早坂精徳さん(Livre Hair-Make)

早坂精徳さん(Livre Hair-Make)| この人から学ぶ成功の秘訣 TBMG

ライター 前田正明 | カメラ 更科智子 | 配信日 2008.2.7

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1年で修業中のサロンを退社して家業を継ぐ

祖父の代から理容室を経営していますが、実は高校卒業まで理容師になりたいとは思っていませんでした。できれば、子供の頃から好きだった天文関係の仕事をしたいと考えていましたが、当然父から家業を継いでほしいと言われまして…。そこで、卒業後に家を継ぐことを条件に、国立大学に絞って受験にチャレンジ。結果は失敗でしたが、そこで決心がつき理容学校に入学しました。でも、真剣にこの世界で頑張ろうと思ったのは、卒業して数年後でしたね。就職したのは宮城県塩竃市で理美容業を営むエンドーグループで、理容室を3店舗と美容室を4店舗の他にブライダルも展開しているサロンでした。実は、私の父もかつて修業したサロンで、1年間だけお世話になりました。退職した頃は体調を壊していて、精神的にもまいっていた時期でした。できれば他店に修業に出たかったんですが、先生から父に『外に出さない方がいい』と言われ、家業を手伝うことになったんです。

早坂精徳さん

理容全国大会を目指してレッスンを受けた日々

当時、1年しかサロン経験していない私は、当然シャンプーやシェービングしかできない状態でした。その頃の師匠は父。でも、親子関係でもあったので、父の言うことに反発して独学で勉強しました(笑)。自分で雑誌やビデオを買って、カット技術や最新の流行を自分なりに研究しました。その頃、もっとも刺激を受けたのが、実はヘアコンテストだったんです。業界誌に紹介されていた理容の全国大会の記事を見て、自分もチャレンジしたいという意欲がわいてきました。 それに、コンテストに向けて勉強すれば、サロンワークでの技術も同時に覚えられるだろうと思ったんです。うちのサロンが加盟している研究団体「HSA」のメンバーで、父とも知り合いだった仙台市多賀城の丹野先生にコンテストの基本から教えていただくことになり、週に3回位、仕事の後に仙台まで通って、レッスンに真剣に取り組みました。

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初出場での快挙にライバルでもある師匠が応援

でも、レッスンを受けていた当初、まわりの人が作ったスタイルと私の作品が明らかに違うんですよ。私はコンテストを目指して間もない時期でしたから、レベルの違いに愕然として大きな衝撃を受けました。そこで、どうしたらこんな作品が作れるのか、一から教わりました。もともと負けず嫌いな性格でしたから、毎日ハードなトレーニングを積みました。初めて出場した1999年の地区大会ではすごく緊張して、最初の3分間は手が動かなかったことを覚えています。ところが、その大会の第3部門で2位になれたんです。この年は仙台で全国大会が開催される年でした。実は、丹野先生も全国大会を目指して、私と同じく選手として出場していたんです。初めての大会で先生よりいい成績を残せたんですが、先生は自分のことのように喜んでくれました。それ以来、私の専属トレーナーになっていただき、いろいろと面倒を見ていただきました。そして、地元開催で臨んだ全国大会でも、なんと3位に入賞できたんです。

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全国大会初出場3位の翌年は20位以下の惨敗

私の目標は、全国大会に出場することでした。全国大会で入賞するなんて、最初から無理だと考えていましたから。だから、地区大会を勝ち抜いたことで夢が叶い、全国大会ではある意味、リラックスできたのかもしれません。その結果が3位だったので、自分自身が一番驚いたし、優勝したように泣きましたね。必死で努力した成果と、まわりで支えていただいた先生方の指導や仲間のお陰だと感謝しています。第3部門は、ニューラインをベースにしてモデルとの似合わせやファッションを含めたトータルで審査されるので、それが評価されたことに嬉しさを感じました。そして翌年は、自分の中にも欲が出てきて、さらに上を目指して頑張りました。 地区大会を勝ち抜いて、2年連続で全国大会に出場したのですが、結果は見事に惨敗。欲が出たのと自信過剰気味になっていたのが敗因だと思いました。競技中も、自分ばかり見られているような錯覚に陥りましたからね(笑)。また、ここで成績を残さないと昨年の3位が無意味になってしまうと、自分で自分にプレッシャーを与えていたような気もします。

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本気で優勝したいという意気込みで臨んだ大会

競技を終えてまわりの選手の作品を見た時に、今回はダメだと認識しました。自分でも、手応えはなかったですから。 全国大会で入賞することの難しさと厳しさを、その時に改めて思い知らされました。そして、「全国大会で優勝したい」と強く思うようになりました。ところが、スランプを感じて3回目は充電期間として休み、以降は6位、15位、5位と浮き沈みの激しい時期を過ごしました。そして、自分の中ではもう限界かなと思い、最後のチャンスと決めていた2005年の岡山大会で、優勝することができたんです。本当に嬉しくて、私をサポートしてくれたすべての方に感謝しました。この時は、本気で優勝したいという意気込みで臨んだ大会でした。それまでは、2位でもいいかなと、精神的に逃げ場を作っていたような気がします。

