「彩りのある人生を!Well-being-Life」
人生を彩り豊かに。
それはきっと、サロンワークにもプラスのエネルギーになるはず。
そんな想いが詰まったこのシリーズ。
第2回目も第1回目に引き続き、株式会社タニタさんにご協力いただきました。
毎日のサロンワークには、健康維持が何よりも大切。
タカラベルモントが美容師さま・理容師さまを対象に独自に行った「運動に関するアンケート」。
その結果から見えてきた、皆さまが抱く「運動不足への不安」を少しでも解消できるよう、
今回はタニタのトレーナーで、からだづくりの専門家・戸澤さんからアドバイスをいただきます。
今回アドバイスをいただくタニタのトレーナー戸澤さんのプロフィール
戸澤恵里(とざわ・えり)
株式会社タニタ ライフソリューション営業部 マネージャー
2002年 お茶ノ水女子大学文教育学部卒業。タニタグループ入社、2020年より「日本活性化メンバー」に移行し、タニタで活動中。2015年NSCA-CPT、2021年NASM-PES取得、2020年より東京医科歯科大学オープンイノベーション機構URA。
※2023年10月時点
アンケートから見える美容師さま・理容師さまの運動事情とは?
サロンワークは基本立ち仕事。鏡の前でお客さまに笑顔を向けつつ、確かなカット技術を披露するには、日ごろの健康と体力維持が欠かせませんよね。アンケート結果から、約65%の方が日常的に運動していらっしゃることがわかりました。運動の目的として最も多いのが健康維持、次に体力維持、体型維持と続き、理美容師の皆さまがその重要性を理解されていることが読み取れます。
日常的に運動をされていない方の理由は「時間がないから」「続かないから」とのこと。
そこで今回は、時間がない方でも続けやすい運動をご紹介したいと思います。日ごろ運動習慣がある方もない方もぜひトライしていただき、美容師さま・理容師さまの日ごろの健康づくりが、お客さまの笑顔にもつながっていく取り組みになれば嬉しいです。
美容師さま・理容師さまにオススメ!「時短×省スペース」でできるエクササイズ
そんな皆さまにおすすめするのが、時短・省スペースでできるエクササイズです!
忙しい美容師さま・理容師さまにとって、運動のためにあえて場所を移動したり、特別な時間を確保したりすることは、なかなか容易ではないと思います。
そこで、短時間、かつ、省スペースでできる運動プログラムとすることで、サロンでもできる、仕事の合間でもできるものにしました。今回ご紹介する3種類の運動は、いずれも簡単な動作ですが、美容師さま・理容師さまのお悩みに対応して構成していますので、一通り行っていただくと、サロンワークで生じやすい姿勢の偏りをリセットして、疲労感を軽減できると思います。
お仕事前、休憩中、終了後など、スキマ時間を上手に活用して実施してみてくださいね。
お悩み別! 時短エクササイズ紹介
①脚のむくみにお悩みの方
サロンワークは基本的にずっと立ちっぱなしになります。
夕方付近になると、いつも脚が重くなってしまう…という方におすすめ!
脚のむくみに効果的なエクササイズをお教えいたします。
こんな方におすすめ
・夕方になると脚が重い
・夕方脚に特に疲労感が出て、ついその場で足踏みをしてしまう
・手足、顔が腫れぼったい感じがする
・靴下のゴムの跡が残るようになった
むくみとは?
皮膚の下にある皮下組織に余分な水分がたまる状態をいいます。 症状としては、手足や顔が腫れぼったくなることが一般的です。朝起きて鏡を見ると顔が腫れぼったい、夕方になると下肢がむくんで靴が窮屈になる、急に体重が増えたなどの症状が現れます。
よくある原因
(1)血行不良(長時間同じ姿勢、過労・ストレス、睡眠不足など)
(2)塩分の摂り過ぎ
(3)水分不足
(4)運動不足
むくみ解消エクササイズ
エクササイズPOINT!
つま先立ちをするタイミングで息を吐くようにしましょう!
