関根一芳さん(Le Clic)

ライター 前田正明 | カメラ 更科智子 | 配信日 2012.8.2

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アクシデントによる骨折がきっかけで真剣に美容を志す

高校時代に将来のことを考えていた時、大学に進学して遊ぶくらいなら頑張って早く就職した方がいいと思い、どの道に進もうかと考えた結果、美容学校に入学しました。正直、これと言って大きな決め手はなかったのですが、感覚的に美容学校を選んでいました。それが、この世界に入ったきっかけです。しかし、入学してからもなかなか本気モードにならず、インターン時代もそんな調子で漠然と過ごしてしまいました。インターンを終了して国家試験を受けていた時に、アクシデントで足を骨折して改めて考え直したんです。これは、真剣に美容を志す覚悟があるのかという何かの問い掛けではと。その後、友人が逗子の葉山海岸で経営していた海の家で夏の3ヶ月を過ごし、ようやくそれから真剣に美容師になろうと決意しました。それが21才の頃です。その後、私はSHIMA美容室に23才で入社しました。入社した当時はMINXの高橋マサトモさんやDaBの八木岡聡さんがいました。そんな先輩たちに刺激されて頑張った結果、1年で売上げがトップになりました。多い時で、1ヶ月の紹介者が60名くらいありました。自分では特に努力した記憶はないのですが、親しみやすいという理由で多くのお客さまにご指名していただきました。

Le Clic

わずか1年で売上げトップの座をつかんだSHIMA時代

新人の頃は高橋さんと切磋琢磨して、2人で売上げの記録を作っていました。彼は当時からクールな感じで人気があり、逆に私は親近感があるという理由でお客さまからいろんなご相談を受けました。ヴィダルサスーンのカットを学び、ストイックなくらい細部にこだわった時期もありましたね。しかし、必ずしも技術だけが売れる全ての要素だとは思っていません。むしろ、お客さまとの間合いや何をご要望しているのかを感じ取る感覚が大切だと思います。有難いことに、私は新人の頃から勘が冴えていたようで、それがご指名につながったのだと考えています。このようにして売上げを伸ばした結果、私は約1年後には店長を任されるまでになりました。当時の美容界はカット&ブローの時代に入った頃で、それまでの世代の方たちが学んでいたフィンガーウェーブやピンカールなどを省き、私たちはカットに専念できました。そういう意味で、いい時代に美容師になったなと感じました。その頃は、女性誌のJJが創刊された頃で、サーファーカットが全盛でした。

関根一芳さん(Le Clic)

無駄を省いてクオリティの高いヘアデザインを創作する

それまでの美容界では、技術は見て学ぶという慣習が当たり前でした。しかしSHIMAでは、見るだけではなく、きちんと指導があり、更にそこから何かを感じ取ることに重きを置いたスタッフ教育だったと記憶しています。例えば、目的の長さや形にきちんと切るだけでなく、そこにデザイン的な雰囲気をプラスして差をつける。それが重要なんです。そんな教育システムが、私たちの時代から確立されました。SHIMAでカット本を出した時に、私も撮影スタッフとして参加させていただき、その際にもデザインの大切さを学びました。当時の嶋先生のエピソードで印象に残っているのは、カットレッスンでの出来事。当時カットレッスンのチェックは50分だったのですが、嶋先生の一言で突然30分に変更されたんです。あまりの短さにみんなビックリしていましたが、理由は「こんな時間をかけていては時代の流れに合わないよ」と。先生は言葉にしませんでしたが、無駄を省いてクオリティの高いデザインを創作することで初めて売れるのだと私は感じました。それ以降はパネルの取り方を工夫したり、7インチのシザーを使用するなど進化がありました。同時に、SHIMAが提案するスタイルも徐々にソフトになっていきましたね。

Le Clic

同じスタイルで経営してもSHIMAを抜くことはできない

私はSHIMAで約10年お世話になりました。その間、店長からディレクターになり、全国各地での講習活動も任されました。サロンワークは金・土・日の3日間。それ以外は講習活動で、木曜日は全店を回ってお店の管理もしていました。嶋先生はお父さんのような存在で、いまだに多くのことを学んでいます。当時は1つの課題をクリアするとすぐに新しいテーマを与えられて本当に厳しく育てられました。今の美容界には、SHIMA出身者で成功を収めている人が大勢います。それは、どこよりも厳しい教育を受けたからだと私は思っています。ただし、SHIMA出身だからといって、独立して同じことをしていてはだめでしょうね。なぜなら、同じスタイルでサロンを経営しても、SHIMAを追い抜くことはできないからです。SHIMAに限ったことではありません。自分の育ったサロンで学んだことをベースにして、そこにオリジナリティを発揮しないと勝負できないと思います。それが、経営者としての感じる部分であり、それを表現している人が人気を博しているのではないでしょうか。

関根一芳さん(Le Clic)

数年で目標を達成するも次の理想像に手が届かない

当時のSHIMAは大変な人気で、求人をすると毎年数百名の応募者が殺到しました。そんな若い技術者が大勢育ってきた時、私は自分の役目が終わって新たなステージを作る時期が来たのではないかと感じ始めていました。それが、独立を決めたきっかけです。その後SHIMAを退職して、最初のサロンを墨田区の押上にオープンしました。当初の目標は地域ナンバー1サロンになり、支店を増やすこと。有難いことにその目標は早めにクリアすることができ、6年で3店舗目をオープンしました。ところが、本店を拡張移転した頃、自分の中で達成感が生まれたのと同時にしばらく悩む日々が続きました。次の新しい理想像を追い求めるんですが、なかなか手が届かないんです。その時に気づいたのが、実はスタッフのことでした。私がイメージしたように育たない、あるいは後継者として任せるには時間がかかる・・・。その後、いろんな書物を読んだり友人からアドバイスをいただいて考えた結果、問題は私自身にあるんだという結論に達したんです。

