2024年2月に発売された、カラー剤などの汚れに強い理美容機器向けレザー「RESISTECH」。サロンオーナーさまやスタイリストさまのストレスだったカラー剤の付着が落ちるとのことなので、タカラベルモントの池田とRESISTECH開発担当の矢田さんとで、実証実験※を行いました!
※カラー剤を水で5倍程度希釈し、約10分程度放置した後拭き取りを実施
ナビゲーター:池田
新製品のリリースや既存製品の販売促進に携わっています。RESISTECHのプロモーションも担っているので、自信を持ってサロンさまにお勧めできるよう、レザーの性能をしっかりとこの目で確かめたいと思います!
今回ご参加いただいた方のご紹介♪
タカラベルモント:矢田さん
タカラベルモントの開発本部に籍を置き、RESISTECHの開発に携わってきた矢田さん。今回の実験にご協力いただいただけでなく、RESISTECH開発の苦労話なども語っていただきました!
※2024年2月現在
RESISTECHとは?
カラー剤による汚れやお客さまの履いているデニムの色移りなどが発生しても、汚れに強いレザーのため通常のレザーよりキレイを長く保つことができます。仮に色が付着してしまっても、布やタオルに水で薄めた中性洗剤をつけて拭き取るだけで、レザーに付いた汚れを除去。「サロンのイメージに合わせて白色のチェアを使いたい。でも、汚れが気になる…」。そんなサロンさまの声にお応えするRESISTECHは、サロンづくりの幅を広げるレザーでもあります。
また、汚れを落とせるだけでなく、長くお使いいただけるよう従来製品同等の確かな耐久性を実現。シャンプーブースでの使用も想定しているので、撥水性も高める工夫を施しています。
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カラー剤の汚れ落とし実験、いざ開始!
大阪工場の中庭に防水シートを広げて、RESISTECH仕様のチェアを設置。カラー剤を用意して準備完了です。突き抜けるような青空の下に、ポツンと佇む真っ白なチェア。なんともシュールな光景です。
では、折角なので思いっきりカラー剤※をぶちまけたいと思います!
※使用カラー剤:LebeL ルキアス(酸性カラー)
見てください、この汚れよう。私はRESISTECHの性能を信じています。信じてはいますが、あまりの汚れっぷりに、本当にキレイにできるかちょっと心配になってきました…。
矢田さんも矢田さんで「派手にやっちゃいましたね」と。
「何してるの?(笑)」「あれってカラー剤?」「うわっ、すごっ」とタカラベルモントの社員たちが、興味津々の面持ちで集まってきました。
さぁ、実験の本番はここからです。汚れを落とすのに必要なのはタオルとドラックストアで売っている食器洗剤(中性洗剤)を水で薄めたものだけ。液体をタオルに染み込ませて、汚れを拭き取っていきます。
するとどうでしょう。嘘のように汚れがみるみる落ちていきます。分かってはいましたが、これほどスムーズに汚れが落ちていくのはさすがに驚きです。
実はレザーだけでなく縫製している糸も防汚撥水機能を備えているので、座面などと同じように丁寧に拭き取れば汚れが落ちていくんです。レザーがキレイでも糸が汚れていたら気になりますもんね。細かいところまで気を遣える矢田さん、さすがです!
あれだけ汚れていたチェアがものの数分で、何事もなかったかのようにキレイな姿に戻りました!見事、大成功です!
実験は、お片付けまでが実験です。
防水シートに飛び散ったカラー剤は、スタッフ全員でキレイに拭き取りました!
RESISTECHとNLレザーの汚れ落ち比較
RESISTECHの防汚機能を実証できたところで、標準的なレザーであるNLレザーとの比較検証も行いました。それぞれのレザーに青、黄、赤のカラー剤を塗布して、すぐに薄めた中性洗剤を吹きかけて拭き取ります。
塗布から拭き取りまではものの数分でしたが、結果はこちら。
矢田さんが持つRESISTECH(左)には全く汚れがありません。太陽の光で見えにくいですが、私が持つNLレザー(右)にはしっかりと汚れが残ってしまっています。特に青の汚れが残っているのが分かりますね。
今回、実験してみて確信しました。RESISTECHの性能は“本物”と言ってもいいのではないでしょうか!?
RESISTECH誕生のきっかけは、アメリカ人のクレーム!?
無事、実験で防汚機能を証明したRESISTECHですが、ここまで来るにはさまざまな苦難があったと矢田さんは言います。着想から製品化まで約3年を要したRESISTECHの開発秘話を聞いてみました!