息を吐くことで自然と姿勢がよくなり、全身を効果的に使うことができますよ。
また、つま先立ちをするときは、特に、足の親指に力を入れましょう。小指側でつま先立ちをしようとすると、ふくらはぎにうまく力が入らなくなってしまいます。
朝礼などの、お客さまがまだいらっしゃっていない時間であれば、ぜひサロンの鏡を見ながら動作を行ってみてください。自然と目線を正面に保つことができて、ふくらはぎに上手に効かせることができますよ。
②肩こりにお悩みの方
毎日多くのお客さまのカットを繰り返しているうちに、無意識に前のめりの姿勢になってしまい、ひどい肩こりに…。肩こりを放置していると頭痛などを引き起こす要因にもなるため、セルフメンテナンスによる解消は必須です。
こんな方におすすめ
・作業中、気づくと猫背になっている。
・長い時間、同じ姿勢で仕事をすることが多い。
・カットしている(ハサミを使う)時間が長い。
肩こりとは?
日中、私たちヒトはずっと直立姿勢をとるため、4~6kg程度(体重の約10%)の重い頭を、その下にある首と肩が常に支えています。首から肩にかけての筋肉は、頭を支え続けるために緊張し、血行が悪くなりがちです。そこへ、さらに姿勢の悪さや運動不足、冷え、ストレス、過労、寝不足などの要因が加わって、肩こり痛が発生します。
肩甲骨のメカニズム
背中側の上部にある一対の三角形状をした骨で、その一部が鎖骨を介して体幹(胴体)とゆるやかにつながっていますが、固定されておらず、肩甲骨全体が筋肉に覆われていて、肋骨の上を滑るように自由に動かすことができます。
肩こりの解消法
(1)偏った姿勢を戻す:猫背など姿勢が悪いと一部の筋肉に過度に負担がかかった状態になります。まずは姿勢を正しましょう。
(2)肩甲骨周りの筋肉を使う:カットやシャンプーなど、指先を使う機会が多いと、指先ばかりに意識が集中し、背中にある肩甲骨回りの筋肉を使う機会が相対的に減ってしまいます。意識的に背中を動かすようにしてみましょう。その際、まずは(1)で姿勢を戻すことが先決ですので、注意してくださいね。
肩こり解消エクササイズ
エクササイズPOINT!
変形ラットプルをタオルを持って行うときは、両端を持ったら、タオルをピンと張って(タオルがたるまないようにして)動作を行いましょう。息を吐きながらタオルを引くようにしましょう。
リバースフライは、肩甲骨を寄せるタイミングで息を吐きましょう。腰の反りを予防することができます。また、手首が曲がらないように、手の甲から肘にかけて一直線になるようにして動作を行うと、背中に効かせやすいですよ。
③腰痛にお悩みの方
サロンワークの中には、実は中腰のような腰に負担のかかる動きが満載なのですが、お気づきですか?
中腰姿勢を取り続けたり、呼吸が浅くなってしまったりすると、その積み重ねが着実に腰に負担をかけてしまいます。負担をかけすぎないように、日頃から意識的にケアしていきたいですね。
こんな方におすすめ
・日頃、カットやシャンプーなど中腰の姿勢で作業をすることが多い。
・椅子に座る時は足を組むことが多い。
・姿勢が悪いとよく言われる。
・立ちっぱなしであることが多い。
腰痛とは?
腰からくる痛みや張りなどの不快に感じる症状の総称です。腰そのものに問題がある場合だけでなく、職業、生活習慣、ストレスなどの要因が複雑に絡んでいることが多くあります。現代の生活では、呼吸が浅くなりがちで、運動不足、加齢とともに筋力が低下することが重なって姿勢が崩れ、腰痛を引き起こすことも少なくありません。
腰の気持ちを理解しよう!
皆さまの身体の中で、腰はズバリ「忍耐の人」。立位では、二本の脚の足裏アーチ構造によって効率よく支えていたはずの体重を、座位姿勢を取った途端、上半身の体重は腰がすべて担うことになります(ずっと座っていると腰が痛くなってくるのは当然なのです!)。
さらに、前かがみになってしまうと、お米の袋なみの重い頭が、より大きな負担となって腰にのしかかっています。腰椎に過度な負担を与えないよう、深い呼吸で、姿勢を正して体幹の筋肉を総動員するようにし、腰の負担を軽減してあげましょう。
予防法
(1)深い呼吸:しっかり呼吸すると体幹部の筋肉が効果的に動き、腰を支えてくれます。
(2)姿勢キープスクワット:目線を前方に保ったままスクワット姿勢をとることで、一部の腰椎に過度な負担がかかることを予防しやすくなります。
腰痛予防エクササイズ
エクササイズPOINT!