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逃げ場を作らず気持ちで攻めた結果が念願の優勝

実は3位になった後、いろんな講習会で講師として呼ばれるようになっていたんです。私はまだキャリア2~3年の新米理容師でしたから、人に教えた経験もなく作品を解説することすらできませんでした。頭の中が真っ白になるくらい、今でも何を言ったのか覚えていません。それくらい、人前に立って喋ることが得意じゃなかったんです。だから、もし優勝すると次は全国の講習会に呼ばれるんだろうなとか、それだったら2位でもいいと密かに逃げていたんですね。 そんな自分なのに、まわりの人は熱心に応援してくれる訳ですよ。すごく申し訳ない気持ちになって、その人たちの気持ちに応えるためにも、あとのことにはこだわらずに全力を出し切ろうと吹っ切れたのを覚えています。だから、競技終了後には、満足感を得ました。過去の大会では、ミスしたことを反省ばかりしていましたが、この時はやりきったと思いました。その結果が優勝でしたから、本当に満足しました。それと同時に、ようやく理容師としての自分の設定したスタートラインにつけたんだと思い、以降はサロンワークに専念し、後進の育成に努力しようと思ったんです。

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コンテストを通じて、努力と人間関係の大切さを学んだ

そもそも、全国大会にこだわってコンテストに出場しようと考えたのは、自分のスキルを上げるためでした。コンテストに向けてのトレーニングや勉強が、理容師としての基礎を作ってくれると思い、同時に人間的にも幅が広がるように思えたからです。コンテストを通じていろんな人と出会い、さらにモデルさんとコミュニケーションを取りながら、接客業として人間関係の大切さを学んだ気がします。だから、全国大会での優勝がエンディングではなく、私にとってのスタートだったんです。これによって、わずか1年で退職した遠藤先生のところにも顔向けができるようになりましたからね(笑)。 漠然と理容師をするのではなく、しっかりとした目標や目的意識あるいは夢を持つことが大切だと思います。それは、コンテストに限らず、すべてにおいて言えることではないでしょうか。でも、私の場合は本当に環境に恵まれていましたから、決して自分一人の力で勝てたとは思っていません。それに、いくら努力をしても結果がともなわないこともあるでしょうが、私は努力したそのプロセスが大切だと、コンテストを通じて学んだ気がします。

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業界の中だけでなく一般の人にも認められたい

優勝した後は先生方の後押しもあって、いろんな講師をさせていただきながら、サロンワークに専念しています。家業に関しては、私は三代目ということですでに敷かれたレールがあったので楽な部分はありましたが、三代目だからこそのプレッシャーや悩みもありました。仙台という大きな街に憧れたこともありましたね。でも、今ではこの場所だからこそできるサロンを作りたいと思っています。この場所で注目されるサロンを作りたいんです。 全国大会に優勝しても、それは理容業界の中だけの話ですよね。 それだけじゃなく、もっと一般の方々に認知されるようになりたいと考えています。今では、地元の商工会の青年部に入って他業種の方とのつながりを密にした活動をしていますし、地方ならではの良さを発揮した展開をこれからも進めていきたいと考えています。それが地域に密着した、地元の貢献に役立てばいいですね。実は、岡山大会では青年部の方たちがはるばる応援に駆けつけてくれて、優勝が決まると祝勝会の準備までしてくれたんです。そんな仲間意識がすごくありがたかったですね。

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父の顧客を大切にしながら女性客にも気配りを

サロンの展開としては、やはり地元に密着したファミリー的なサロンを目指しています。そのために、お年寄りから子供さんまで男女を問わず気軽に来店していただけるように、フロアを理容エリア、美容エリア、個室の3つに分けて、エステやヘッドスパのメニューなども取り揃えています。そんなサロン形態としてリニューアルしたのが2004年の11月でした。最初にこの意見を父に相談した時、父はすんなり賛成してくれました。本当は反対されて、もっと意見を交わしたかったんです。その方がより良いサロンづくりが実現できるような気がして。 でも、今まで来てくれている父のお客様を大切にしながら、新しく女性のお客様にも来ていただけるよう、頑張っています。私としては、息子に変わってあのサロンには行きにくくなったと思われたくないですからね。遠方から来てくださる年配男性の方で、『まわりの人からおしゃれになったと褒められた』と言われた時は嬉しかったですよ。これからも、大勢の人にくつろいでいただける安らぎの空間を提供していきたいです。

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早坂精徳(ハヤサカセイトク)

宮城県出身。Livre Hair-make専務取締役。仙台中央理容美容専門学校卒業後、塩竃市の(有)エンドーグループに入社。その後、実家の理容室リブレに入社。リブレでは三代目としてサロンワークに従事する。2004年11月にリニューアルオープンし、メンズ&レディスの他にエステやヘッドスパを導入してトータルサロンとして展開。ランドマーク的存在を目指し、ゆとりのある落ち着いたカフェ風サロンを実現。また、6年間コンテストに出場し、初出場の1999年には理容全国大会で3位、2005年には理容全国大会で優勝。現在、サロンワークを中心に宮城県理容組合やHSA協会、ルベルコスメティックスの講師等を務める。

※2008年2月7日現在

シリーズ:この人から学ぶ、成功の秘訣「TBMG」

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