第3回 脱毛メニュー成功のポイントは?
前回は、脱毛メニューを導入して1年半で約200万円を売り上げたヘアサロンに「始めてよかったこと」をインタビュー。その続きとなる今回は「なんで成功できたのか」について深掘り! 「どうしてこんなに売上を上げることができたの?」「苦労したのはどんなところ?」「失敗はなかった?」など、話を聞いていくうちに見えてきた「5つの成功のカギ」をお届けするよ!
連載:今さら聞けない脱毛のあれこれ(全3回)
第3回 脱毛メニュー成功のポイントは? ★今回はコチラ
インタビュアー:TABEちゃん
話を聞いたお2人

オーナー:小黒高志さん
2005年に「グランジ」をオープン。古い車や海釣り、サーフィン、ファッションなど多彩な趣味の持ち主。自然が好きで環境問題に関心があり、お店で使う薬剤などは人体にも環境にも優しいものを選んでいる。

店長:大串彩さん
脱毛の導入当初から現在に至るまで、施術の勉強・研究に小黒さんとともに取り組んでいる。最近はカメラにもハマり、お客さまの記念すべき一枚を美しく撮るべく、ライティングや撮影角度などを研究中とか。
GLUNGE(ヘアー グランジ プラス)/神奈川県都筑区
「ゲストに少しの非日常を」がコンセプト。アンティークの家具に暖かみのある照明、自分たちのお気に入りの写真や絵画、音楽などを配した、ヘアサロンの枠を超えた店内で、日常の喧騒から無になれる時間を体感できる。ブリーチワークなどの高い技術力と、スタッフの人間性に惹かれるお客さまは多く、9割以上がリピート客とか。お客さまの男女比は6:4とやや男性が多め。ヘアからまつ毛パーマ、着付け、ヘアセット、脱毛まで、トータルでお客さまのビューティーをサポートしている。
サロンHPはこちら

INDEX
>成功ポイント1:自分に興味がないからと排除せず、若いスタッフやお客さまのニーズに共感した
>成功ポイント2:医療脱毛との違いや施術を徹底的に調査!ヘアサロン脱毛ならではの「強み」を見つけた
>成功ポイント3:脱毛施術の奥深さを知り、お客様がキレイになるメニューとして、心からおすすめできるようになった
>成功ポイント4:メニューを単発から回数制にしたことでお客さまに定着した
>成功ポイント5:お客さまとの長年の信頼関係が、脱毛の技術力向上につながった
>まとめ
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成功のカギ1:自分に興味がないからと排除せず若いスタッフやお客さまのニーズに共感した

前回のお話で、もともと脱毛に興味がなかったとのことですが、それでも導入を決めたのはどうして?
それまで自分に興味がなかったぶん、スタッフやお客さまに話を聞いてみて「そんなに脱毛を身だしなみの一つとして、当然だと思っている男性が多いんだ!」と驚いたんです。
いまや「脱毛=当たり前」と思っている人も多いよね。
思い込みや先入観はNG!ニーズに素直に耳を傾けて
そう考えると、「わざわざエステやクリニックに行くのも大変だな」と思えてきて。いつものヘアサロンに行くついでに気軽に脱毛できたらそれはお客さまにとっても、若いスタッフにとっても最高ですよね。お客さまも初対面の相手より、信頼関係のある美容師に施術してもらえるほうが安心できますし。
実際、いろいろ調べたり検証したりしていくと、自分の思い込みや先入観だけで判断してしまっていたことも多かったんです。素直にニーズに耳を傾けるのって大切ですね。
自分が興味がないとつい「それはいいや…」となってしまいがちだよね。なのに小黒さんは若いスタッフやお客さまの声に耳を傾けて、そのニーズを理解し共感できたんだ!
成功のカギ2:医療脱毛との違いや施術を徹底的に調査!
ヘアサロン脱毛ならではの「強み」を見つけた