しゃがむタイミングで息を吐くようにしましょう。鏡を見ながら動作を行うと、目線を自然と前方に保つことができて、猫背になりにくくなります。お尻を後ろに引くようなイメージでしゃがむと、お尻と太ももに効かせやすくなります。
タオルを使う場合には、タオルの両端を持ち、ピンと張った状態にして(タオルがたるまないようにして)動作を行いましょう。
3つのお悩みをまとめて改善!「ビューティアップ体操」
エクササイズPOINT!
すべての動作は、鏡を見ながら行っていただくとより効果的です。
呼吸を止めないことも大切です。サロンワーク中はお客さまのことに集中するため、どうしても呼吸が浅くなりがちです。運動の時間は、意識して深い呼吸をしていただき、またご自身の身体を慈しむつもりで、じっくり大きく身体を動かしてくださいね。
最後に戸澤さんからアドバイス:「サロンならではの健康スパイラルを」
いかがでしたか?
どれも簡単な運動ですが、サロンワークによる姿勢や動作の偏りをリセットするように構成していますので、短時間でもリフレッシュできたり、疲労感が軽減したりするように感じられると思います。
また、必ずしもここでご紹介した回数をこなさなければならないというものではありません。お客さまをお見送りした後に2~3回カーフレイズを行う、次のお客さまをお迎えするまでのちょっとの間でリバースフライの動作を行って肩を動かす、シャンプー中に深く長く息を吐いて腰への負担を軽減するなど、ご紹介した運動のエッセンスを日常動作に取り入れて、健康維持、そしてお仕事のパフォーマンスアップに役立てていただけたらと思います。
サロンならではの健康スパイラルを
アンケートを見ると、運動習慣のある方も含めて、現状はまだ運動不足であり、もっと改善したいと感じておられる方が多いようですね。
美容師・理容師の皆さまは、美と健康が直結することを知っておられるからこそ、健康に対する意識の高い方が多いのだと思います。
また、大きな鏡というのは実は正しいフォームで運動をするのにとても効果的なツールで、今回ご紹介した運動は、サロンという環境を生かして、忙しい合間でも取り組んでいただきやすいものにしました。
サロンは、美に対する意識の高い方が集まり、かつ、運動しやすい大きな鏡もある場所です。そんな素晴らしい環境を十二分に生かして、皆さまで手軽な運動を楽しみ、よりよいサロンワークにつなげていただけたら嬉しいです。
PLUS 1のご提案!トータルで健康をめざしましょう!
健康づくりに重要なのが、運動に加えて食事と睡眠です。食事については、まずは水分摂取をしっかりと!
一度にたくさん摂るのではなく、お仕事の合間にもこまめに飲んでください。そして、むくみに直結する塩分の摂り過ぎには気を付けていただき、不足しやすいカリウムを補う食材(手軽に摂れるのはバナナやキュウリ、フルーツなど。基本的に生鮮食品に多く、加工や精製を行うほど含有量は減ります)を摂るよう心がけてください。完全栄養食といわれる卵は手軽に摂れるたんぱく質の一つですね!
自律神経のバランスで、日中しっかり運動していただくと、夜はぐっすり眠ることができます。今回ご紹介した運動を、朝に取り入れていただくと、その日一日のお仕事をよりアクティブに過ごしていただけると思いますし、あるいは仕事終わりに行ってから帰宅すれば、帰宅時のウォーキングがよりよい姿勢で行えると思います。日中しっかり身体を動かして、質のいい睡眠をとるように心がけてみてくださいね。
美容師さま・理容師さま対象
「運動に関するアンケート」実施結果
■ 集計期間:2023/6/22~2023/6/29 の8日間
■ 回答者数:89
カメラマン:松浦 幸之助
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