タカラベルモントのキャリア支援プロジェクトとは理美容師または理美容師を目指す方々が “自分らしいキャリアを築けること” “理美容業界で輝き続けられること” を目的に、 これまでの常識を疑い、環境改善から学習支援の開発まで幅広く業界発展のために活動する取り組みです。
今回ご登場いただくのは、MASHU Grand vase店 副店長の高岡真実さん。産休・育休を経て現場復帰され、子育てをしながらスタイリストとして活躍するママ理美容師のみなさまにフォーカスしたインタビューシリーズ第7弾をお届けします。
目次
【サロンへの報告編】
【産休・育休編】
【復帰編】
【サロンづくり編】
【おわりに】
お話を聞いた方
高岡真実さん
MASHU Grand vase店 副店長
2児の母(3歳、6歳)
<産休・育休期間>
産前2週間前から産休/生後3ヶ月から復帰 (第一子・第二子ともに同じ)
※2024年10月時点
サロン情報
MASHU Grand vase店
〒577-0841
大阪府東大阪市足代3-1-14
サロン規模
店舗スタッフ数:9名
MASHU全体店舗数:9店舗
インタビュアー
キャリア支援プロジェクト メンバー 一同
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【サロンへの報告編】
ライフプランに応じて“誰でも選べる”時短勤務制度を活用
妊娠がわかった時、サロンへ報告したタイミングはいつですか?
私はかなりつわりがひどかったので、同じ店舗のスタッフには早めに報告し、会社には安定期に入ってから報告しました。
産休に入るまでの勤務体制について教えてください。
1人目の時は産休に入るまで妊娠前と同じ働き方をしていました。夜遅くまで働いていたので、今思えばあの時はきつかったなと思います。途中から時短勤務に切り替えて休める環境を整え、後輩のレッスンも別のスタッフにお願いしました。
時短勤務はママ理美容師向けの制度でしょうか?
MASHUには常勤であれば誰でも使える時短勤務があるので、私はこの制度を活用していました。年齢が上がれば上がるほど長く働くことがつらくなったり 、自分の時間を確保したい方もいるので 、妊娠や結婚が理由でなくても時短勤務を選べるんです。
あくまでも働き方の1つということですね。その他妊娠中に大変だったことはありますか?
自分だけの都合で産休に入るタイミングを決められないことですね 。あらかじめタイミングを決めていましたが、ウェディングなど特別な依頼を受けていたら結局予定日の2週間前まで働いていました。体も大切ですが長く担当しているお客さまに寄り添いたい気持ちも大きく、この線引きの難しさは接客業ならではだと思います。私は帝王切開だったので日程がわかっていましたが、できるなら早めに産休に入った方がいいと思っています。
【産休・育休編】
会社独自のスタイリストお試しチケット制度で引き継ぎ
時短勤務以外で活用していた制度はありますか?
MASHUには少し手頃な値段で3名までスタイリストを試せる引き継ぎ用のお試しチケットシステムがあるので、こちらを活用していました。私が引き継ぎスタッフを指名してもお客さまにフィットしないこともあるじゃないですか。そういう時に系列店も含めて様々なスタイリストをお客さま自身が選んで試すことができるシステムです。
とても画期的な制度ですね!
この制度はどのような経緯で整備されたのですか?
元々は退社するスタッフの引き継ぎ用の制度だったのですが、産休時もお客さまにご迷惑をおかけすることには変わりないので同じ制度が使われ始めました。また、お試しチケットシステムのご紹介だけでなく、産休に入るまでの期間にお客さまとスタッフが仲良くなれるようなコミュニケーションの機会は意識して作っていました。その上で「チケットを使って2〜3人試してみてください。」とお声掛けしていましたね。やっぱりお客さまにはサロンに残ってもらいたいですし、後輩に売上を伸ばしてほしい気持ちも強かったです。
引き継ぎについて不安だったことはありますか?
不安はあまりなかったですね。引き継ぎ後の施術の感想を個人的にInstagramのDMでいただくこともありましたが、それもサロンにはリアルに伝えてスタッフのアドバイスに繋げていました。引き継ぎには合う・合わないは絶対ありますし、合わないことは悪ではなく、自分からすればチャンスだと思っていました。そのお客さまのためにも絶対早く戻ってあげたいという気持ちになりましたね。私は産休・育休中の失客を0にすると決めていたのですが、2回とも0人で復帰できました。
2回とも!休業中に引き継いだお客さまは、今も引き継ぎスタッフが担当されていますか?
そうですね、特にカラーに関してはほとんど引き継いでいます。私は妊娠後に力を入れて勉強した分野がカットとストレートとトリートメントだったので、カラーに強い自信があるかと言われるとあまりないんですよ。引き継いだスタッフはその期間にカラーをめちゃくちゃ勉強していたので、ブリーチなどは若いスタッフに任せています。私がカットを担当して、カラーを別のスタッフが担当するお客さまも多いですね。
休業中に取り組んでいたことはありますか?
MASHUには講座を受講し免許を取得したスタッフだけが施術できる特殊なトリートメントがあるのですが、その勉強をしていました。
サロンワーク中とはまた違う時間の使い方ができていたんですね。
休業期間は第一子・第二子 共に3ヶ月とお伺いしておりますが、期間の決め手はありましたか?