導入するにあたって、脱毛機だけじゃなくて、他にもたくさん準備しないといけないような気がするんだけど、どんなことをしたのかな?
まず、スタッフにエステやクリニックから冊子などを集めてもらったり、500円キャンペーンの脱毛体験をしてもらったりして、知識や価格の情報を収集しました。いわゆる知識武装ですね!
「光脱毛より医療脱毛のほうが毛が減るのでは?」というイメージもあったので、光脱毛とレーザーの医療脱毛の違いについて調べたり、わからないことが出てきたらネットで脱毛関連の論文を探して読んだりもしましたね。
さらに、脱毛メニューの導入にあたっては、インストラクターに聞くだけでなく、実際に自分自身やスタッフの体で、「太い毛モード」「細い毛モード」などモードを左右で変えて、どちらのモードだとどう変化があるのか時間をかけて確認しました。
実際に自分たちの体で試して確認したんだね。かなり徹底的に取り組んだんだ!
お客さまのために本気になれるのがヘアサロンの強み
うちのお店は既存のお客さま(長く通い続けて下さるお客さま)がほとんどなので、脱毛が終わっても通い続けていただくことが前提なんです。「変化がなかった」では済まされない。それまで築いてきた信頼関係に傷がついてしまいます。
「お客さまにキレイになってもらいたい」「お客さまにやってよかったと思ってほしい」という気持ちがあるからこそ、毛が減りにくい体質や肌質という場合以外は、「確実に結果が出せる!」という強い気持ちが持てるようになるまで、情報収集や勉強、検証を繰り返しました。
スタッフ一人ひとりのお客さまへの気持ちや脱毛への本気度が、ヘアサロン脱毛の大きな強みなんだ!脱毛のためだけに通うエステやクリニックとは、そこが大きな違いだね。
検証を重ねていくと、一人ひとりに合わせた丁寧な施術をしていけば、光脱毛でもしっかり結果が出せることが見えてきました。
ヒゲ脱毛のついでにもみあげの形を整えてあげたり、腕のついでにサービスで胸の脱毛もなってあげたりする気遣いも、エステやクリニックではできない部分です。
成功のカギ3:脱毛施術の奥深さを知り、お客様がキレイになるメニューとして、心からおすすめできるようになった

お客さまのためとはいえ、興味がなかった脱毛をそこまで追究できたのは、どうしてなの?
脱毛メニューを始める前は、「ヘアは技術力やデザイン力が仕上がりを左右するクリエイティブな仕事。でも、脱毛は機械でマニュアル通りにやるものでクリエイティブじゃない」と思っていたんです。
でも、いざ始めてみたら、それが思い込みだとわかって。
えええ?どういうこと?
実は脱毛の施術ってクリエイティブ!
肌の湾曲している部分などは毛穴の角度が異なるので、照射面(プレート)の当て方や光の出力を工夫する余地がありますし、光脱毛でも適切な出力や頻度・回数を行えばしっかり結果は出せることが自分たちの経験からわかりました。
今では自分が全身の施術をしてツルツルで快適なのはもちろん、脱毛の施術の奥深さにハマってすっかり施術が大好きに(笑)。なにより光の打ち漏れはプライドが許さないので、スキマがないようプレートを当てることに情熱を注いでいます。
心からお客さまに「脱毛、いいですよ!」とおすすめできるようになりました。
そういう気持ちって、お客さまに伝わりますよね。脱毛メニューを軌道にのせることができたのは、「ヘアサロンが売上のために、片手間で脱毛を始めた」のではなく、「お客さまのために、自分たちもいいと思っている脱毛に本気で取り組んでいる」という気持ちや取り組みが伝わったからこそだと思います。
目をつむって緊張しているお客さまの五感は肌に触れる光の照射面に集中するんです。だからこそ、「技術力が高そうだな」と感じていただけるよう、打つ順番や構成、照射面の当て方などにもこだわっています。
脱毛って想像以上にクリエイティブな施術なんだ~。だったらヘアサロンのメニューにも最適だね!
成功ポイント4:メニューを単発から回数制にしたことで、お客さまに定着した

メニューや価格設定はどう決めたの?
最初は、エステサロンなどがよくやっている980円のお試しコースから始めました。脱毛を始めたことの認知度アップにはなったのですが、継続する人が少なかったので経験値が上がり結果がでるようになったタイミングで、しっかりとした回数制メニューを作る方向にシフトチェンジしました。
低価格だからいいというわけではないんだね。
お試しコースはキャンペーンをはしごするだけの人もいたりして、なかなか定着しませんでしたね。そこで、回数制メニューの価格は、既存のお客さまが利用しやすいようにと、エステサロンやクリニックより少し低めに設定しました。
回数によって「減毛コース」「脱毛コース」を作り、「脱毛コース」には3年保証をつけています。3年以上経過した方には、正規料金より80%OFFにするなど、通い続けることによってメリットとなる料金体系になっています。
自分たちの経験から、「自分に合った周期で光照射すること」が早く効果が出るポイントだということがわかったので、保証付きのほうがお客さまにとってメリットが大きいんです。
ヘアサロンなら髪を切るついでに脱毛すればいいし、最初に価格が明確に提示されているから、「予約が取れなくて長く通うことになってしまう」「最初はキャンペーン価格だったけど、あとから高額のコースを勧められる」ということがなくて安心できるね!
お客さまにはどんなふうにアプローチしたの?
最初は手軽なヒゲ脱毛とうなじ脱毛をプッシュ
最初は入門用のメニューとして、手軽なヒゲ脱毛やうなじ脱毛を全面に押し出しました。スタッフのヒゲやうなじのBefore・After写真で作ったPOPの効果もあって、お客さまがイメージしやすくなったのか、ニーズがグンと増えました。

