デザインカラーアプローチ Vol.3　確実なスキルと提案力でデザインカラーのニーズに応える

町のお客さまを開拓し、さらなる支持を受けるカギを巧みなデザインカラー提案で見出した、全国各地の美容師に突撃取材！彼らの成功談をヒントに、売れっ子スタイリストへの道を駆け上がろう。（全5回の連載企画）

大事なお客さまの髪を「ノリ」でデザインしない

井上晃輔さんが所属する『AFLOAT D'L』があるのは、美容室の激戦区、東京・南青山。ライバルが多いこのエリアで存在感を放つのは簡単ではないが、井上さんは、希望や悩みに寄り添い、施術プランを組み立てる「お客さまファースト」の多角的なアプローチで着実に顧客を増やしている。そんな井上さんが、近年習得に励んできたのが、「デザインカラー」だという。

「コロナ禍でリモートワークが増えたためか、顧客からデザインカラーをリクエストされる機会が増加しました。しかし、ブリーチは難易度が高い技術。〝なんとなく〟で施術できるものではありません。また、1人ひとりの理想をかなえるには、デザインの引き出しを増やしておく必要があると考え、ウイッグでの練習とサロンワークでの実践を繰り返しながら、スキルアップを図ってきました。最初は顧客の声に応えるための手段のひとつでしたが、今では提案に欠かせないメニューとなっています」

確実に広がりつつあるデザインカラーの波。井上さんのように今テクニックやデザイン力を身に付けておけば、集客・顧客化の大きなアドバンテージになるはずだ。

アプローチ_1

来る日のために技術やデザインの研究を怠らない

アプローチ_2

「なりたい」をかなえる選択肢として提示する

アプローチ_3

不要なブリーチを避け効果的＆効率的に施術

HAIR DESIGN

ブラウンの中に交じるオレンジにときめく！隠せるインナーハイライト

内側に入れたハイライトは、サイドの髪を耳にかけたり、カールアイロンで巻いたりするとデザインが見え、ストレートダウンにすると隠すことができる。耳上と三ツ襟をブリーチした後、デザインカラー初心者からも人気が高いオレンジをのせ、女性らしさの中に程よくエッジをきかせた。

やや細い髪質で、硬さと毛量は普通。アルカリカラーの履歴があるミドルダメージ毛で、施術前は10レベルのベージュ系。カットベースは、鎖骨下のワンレングスで、オーバーに前上がりのレイヤーが入っている。

耳上の生え際に沿って厚さ1センチのパネルを取り、さらに三ツ襟付近をブロッキングする。もみあげと耳後ろ手前は正面から見えやすい部分なので、はずしておく。

Process_1で分け取った耳上部分の根元1センチをはずした位置から毛先まで、ブリーチ【A】（参考レシピ）「エドル ブリーチ」を塗布。その後、境目をぼかす。根元を少しあけることで、ブリーチ部分がベースと分離した印象に見えるのを防ぐ。

Process_2と同様に、三ツ襟付近も根元1センチをはずして毛先までブリーチ【A】（参考レシピ）「エドル ブリーチ」を塗布し、境目をぼかす。20分放置後、水洗。

☆正面から見えやすいもみあげと耳後ろ～三ツ襟手前はブリーチしない

ブリーチ部分を16～17レベルまでリフトアップ。

ブリーチ部にオレンジの塩基性カラー剤【B】（参考レシピ）を塗布する。

ブリーチ部以外にブラウンのアルカリカラー剤【C】（参考レシピ）を塗布する。20分放置後、水洗。

【A】ブリーチ／「エドル ブリーチ」＋「エドル オキシ」6％（2倍）

Process_2

Process_3

【B】インナーカラー／「エドル ヨヨ」Orange

Process_4

【C】ベース／使用色「エドル」B-7, B-9 ＋「エドル オキシ」(2％：6％＝2：1)

Process_5

オレンジのインナーカラーを主張したいときは、高い位置で結ぶのが◎。シンプルなポニーテールでもおしゃれ度がぐっと高まるので、お客さまがセルフアレンジを楽しみやすくなる。