子供と1年間過ごすと離れにくくなると思いましたし、長い間ハサミを触らない状態も嫌だったので 、預けられる場所を早くから探して復帰しました。復帰当初は週2勤務でしたね。
【復帰編】
アシスタントを使わない一貫接客体制で給与比率UP
出産1年後から週5日勤務とお伺いしましたが、土日の出勤についてはどのようにされていますか?
土曜日は保育園に預けて、日曜日はサロンの託児所に預けています。
お子さまが熱を出された時はどのように対応されていますか?
私は休みます。スタッフのみんなもサポートしてくれますし、お客さまも産休中にお試しチケットで様々なスタッフを試していたこともあり、急遽サロンワークに出られなくなってしまった時も「じゃあ◯◯さんにお願いしようかな。」と言ってもらえることも多く、改めてこの制度があってよかったなと思います。
休業中だけでなく、復帰後にも良い影響が出ているのですね!
働き方には何か変化はありましたか?
2人目を出産した時に完全に働き方を変えたんです。復帰のタイミングでアシスタントを使うか使わないか選べる制度が出来たのですが、私はアシスタントを使わない方針にしました。用意も含めて全て1人で担当するので 、給与比率が他の人たちより上がるんですよ。お客さまに費やせる時間が増えますし、私がアシスタントを使わないことで若手のスタッフが活躍できる別の場面も増えてスキルアップに繋がるので、すごく良い仕組みだと思っています。
アシスタントなしの働き方を選ぶ方は多いのでしょうか?
いないです。(笑)
ママ美容師はまだ私しかいないので、今後みんなが選択しやすくなればいいなと思い、挑戦しています。
※2023年11月取材当時(2024年10月現在:アシスタントなしスタッフ3名実績あり)
周囲からの理解は数字で得る
様々な働き方を実践されていると思いますが、周りのスタッフから理解してもらうために何かされていることはありますか?
言葉で伝えることは難しいので、数字で示すことを意識しています。今、MASHUでは生産性が重要視されているので、短い時間でどれだけ売上を作れるかを意識して色々実験しながらサロンワークをしています。
売上目標は出産前後でどのくらい変化しましたか?
昔は300万円くらいでしたが最近は月平均80万円くらいですね。少ないと感じるかもしれませんが、1時間あたりの生産性を考えるとかなり高い数字だと思います。
アシスタントを使わず限られた勤務時間ということを踏まえると、むしろ人時生産性は上がっていらっしゃるんですね。
【サロンづくり編】
現場から新しい働き方を切り開く
今後、会社の環境へ望むことがあれば教えてください。
強いて言えば営業に強いスタッフが幹部として活躍できる環境になったらいいなと思います。私の場合、売上は作れていますが、子供が生まれて家庭に守るべきものがある状態で自分の時間を会社のために使うことは難しいと思い、今は幹部から離れています。
一度幹部や役職から離れた方が復帰されるパターンはあるのでしょうか?
まだないですね。私も戻りたいかと言われるとすぐには答えられないです。どちらかといえば現場主体で子供を持つスタッフが働きやすい環境を作りたいので、あえて幹部を選ばなくてもいいのかなと思っています。今もアシスタントなしの働き方に挑戦したり、サロンにお客さまが利用できるキッズルームや授乳スペースの設備を整えたりなど、現場ベースでもできることがあると気付いたのであまり役職にはこだわっていません。
最後にママ理美容師に向けてメッセージがあればお願いします。
せっかく厳しい環境の中で働いて美容技術も学んだのに、子供が生まれたことで集客ができなくなったり、やりがいを見失ってしまって美容師を辞めるのは凄くもったいないと思っています。子供がいても働きやすい美容室はあるので、諦めずに頑張ってほしいと思います。
【おわりに】
インタビュー後記
これまでもたくさんのママ理美容師さんへヒアリングを重ねてきましたが、ほとんどの方がスタッフへの引継ぎや失客についてのご経験をお話されます。産休・育休を経て復帰し、SNSなどからメッセージを送っても、全員が再来することはないそうです。MASHUさま独自の取り組みの1つである「スタイリストお試しチケット制度」の活用によって高岡さんの失客が0人だったということに、とても驚きました。
オーナーや幹部の皆さまはもちろん、ママ理美容師の皆さま、そしてこれからママになる理美容師の皆さまにとって、本記事でご紹介した事例が引き継ぎ方法の検討やお客さまが来店しやすい環境づくりのきっかけになれば幸いです。
ママ理美容師のためのキャリアヒントBOOK
【ママ理美容師のためのキャリアヒントBOOK】 は、理美容業界における産休・育休にフォーカスした復帰支援サポートブックです。出産を控える理美容師のみなさんが安心して産休・育休に入ることができるように、事前準備のサポートとして活用いただくことに加え、復帰後に理美容師として働いているイメージが膨らむよう、先輩ママのみなさんの声が掲載されています。
※キャリアヒントBOOKは「キャリア支援プロジェクト」ページよりダウンロードできます。
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