Le Clic

新たな夢をスタッフに示さなかった自分に責任がある

実は、最初の目標を達成して新たな夢を抱いていた時、それをスタッフに示さなかった自分に責任があることに気づいたんです。その時から、私自身が変わろうと決めました。今までのスタイルを一変して、スタッフとコミュニケーションを図りながら熱い思いを全て話すことにしました。それまでの私は、「黙って俺を見ていろ」という振る舞いでした。これはプレーイングマネージャーが陥りがちな壁だと思うんですが、経営者は気取らずに本気でスタッフの育成に熱意を注ぐべきだと思います。今の美容界には素晴らしい人材がいますから、そこに早く気づいてほしいですね。それ以降、私はもっと全体を見渡せるように視野を広げました。さらに、スタッフ教育ではマニュアルを毎年変えています。例えば、オールパーパスなどの使わない技術をやめて時代に沿ったレッスンをしています。過去にとらわれず教える側が柔軟に変わらなければ、スタッフも成長しないと思います。今人気を呼んでいるサロンは、そこに気づいた経営者だと思いますね。

関根一芳さん(Le Clic)

レベルに応じて何を考えて仕事をするべきかを教える

Le Clicをオープンして今年で25周年を迎えます。その間、技術以外にスタッフ教育で10数年前から実践していることがあります。それは、接客に関する指導です。ほとんどの美容室では技術のトレーニングばかりのはず。今ではカウンセリングを導入しているサロンも多く、もっとお客さまとの対話や交渉力を高める教育が必要だと感じたんです。多分、接客時にお客さまから何を聞き出すかを教えているサロンは少ないでしょう。また、スタッフ個々のレベルに応じて何を考えて仕事をするべきかを教えています。私たちの仕事は、まずお互いにコミュニケーションを図ることからスタートします。例えば、シャンプーをしたお客さまの名前を全て言えるかとスタッフに問えば、100%は答えられません。さらに、髪質やそれに応じてどんな施術をしたのか、それに対して確認はしたのか。シャンプーだけでもたくさんの確認事項があり、それがコミュニケーションにつながるんです。それを実践できるように、答えを教えるのではなく、考えることを身につけさせています。

Le Clic

来店客から信頼を得るために新人を育てる3つの提言

私は新人スタッフに3つのことを言っています。まず1つは、美容師として一生頑張るだけの覚悟を決めること。それを決めないから心が揺れて美容師を辞める訳で、覚悟を決めて頑張れば後にいい人生だったと思えるかもしれません。2つ目は、考えることを実践すること。アシスタントとして作業を指示された場合、その技術を行う理由を考えて仕上がりをイメージすることが大切です。そのように考えながら仕事をした人とそうでない人とを比べると、1年後に雲泥の差が生まれます。デビューをしても売れない人はそこに原因があり、サロンではそれを実践できる環境を作るべきでしょう。最後に3つ目は、責任を持ってお客さまの毎日をきれいにすること。サロンできれいになるのは当たり前で、重要なのは次回に来店されるまで美しさを保てるかどうかです。そのために、どのヘアケア剤をどのようなタイミングで使っていただくかをアドバイスすることが大切です。それがサロンの力であり、お客さまから信頼を得るポイントだと思います。

関根一芳さんとスタッフの方々(Le Clic)

「やっぱりあなたが一番いい」という言葉に幸せを感じて

東京スカイツリーの開場と同時に移転オープンしたLe Clic AVEDA SKYTREEは、観光客にも対応できる複合型サロンとして展開しています。東京ソラマチは観光客用の店舗ばかりでなく、デイリーなお店も出店しているので地元の方が頻繁に来場されています。当然、私たちも今までのお得意さまをお迎えし、さらに1度きりのお客さまに対してもまた来店したくなる、周りにオススメしたくなるサービスを提供しています。Le Clicは各店舗ごとにサロンコンセプトを変えていますが、基本的な技術やお客さまに対する熱意だけは変わりません。最後に、この業界で頑張っている若い人たちに対して、美容師はお客さまに感謝される数少ない職業だということを認識してほしいですね。「やっぱりあなたが一番いい」という言葉に幸せを感じますから。どんな仕事も厳しいですが、他では味わえない喜びを感じながら頑張ってください。

スカイツリー
関根一芳さん(Le Clic)

関根一芳(セキネカズヨシ)

Le Clic代表。東京都出身。東京マックス美容学校卒業。SHIMA美容室に入社後、店長を経てディレクターに就任。サロンワークを中心に全国各地で講習活動を行う。約10年間勤務した後に独立し1987年にLe Clicを押上にオープン。現在は、Le Clic GINZA、Le Clic AVEDA、FRANCK PROVOST GINZA、ALPHA Clic、ESPACE by Le Clicを展開し、2012年には東京ソラマチにLe Clic AVEDA SKYTREEをオープン。女性専用のサロンなど、各店舗ごとで来店客や立地環境に適合したサロンコンセプトを掲げながら高品質の美を提供。2005年には第27代全国美容週間実行委員長を務めるなど、業界内でさまざまな活動をしている。

シリーズ:この人から学ぶ、成功の秘訣「TBMG」

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