矢田さん「私は現在、当社の開発本部に在籍しているのですが、以前は北米BU技術・開発センターに所属し、アメリカ ニュージャージーのTB-USAで働いていました。そこで開発はもちろんですが、品質保証も担当していてサロンさまのクレームを直接聞く機会が多かったんですね。たとえば『買ったばかりのチェアに、カラー剤が付いて取れない!』など。日本だとカラー剤が取れないのは当たり前だと皆さん認識されていますが、アメリカでは汚れのクレームが多かったんですよ。でも、裏を返せばそれは汚れを落としたいというニーズなんじゃないかと感じて、帰国してから上司に防汚レザーを開発してみたいと相談しに行きました」
アメリカ駐在時の経験をもとに開発に取り掛かろうと考えていた矢田さんでしたが、そう上手くことは運ばなかったようです。
矢田さん「当時の上司に『多くの人がチャレンジしてきたけど、成功例はゼロ。絶対に無理だ』と言われてしまいました。また、周りの方に話をしても白いチェアのニーズをなかなか理解してもらえなかったんです。ダークトーンのチェアに比べて、白いチェアの製造数は圧倒的に少なかったので。仕方ないけど諦めるしかないか…とも思っていたのですが、背中を押してくれたのは現場を知る営業の声でした。『白いチェアは売れていないけど、それは人気が無いからではなく汚れが気になるから。白いチェアを望まれているオーナーさまはいるんですよ!もし、汚れを落とせるレザーが実現すれば絶対に売れる!』と言ってもらえたんです。その言葉には勇気をもらいましたね。それから開発に着手して、2年ほど試行錯誤を繰り返してなんとか試作品までたどり着きました」
タカラベルモントが主催するイベント「TWBC2022」にRESISTECHの試作品を出展したことで、追い風が吹いたと矢田さんは続けます。
矢田さん「TWBCでは展示だけでなくカラー剤を落とす実演なども行ったのですが、予想以上にサロンさまのリアクションが良かったんです。『これ、いつ発売されるの?』『ぜひ、購入したいよ!』というお言葉をたくさんいただけて。営業やオーナーさまの声に支えられて今日までこれた感じですね」
注目ポイント① RESISTECHだからこその安心感を
RESISTECHはオーナーさまやスタッフさま、サロンワークにさまざまな安心感をもたらすレザーです。
たとえば「白いレザーだからこそ、汚れの付着にすぐ気付ける安心感」があり「付着したカラー剤を簡単に拭き取れる安心感」があります。さらに汚れに気付ける、汚れを落とせるからこそ「お客さまの洋服を汚すことなく、サロンワークに集中して取り組める安心感」が生まれます。いわば、RESISTECHはこれまでの汚れとの闘いや、汚れのストレスからオーナーさまやスタッフさまを解放するレザーなのです。
注目ポイント② サロン空間づくりの可能性を拡張
白を基調にした明るい空間をつくりたいけど、汚れを気にしてダークトーンのチェアを選択されるサロンさまは多いのではないでしょうか。
RESISTECHの最大の特徴は付着したカラー剤などの汚れが落ちやすいことですが、汚れに強いからこそ安心して白のチェアを導入でき、思い通りのサロン空間をつくることができます。
矢田さん「以前、サロンの設計や建築を手掛けるタカラスペースデザインのデザイナーに『RESISTECHはサロン空間にイノベーションを起こすレザーだね』と言われたんです。ありがたかったですし、素直に嬉しかったですね。さらに『今までは水回りに白いチェアを導入したくても、できない理由があった。汚れだよね。それがRESISTECHによって解決できるなら、空間づくりの常識は変わっていくんじゃないかな』と。その言葉を聞いた時、改めてRESISTECHの価値と再認識しました」
注目ポイント③ 確かな耐久性。さらに撥水性もUP
汚れに強いからといって、すぐにヘタり何度も張り替えを要するようでは製品として不完全だと私たちは考えます。
その点、RESISTECHはお客さまの着座時の負荷を想定した、繰り返し荷重を10万回かける厳しい耐久試験をクリア。長くお使いいただける耐久性を確保しています。
また、シャンプーブースなどでの使用も想定しているため、撥水性も考慮。縫製部に使用している糸は防汚機能だけでなく撥水機能も備えているので、従来製品より縫製部からの浸水が軽減されます。その結果、ウレタン層の劣化を抑えることができ、クッションの弾力性の維持が期待できます。
RESISTECHの今後の展望や目標は?
タカラベルモント 矢田さん
「複数のモニターサロンさまにご協力いただき、今のところRESISTECHの防汚性能にはご満足いただけています。ただ、私たちとしてはまだ『絶対に汚れが落ちる』とは言い切れません。汚れを長時間放置すると落ちない可能性がありますし、汚れの種類によっては落ちない場合もあります。長く使うと防汚機能が低下してしまう可能性もあります。ですから、今後の目標としては『どんな汚れも落とせます!24時間放置しても100%落とせます!』と胸を張って言い切れるよう、防汚機能をもっともっと高めていきたいですね」
ナビゲーター 池田
「今現在、RESISTECH仕様のSpecial EditionチェアはHARP(ハープ)、RABBIT CAPTAINⅡ(ラビットキャプテン)、Carre(キャレ)の3機種に限られています。RESISTECHは標準レザーより硬いため、複雑な構造のチェアでは縫製や張り上げが難しいのです。ですが、今後はレザーの柔軟性を向上させて、全機種に適用していきたいです。また、これからの私のミッションとしてRESISTECHの認知向上があります。その手段の1つとして考えているのが専用タグの縫い付けです。本来、当社のチェア製品には黒色のタグを付けているのですが、RESISTECH仕様のチェアには緑色のタグを付けて『緑タグは汚れに強い証』という認知を上げていこうと思います」
RESISTECH仕様のスタイリングチェアには専用タグが付きます。
(一部の特注製品を除く)
RESISTECHがこれから理美容業界にどんな変化を起こしていくか。
担当者として、その未来を見届けたいと思います!
以上、カラー剤などの汚れに強いRESISTECHの実証実験レポートでした!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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