ヒゲやうなじで結果が出たことで、他の部位もやる人が増えていきましたね。
全身を一気にやるというよりは、部位ごとに少しずつやっていく人が多いことが徐々にわかってきたので、最初は「上半身4点セット」として手の甲・ひじ・胸・腹をセットにしていたのですが、「腕セット(ひじ上・ひじ下・手の甲・指)」「腹・胸・鎖骨セット」と細かく部位を分けたコース設定に変更しました。
お客さまのニーズに応じてメニューをきめ細かく変えていったんだ!
成功ポイント5:お客さまとの長年の信頼関係が、脱毛の技術力向上につながった

長いお付き合いのお客さまが多いヘアサロンは、お客さまのライフスタイルをよく知っているよね。それは、脱毛メニューを施術するうえでも役立つの?
もちろんです。丁寧にカウンセリングするのに加え、趣味なども知っているので「サーフィンで日焼けすることが多いから、出力は強すぎないように」などと事前に対策を取りやすいですね。
お客さまとの信頼関係で失敗を乗り越えた
それでも失敗しちゃうことってあるの?
稀にですがありますね。肌の赤みや火傷は厳禁ですが、光の出力が弱すぎても効果が出ない。脱毛は個人差が大きく、日焼け後の肌色の度合い、肌質・体質、毛量などによっても痛みの感じ方や毛の変化が違ってきます。
そのあたりを自分たちでデータを取りながら検証し、お客さまにも丁寧にカウンセリングしてはいたのですが、それでも最初のうちは稀に光の打ち漏れができてしまったり、想定外のお痛みなどが出てしまったりすることがありました。
そういうときはどうするの?
新規のお客さまだったらクレームになってしまう可能性もあったと思います。
その点、うちは長年お店に通ってくださっているお客さまばかり。「施術後、家に帰ってからチクチクした痛みがあった」と率直に伝えてくれたり、「ここがいま一つ抜けてなかったよ」などと失敗した部分をLINEなどですぐに教えてくれたりするんです。
どうしてそうなったのか原因を探り、お痛みを強く感じたり、毛量が多くて強い光を当てたりする場合には、事前に冷やしてから照射するなどして対処してきました。
お客さまとコミュニケーションがしっかりとれているので、技術力アップやサービス向上に役立てることができているのがありがたいですね。
脱毛メニューを始める前は、私も失敗によって信用に傷がつくのを恐れていました。でも、もともとの信頼関係があるからこそしっかり対応・改善していけば顧客離れにはつながらないことが実感できましたね。
TABEちゃんが聞く! 脱毛メニュー導入にまつわるQ&A
Q 脱毛を利用するお客様の年齢層は?
A 30代~50代の男性が中心です。50代以上の男性は自分が脱毛を体験して「これはいい!」となると、お子さんの脱毛につながるケースも多いですね。40代以降の女性は既に脱毛を終えている方が大半です。
Q お客さまの支払い方法は、一括払い?分割?
A 「一括払い」か「都度払い」のどちらかを選べるようにしています。当初は、都度払いのほうが気軽でニーズがあると思い、単純に一括払いを回数で割った額としていました。ただ、最初は「やりたい」と思ったものの、テンションが下がって途中でやめてしまう方も。そのため、今では都度払いは少し割高にしています。
Q 導入を迷っているサロンオーナーにアドバイスは?
A ヘアと同じように、本気で技術を突き詰め磨き上げていけば、競合他社にはない美容師の強みが発揮できると思います。人手不足で悩んでいるなら、やらない手はありません!
まとめ
ヘアサロンで脱毛メニューの成功するためには、ヘア技術と同じように勉強や検証を重ねていかないといけないんだね。そして、前提として、お客さまとの信頼関係が重要だってことがよーーーくわかったよ。脱毛メニューって、ヘアサロンならではの強みを生かしながら、経営の悩みも解決してくれる大きな武器になるんだね!
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