンジできていた期間でした。
30歳まで仕事をやり切ることができて、31歳になった時に自分的に納得できたタイミングで子供を授かりました。仕事も子育ても100%できちんとやり遂げようと決めていたので、今は家族の時間がただただ楽しくて、仕事も心から楽しいと思える。「満足できる仕事の量」でやっていくと決めていたからこそ、子供ができて窮屈に感じたこともないですし、悩みはあまりなかったですね。
自分の理想を大切にする
最後にこれから結婚や出産を考えている理美容師の方に対してアドバイスがあれば教えてください。
自分がやりたいと思うことに正直に進んでみて欲しいです。子供とじっくり向き合いたいのであれば、遠慮なく1年でも休業してほしいし、早く仕事と両立したいのであれば3ヶ月で復帰するのもいいと思います。こうしなきゃいけないではなく、自分の理想を形にできるように動いてみて欲しいですね。
また、理美容師は手に職の仕事だからこそいつでも戻ってこられる力があると思うので、何にでもチャレンジして欲しいです。あと、もしパートナーがいるのであれば家事も子育ても半分で当たり前ってことを最初に話しておくのも大事だと思います。どちらかが辛いのではなく、きちんと分担をしてください。あとは周りの人にもどんどん頼ってくださいね。
【おわりに】
インタビュー後記
「仕事も子育ても100%できちんとやり遂げようと決めていたので、今は家族の時間がただただ楽しくて、仕事も心から楽しいと思える。」とまっすぐに迷いのない言葉でお話されている水口さんの姿はとても輝いていました。
水口さんは仕事に関して、自分の「やりたい」という気持ちをとても大切にされています。仕事の量を含め、自分の理想を考え大切にすることは育児と仕事の両方を充実させるために必要なステップなのだと感じました。
育児についても、パートナーや家族、周囲と一緒に育児をしている姿が印象的でした。キャリア支援プロジェクトメンバーにも働くママがいますが「ママ(自分)が育児をやらなきゃ」という思い込みが、ママ自身を辛くさせているのではないかと改めて考えるきっかけにもなりました。
一人でも多くのママ理美容師さまから「仕事も子育ても100%楽しい」という言葉が聞けるよう、育児と仕事のヒントになるお話をこれからも紹介していきたいと思います。
ママ理美容師のためのキャリアヒントBOOK
【ママ理美容師のためのキャリアヒントBOOK】 は、理美容業界における産休・育休にフォーカスした復帰支援サポートブックです。出産を控える理美容師のみなさんが安心して産休・育休に入ることができるように、事前準備のサポートとして活用いただくことに加え、復帰後に理美容師として働いているイメージが膨らむよう、先輩ママのみなさんの声が掲載されています。
※キャリアヒントBOOKは「キャリア支援プロジェクト」ページよりダウンロードできます。
TB-PLUSは、タカラベルモント株式会社が運営している<サロンとあなたの“明日”に役立つ情報サイト>。
クリエイティビティを刺激するトレンド情報からサロン経営のヒントまで、成長と意欲につながるトピックやノウハウをお届けし、あなたのサロン人生を応援していきます。
\友だち追加 お願いします♪/
LINE公式アカウント タカラベルモント for salonで、最新情報を発信中!
この記事は参考に
なりましたか?
この記事は
参考になる!
この記事を
あとで読む!
あなたの興味のある「#タグ」や「カテゴリ」「シリーズ」などを「気になる!」登録すると、関連するコンテンツがMy:TB-PLUSに自動で表示されるようになり、最新のコンテンツを見落とす心配や、コンテンツを探す必要がなくなりとっても便利です。
- カテゴリー
- #タグ
- シリーズ